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川上澄生 愉しきノスタルジア 鹿沼市立川上澄生美術館所蔵

2014年4月5日(土)-5月11日(日)

会期中の休館日:4月30日(水)

 川上澄生(1895−1972)は横浜生まれの東京育ち。北米での暮らしを経験後、1921年より栃木県立宇都宮中学校(現 宇都宮高等学校)の英語教師となります。本格的に木版画の制作を始めたのはこの頃のことです。明治末期から盛んとなった創作版画運動の中で相次いだ版画誌の発刊と運営に、川上もまた携わり作品の投稿を続けました。戦時中は疎開先であった北海道で講師業の傍ら制作を続け、戦後は宇都宮女子高等学校で教鞭を執りながら版画運動を牽引していきます。

 作品のテーマは戦後、南蛮と文明開化が主となり、真新しい文物やハイカラな風俗を好んで描きました。そこには、大正末期から昭和にかけてもてはやされたオランダ文化研究の影響も然ることながら、文明開化の入り口であった郷里横浜への思いと、少年時代に見た開化風俗の思い出が投影されています。自作の版画による絵本の他、ガラス絵、油彩画も残しています。国画会を発表の舞台とし、1967年に勲四等瑞宝章を受章、最晩年まで創作の意欲が衰えることはありませんでした。

 木版らしい素朴な彫り口と川上らしい潔い着彩は、独特の異国情緒を醸すと同時に、古き良き時代の日本を懐古させます。本展覧会では、鹿沼市立川上澄生美術館の充実したコレクションにより、川上の画業を辿りながらその魅力をご紹介します。

                                             

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  5-032-01 20.本町通商館之図   -2-046-01                                             

上段左より:「へっぽこ先生」1935年、「女と洋燈」1950年代

下段左より:「百貨店の内部」1930年、「本町通商館之景」1941年、「南蛮ぶり」1955年  Ⓒ川上さやか