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年画で迎えるお正月

ベトナム☆民間版画展

Welcoming the New Year with NENGA -The Vietnamese Fork Prints

2008年127日[日]−2009年118日[日]



紀元前にはじまる長い歴史の中で、中国との攻防を繰り返してきたベトナムは、中国の政治、社会制度などをうまく取り入れながら、文化面においても様々な影響を受けてきました。厄除け、家内安全、招福の目的で春節(旧正月)に家庭で飾られる民間伝承の木版画「年画(ねんが)」もまた、中国からベトナムに伝えられたもので、17〜18世紀頃に隆盛期を迎えたといわれています。

 その昔、仏教伝播の地として栄えたハノイ近郊のドンホー村では、収穫後の農閑期になると、多くの農民が正月(テト)用の飾り絵として版画制作を行ってきました。それが農村派の年画「ドンホー版画」で、歴史故事や民話などを題材としたものが多くあります。また、かつてハノイ市内のハンチョン通りで制作された、いわば都市派の年画を「ハンチョン版画」といい、祭祀図や装飾的な花鳥画が多く、主に富裕層からの注文により、墨版に手彩色を施して制作されました。これらベトナムの年画の特徴は、中国文化から影響を受けたものやベトナム独自の題材からとられたユニークな図柄、豊かな色彩表現に加え、手漉きの紙や天然顔料を用いた素朴さにあります。

 著しい経済成長とともに、中国をはじめアジアの美術が注目される近年、民間伝承である年画は、それら近現代美術とは一線を画すものの、朝鮮の民画や日本の浮世絵との関連性も指摘されるなど、今後、様々な検証がなされる可能性を秘めています。

 本展では、約120点のドンホー版画とハンチョン版画を選りすぐりご紹介し、年画に込められたベトナムの人々の思いや、魅力に迫り、お正月の雰囲気を楽しんでいただきます。

  会期      2008年12月7日(日)−2009年1月18日(日)
休館日     12月28日(日)−1月4日(日)
開館時間   10:00−19:30
入館料    100円(小学生以下・65歳以上・障害者の方は無料)
主催      武蔵野市立吉祥寺美術館
監修          田所政江(女子美術大学講師)
 

講演会「ベトナム民間版画の魅力」  詳しくは>>
日時:1月10日(土) 14:00‐15:30
講師:田所政江(女子美術大学講師・本展監修)

@

  A

←@《丁先皇》 ドンホー版画

丁先皇(ディン・ティエン・ホアン)は、968年、中国から独立してディン朝ベトナムを建てた英雄、丁部領(ディン・ボ・リン)の死後の諡(おくりな)。伝説によれば彼の父はカワウソで、幼い頃より超能力を持ち、村人に崇められていた。あるとき、敵対する叔父に戦いを挑んだところ、川に落ちてしまう。そのとき突如、龍があらわれて彼を救ったという。ここでは、龍の背に乗る彼を見て、ようやく指導者と認める叔父とともに描かれている。

←A《ベトナム婦人はよく働きよく戦う》ドンホー版画銃を手に農耕にも精を出すたくましい女性たちの姿を描いたもの。戦時下にはプロパガンダや、民族独立をうたう年画も制作されていた。

 

C

↑C《鯉魚望月》 ハンチョン版画

中国年画にも多い、中秋の月見をする鯉の図。現在、ハンチョン版画の代表的な図柄である。鯉は日本のこいのぼり同様、立身出世の象徴でもある。

ドンホー版画 Dong Ho


仏教伝播の地として栄えたハノイ近郊のドンホー村では、収穫後の農閑期になると、多くの農民が正月(テト)用の飾り絵として版画制作を行ってきた。それが農村派の年画「ドンホー版画」で、歴史故事、民話、風刺、時事など親しみやすい題材が多い。手漉きの紙に、地塗りを施した後、天然顔料で3〜4の色版を重ね、最後に墨版刷りをする多色木版。線が太く平面的だが、素朴な風合いが楽しめる 。

B

↑B《嫉妬》 ドンホー版画

ハサミを手に嫉妬に燃える第一夫人と、第二夫人との間に入りなだめようとする夫の慌てる様子を描いた風刺図。一夫多妻への批判がこめられている。

ハンチョン版画 Hang Trong


かつてハノイ市内のハンチョン通りで制作された都市派の年画を「ハンチョン版画」といい、題材も制作方法も中国の影響が色濃く、祭祀図や装飾的な花鳥図が多い。主に富裕層からの注文により制作され、多くの場合、墨版1版の上に手彩色が施される。ドンホー版画に比べ、線は繊細で、彩色が鮮やかで、より立体的、絵画的な趣向である。

 

 

 

↓E《聖母図》 ハンチョン版画

地元で信仰されている女神を表わしたもの。アオザイ風の衣を着て、扇子を胸の前でかざし、片膝を立ててハンモックに座する姿がユニークである。画面下には脱いだ靴も描かれている。聖母の衣は、注文によって異なる彩色をする。ここでは白色の衣が水宮の聖母であることを意味し、山林の聖母の注文があれば緑色で彩色される。

 

 

 

 

 

 

 

→D《牛郎と織女》 ハンチョン版画

日本でも馴染みのある彦星(牛郎)と織姫(織女)の話。地域によって物語が少々異なるが、牛飼いの男と、機織りをする天帝の娘、離れ離れになった二人の逢瀬を天川で手助けするカササギが描かれている。

 

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