カンゲキのススメVol.4 双数姉妹『オルフェゴッコ』

 

カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、3/15(木)より上演が始まる双数姉妹『オルフェゴッコ』です。 

 

O君:突撃!!カンゲキのススメvol.4!!!

Kさん:その唐突なハイテンションにも慣れてきました(笑)

O君:(深呼吸)…さて、カンゲキのススメ第4回は3月15日(木)から吉祥寺シアターで行なわれる、双数姉妹『オルフェゴッコ』を取り上げます。Kさん、今回もよろしくお願いします!

Kさん:はい、よろしく。ではまず双数姉妹という劇団について、O君どうぞ!

O君:もちろん調べてきました!まず双数姉妹は早稲田大学演劇研究会の人達が集まって設立されたんですよね。

 Kさん:そうね。早稲田大学演劇研究会といえば、鴻上尚史さん率いる第三舞台を輩出した歴史ある研究会よ。残念ながら年明けに第三舞台は解散したけれど、他にも山の手事情社、東京オレンジ、北京蝶々などなど、様々な劇団が輩出されているわ。

O君:そういえば以前吉祥寺シアターで公演をした劇団「少年社中」も研究会の出身だと聞きました!

Kさん:おおっ、なかなか勉強熱心ね!ちなみに少年社中は今年の8月に吉祥寺シアターで公演を行うのでお楽しみに。さて、双数姉妹の説明に戻るわね。まずは劇団の特徴から。
 双数姉妹の芝居の特徴といえば、大きく分けて2つ思い浮かぶわ。ひとつは「力強い演技力」を一人ひとりの役者さんが兼ね備えていること。もともと双数姉妹は結成当初、フリーエチュード、すなわち即興劇での作劇が主だったの。

O君:台本を用意せずに大まかな設定だけを決めて、後はその場の流れでアドリブで演技をするんですよね。

Kさん:その通り。2004年頃から主宰の小池竹見さんが作・演出を担うようになって作品の安定感が増したようだけど、その作品を創り上げる役者さん達の実力は、フリーエチュード時代に培われたと言えるんじゃないかな。

O君:なるほど。過去作品の一覧を見てみると、即興劇・ストレートプレイだけでなく時代劇風の作品をやったりと、劇団のスタイルをあえて固定せずに様々なジャンルに挑戦しているんですね。

Kさん:それから毎回注目が集まる「斬新な舞台装置」。客席によって見える芝居が全く違う構成だったり、格闘技風に作られた八角形の舞台だったり。わたしがすごく印象的だったのは、『チェーブラルーム』の舞台装置かしら。とても幻想的だったわ。そうだ、興味があったら劇団の過去公演をまとめた動画があるから見てみてね。

(双数姉妹過去作品映像)

 

O君:わあ!舞台がくるくる回ってます!これはどうやって作ったんだろう・・・。

Kさん:細部にこだわりがあって、かつ装飾を極力減らした、シンプルで印象的なセットは毎回ワクワクさせられるわね。

O君:役者さんたちの芯のある演技とダイナミックな舞台装置が、しっかりと物語を支えているんですね。

Kさん:そうだ、作風についてまだ触れていなかったよね。
 作・演出の小池さんが書く物語は、集団の中で生まれる様々な心理を描写しているものが多いわ。日本ではコミュニケーション不足や対人関係の断絶などが問題視されて久しいよね。そういった集団としての「葛藤」を題材にしながら、お客さんが親しみを持って作品の世界に接することができる作品を作っているの。

O君:いくつになっても感じる葛藤ですね。対人関係とかって、実は身近で大きな問題のひとつかもしれません。日本は協調性を大事にする社会ですからね。

Kさん:人間って、心に温かい部分と、冷たい部分を持っていると思うの。みんな、余裕のある時は自然と人にも優しくなれるし、初めての人同士で集まったりするときはできるだけ自分の良い所を出そうとするわよね。でも何かのきっかけでそれが崩れたとき、人間同士の冷徹な、冷たい部分が表面に出てきたりする。

O君:誰もが持っていて、だけどいつもは心の隅のほうに隠している冷たい部分ですね。

Kさん:この温かさと冷たさの間で苦悩する人々を、小池さんはとても丁寧に描く才能があると思うわ。相手の嫌なところを見てしまって、うんざりして、それでもお互いに惹かれ合って・・・。

O君:お客さんからしても、共感出来る部分がたくさんありそうです。次回公演の『オルフェゴッコ』もそのような舞台になるんでしょうか。

Kさん:「公演毎にスタイルが変化する」と評される劇団だから、観てからのお楽しみ!というところがあるわね。今回はチラシにも書いてあるように劇団の休止公演ということで、劇団員が総出演するわ。作品のテーマはギリシア神話『オルペウスとエウリュディケー』。

O君:「決して振り返ってはならない」という有名な台詞がある話ですよね。妻を失ったオルペウスが、諦めきれず死後の世界へと妻を連れ戻しに行くとかどうとか。

Kさん:そうそう。その作品をモチーフに双数姉妹版のエウリュディケー奪還劇が繰り広げられるわけだけど、どうやら地上/地下のふたつに舞台設定がわけられるみたいよ。わたしたちが生きる世界と死後の世界を明確に分ける基準としては、面白いわよね。

O君:なるほど。舞台装置が気になる設定ですね!

Kさん:それから双数姉妹の公演ブログにも書いてあったけど、今回は台本が用意されているシーンと、即興で行われるシーンに分かれているみたい。双数姉妹が今まで挑戦してきた様々な手法が集結しているような、22年間の結晶とも言える作品になること間違いなしね!

O君:即興のシーンと台本のシーンを見分けながらの観劇、少し高度な気もしますが要注目ですね。すごく楽しみです!Kさん、今回も勉強になりました!

Kさん:双数姉妹『オルフェゴッコ』は3/15(木)~3/20(火・祝)まで吉祥寺シアターで上演されます。初めての方も今まで双数姉妹を見続けてきた方も、劇団公演はこれで一旦見納め。絶対にチェックしてほしい作品です。皆様のご来場、心よりお待ちしております!

 

 

双数姉妹『オルフェゴッコ』公演詳細ページはこちら

双数姉妹公式HPはこちら!  http://www.duelsisters.com/

公演ブログはこちらから  http://ameblo.jp/sosuorfeu