カンゲキのススメVol.2 MONO『少しはみ出て殴られた』

カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、2月17日(金)から上演が始まる、劇団MONO『少しはみ出て殴られた』です。

 

O君:さて、カンゲキのススメvol.2です!

Kさん:唐突に始まりましたね(笑)

O君:カンゲキのススメ第2回は2月17日(金)~26日(日)に吉祥寺シアターで行なわれる、MONOの『少しはみ出て殴られた』について、Kさんにお話を伺っていきたいと思います。

Kさん:O君、MONOについて調べてきたことは何かありますか?


前回公演舞台写真 撮影:谷古宇正彦

O君:えーっと、MONOは1989年に結成されて以来、20年以上にわたって京都を拠点に創作活動を行っている劇団なんですよね。劇団代表で作・演出の土田英生(つちだ・ひでお)さんは演劇にとどまらずTVドラマや映画の脚本など多岐に渡って活躍されています! 

Kさん:その通り!劇団MONOは京都を代表する劇団の一角で、一貫して京都で制作活動を続けながら、毎年東京や九州など全国ツアーを組みながら精力的に公演を行っているわ。劇団員は男性5人のみで構成されているの。なかなか珍しいよね。O君、劇団情報についてはちゃんと調べてきたのね!じゃあ作品のほうはどうかしら?

O君:すいません、実は今回MONOの作品を観るのが初めてなんです。すごく楽しみにしているんですが、事前に何か知識を入れておきたいなあと…

Kさん:そうね。じゃあ初めて観るO君にもわかりやすいように、MONOの作品の特徴についてお話しましょう!

O君:お願いします!

Kさん:まずは何と言っても「笑いと悲哀が融合された会話劇」がMONOの舞台の軸といえるんじゃないかな。MONOは会話劇を中心とした作品が多いんだけど、自然に交わされる会話のひとつひとつに、皆が普段は心の奥の方に隠している様々な感情が隠されていると思うんだよね。人間の滑稽な部分というか、悲しみや諦め、怒り、切なさ、自尊心や妬みだったり…上演中は終始心地よい笑いに包まれながらも、次第にそういったものが明るみになっていく。生きていれば一度は経験するような感情の起伏が、舞台上に存在しているように思えてくるの。

O君:なるほど。台詞や演技の裏に隠された心情を読み解いていくんですね!

Kさん:それからMONOの作品の舞台設定なんだけど、「非日常の世界に存在する日常」をベースとした作品がよく観られるかな。例えば第24回公演『燕のいる駅』は、次々と人が消えていく村のとある駅を舞台に、世界が終わる最後の日を描いているわ。2008年に上演された『なるべく派手な服を着る』は四つ子の兄たちと六男に挟まれて存在感の薄い五男を中心とした6人兄弟の話なんだけど…

O君:ありそうで、なかなかない設定ですね!

Kさん:そうなの!登場人物は皆ひと癖もふた癖もあって、それでいてどこにでもいそうな人々がたくさん出てくるんだよね。目の前の非日常がなんとなく自分たちの日常に重なって見えるのって、きっと登場人物の一人ひとりに共感したり親しみを感じることができるからだと思うのよね。

O君:親近感が持てる作品って、観劇ビギナーの僕にとっても気負わずに観ることができていいですね!

Kさん:そして、そうした「彼らにとっての日常」が次第に変化していく様を、MONOの役者さんたちは穏やかでゆるやかなテンポで作り上げていくの。笑いと哀しみが入り混じる日々を、それでも前を向いて生きようとする人々を描いたMONOの舞台ってとても魅力的よ。なんだろう、「陽だまりのようなやさしい時間」とでも言うのかな、じわじわと心に染み入る瞬間が体験できるとわたしは思う!

O君:Kさん、熱がこもってきましたね!(笑)なるほどなるほど、自分自身に重ね合わせて観ることが出来そうですね。さて今回の作品は、ある建物の中に引かれた「国境線」を巡る寓話とのことですが、どういう点に注目して観ると良いでしょうか?

Kさん:一口に「線」といっても様々よね。作・演出の土田さんがおっしゃっていたけど、この世界には目に見える線だけじゃなくて、国境や人種、宗教など目には見えない線もたくさん存在しているんだよね。ごく普通の人間関係の中に、突然引かれた人と人を区別する「線」。緩やかに進む物語の中に引かれていく「線」そのものと、日常にあふれている「線」を重ね合わせながら観ていくと、より深く物語を理解していけるかもしれないね。

O君:わかりました!他に注目するところはありますか?

Kさん:そういえば冒頭でも言ったけど、MONOは今回5人の劇団員に加えて、更に3人の俳優さんが客演として参加しているの。京都の人気劇団ヨーロッパ企画から諏訪雅さん、中川晴樹さんのお2人、それから引く手あまたな京都の実力派俳優・岡嶋秀昭さん!

O君:ということは男性8人による会話劇ですよね、独特の雰囲気になりそう!あ、そういえば公演期間中にイベントがあるって聞いたのですが…

Kさん:そうそう、前回のカムヰヤッセンに引き続き、MONOの世界観を美しく表現している舞台美術も要チェック!公演期間中に、舞台美術を担当した柴田隆弘さんと、役者と舞台美術の両方をこなす奥村泰彦さんの舞台模型の展示と、アフタートークが行われる日(2/18土曜日)があるから、作品と合わせて注目するといいんじゃないかな!

O君:なるほど!物語と舞台セットの両方を楽しみながら観劇してみようと思います!

Kさん:公演も間近になってきたけど、ただいま京都では絶賛稽古中みたいよ!MONOのホームページでは特設ブログも更新されているから、公演までのお楽しみとして読んでみると面白いよね!

O君:さてさて、MONO『少しはみ出て殴られた』は2/17(金)~2/26(日)まで吉祥寺シアターで上演されます。皆様のご来場心よりお待ちしております。初めての方も私と一緒に、ぜひともMONO初体験を楽しみましょう!

 

MONO『少しはみ出て殴られた』公演詳細ページはこちら

MONO公式HPはこちら!  http://www.c-mono.com/

『少しはみ出て殴られた』公演ブログ  http://mono39.seesaa.net/