浜口陽三記念室
ぶどうとレモン
会期:2020 年10月1日(木)~2021年2月28日(日)
会期中休館日:2020年10/21(水)~10/30(金)、11/25(水)、12/14(水)~2021年1/8(金)
1/27(水)、2/17(水)、2/24(水)
浜口陽三の静物画には果物が頻繁に登場します。なかでも、“ぶどう”は、浜口がメゾチントの手法を用い始めた1950年代初めからすでに画面に現れ、パリのベルグリューン画廊と専属契約を結ぶきっかけにもなった《スペイン風油入れ》(1954年)にも描かれています。浜口は、特に象徴的な意味を込めて”ぶどう”を描いていたというわけではなかったようですが、その後、カラーメゾチントの手法においても主要なモチーフのひとつとなっていきました。ひとつひとつの粒の形態や房のボリューム、色の違いまでじっくりと観察された”ぶどう”。本展では、初期作品から多用されている”レモン”にも焦点をあて、「ぶどうとレモン」が浜口の眼を通して、どのように描かれているのかに注目します。
さらに、本展では会期中、「ぶどうとレモン」にちなみ、YouTube動画配信を通して、子ども向けワークショップ「おいしいぶどう すっぱいレモン」よーくみてから、かいてみよう! を開催(2020年10/1から配信開始)。講師に迎えた「彦坂木版工房」制作の木版画もあわせて展示します。浜口陽三と「彦坂木版工房」よく見て描いた「ぶどうとレモン」を、どうぞじっくりと楽しんでください。
左上)浜口陽三《スペイン風油入れ》1954年 / 右上)浜口陽三《2色のぶどう》1979年
左下)浜口陽三《赤い皿》1969年 / 右下)浜口陽三《1/4のレモン》1960年
浜口陽三略歴 |
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1909(明治42)年 | 和歌山県広川村に生まれる | |
1930(昭和5)年 | 21歳 | 東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科中退、 パリに移住 |
1933(昭和8)年 | 24歳 | サロン・ドートンヌに出品 |
1938(昭和13)年 | 29歳 | パリで水彩画と版画の最初の個展開催 |
1953(昭和28)年 | 44歳 | 関野準一郎、駒井哲郎と共に日本銅版画家協会を創設 |
1954(昭和29)年 | 45歳 | 第1回現代日本美術展で「スペイン風油入れ」と「ジプシ-」が佳作賞受賞 |
1957(昭和32)年 | 48歳 |
第1回東京国際版画ビエンナーレで国立近代 美術館賞受賞、 第4回サンパウロビエンナー レ国際美術館グランプリ受賞 |
1961(昭和36)年 | 52歳 | 第4回リュブリアナ国際版画ビエンナーレグ ランプリ受賞 |
1977(昭和52)年 | 68歳 | 第12回リュブリアナ国際版画ビエンナーレサ ラエボ美術アカデミー賞受賞 |
1982(昭和57)年 | 73歳 | 北カリフォルニア版画大賞展グランプリ受賞 |
2000(平成12)年 | 12月東京で歿、享年91歳 |