カンゲキのススメVol.5 柿喰う客『絶頂マクベス』

 

 カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、4月より上演が始まる柿喰う客女体シェイクスピア002『絶頂マクベス』です。 

 

 

O君:こんにちは!カンゲキのススメvol.5始めます!

Kさん:わー、もう5回目ですかあ。

O君:記念すべきカンゲキのススメ第5回は!4月14日(土)から吉祥寺シアターで行われる、柿喰う客 女体シェイクスピア002『絶頂マクベス』を取り上げます!Kさん、今回もよろしくお願いします!

Kさん:はーい。さてさて、やって来ました、女体シェイクスピアシリーズ!

O君:女体シェイクスピアシリーズ!!!はっはっは、女体・・・シェイクスピア・・・?

Kさん:その感じだとあんまり調べてきていないみたいね(笑)

O君:すいません、いつものパターンで劇団紹介が来ると思ってました・・・

Kさん:女体シェイクスピアシリーズは、代表・作・演出の中屋敷法仁さんがシェイクスピア作品の脚色・演出を行う柿喰う客の新機軸となるシリーズよ。

O君:シェイクスピアといえば、昔は男性だけで演じられていたんですよね。それを女優さんだけで演じる、ということでしょうか。

Kさん:その通り。昨年上演され、斬新な新機軸のスタートとなった作品『悩殺ハムレット』は、普通に上演すると3時間以上にもなる超大作「ハムレット」を90分間という短時間に仕上げた中屋敷さんの手腕と、個性が立った女優さんたちに大きく注目が集まる作品となったわ。今回の『絶頂マクベス』についてはまた後ほど詳しく話すわね。前回公演の宣伝動画があるから、良かったら見てね。

 

<動画:柿喰う客「悩殺ハムレット」PV第二弾

 

O君:代表の中屋敷さんは青山学院大学在学中に「柿喰う客」を旗揚げして以来、全ての作品の作・演出を手掛けているんですよね。若手の演出家で最も期待されている演出家の一人ということで、今年の7月にはパルコ劇場での演出が決まっているそうです!

Kさん:小さい劇場から大きい劇場まで、動員数に限らず演出が出来る若手の演出家としてはとても貴重な存在だと思うわ。そんな中屋敷さんの演出の特徴といえば、歌舞伎のような身体の動きとスピードとリズムを兼ね備えた説明的な台詞回しが印象的よね。

O君:上の動画でも見られる、頭を切れよく振る動きはすごく特徴的ですね!日常生活では絶対しないような動きだ・・・

Kさん:まるで自分の意思とは全く違うところで操られているように見えるよね。身振りや表情が人間らしくないというか、俳優さんたちが動けば動くほどリアルな人間の素振りから遠ざかっていく感じ。
柿喰う客の作品は、人間の存在そのものであったり、今の世の中だったりを、そういったフィクション的な身体表現によってある意味冷笑的に描き出していくの。観客側としても、そういったテーマを突きつけられながらの観劇になるわけ。

O君:なるほど。スピード感溢れる説明的な台詞回しも、柿喰う客ならではといった感じがしますね。

Kさん:作品の中で、今展開されている状況だったり過去の回想だったりを、とにかく台詞で説明してしまうの。たたみかけるような台詞はまるで早口言葉を聴いているみたい。(笑)わたしは『悩殺ハムレット』を実際に観に行ったんだけど、ずっと聴いていても疲れたり飽きがくることがないのね。飽きるどころか、どんどんと自分の中で想像力が膨らんでいくのがとても楽しかったわ。それは緻密に計算された音のリズムというか、言葉の選び方に気を使ってるからだとわたしは感じたかな。
シェイクスピアは原文を読んでみたりすると分かるんだけど、言葉のリズムの美しさで評価された作家でもあるのよね。そういった意味では、このスピードとリズム感のある台詞回しは『絶頂マクベス』でも注目してもらいたい点ね。
90年代からの大きな流れである「現代口語演劇」は、青年団の平田オリザさんがよりわたしたちの日常に近いリアリティを持った演劇を提唱し広まったけれど、柿喰う客はそれとはまた別の新たな流れをまさに今、創っていると言えるわ。

O君:なるほど。劇団としての個性が作品に強く表れているんですね!さて、吉祥寺シアターでの公演『絶頂マクベス』の見どころですが・・・原作の『マクベス』はスコットランドに実在した王様・マクベスモデルに書かれた作品なんですよね。上演時間が3時間を越えるハムレットとは逆に、『マクベス』は上演時間が一番短いという。

Kさん:多々ある作品の中でも有名な戯曲で、『ハムレット』、『オセロー』、『リア王』と並ぶシェイクスピアの四大悲劇のひとつだよね。中屋敷さんは高校三年生のときに、全国高等学校演劇大会で「贋作マクベス」という戯曲を書いて最優秀創作脚本賞を受賞していることもあって、注目を集めることは間違いなしね。

O君:Kさんはどんなところに注目していますか?

Kさん:まずはこの作品の軸である、柿喰う客の劇団員をはじめとした総勢15名の多彩な女優陣かしら。そもそもは、男社会の時代に生まれたシェイクスピアの作品を女優さんが演じることで、シェイクスピアを、引いては演劇界や女優に対する考え方を変えたいという中屋敷さんの想いから、この女体シェイクスピアシリーズが生まれたという経緯があるみたい。こんなにも役者さん一人ひとりが生き生きと躍動する舞台は、なかなかないんじゃないかな。ぜひ役者さんそれぞれに注目して観てほしい。


O君:お気に入りの役者さんを見つけるのも楽しいかもしれない・・・!

Kさん:O君、顔がゆるんでるよ(笑)それと今回“乱痴気公演”と呼ばれる回が公演期間中に一度だけあるんだけど、この回は全ての役をシャッフルして上演する特別ステージになっているの。通常公演を観てからこの回を観ると、「この役者さんがあの役に?!」というような新たな楽しみ方が出来ると思うよ。

O君:僕が個人的に楽しみにしているのは、華やかな照明と音楽ですかね!動画を見ていても、自然とテンションが上がるというか、ノリノリになれるというか(笑)衣装や舞台装置も含めて、ひとつひとつが柿喰う客の個性を強く表現している気がします。その舞台空間を楽しめたらなと思います!

 

Kさん:O君、自らカンゲキのポイントを見つけてくるなんて、成長したわね・・・

O君:うわーこのチラシ、どの役者さんも可愛いなあ!

Kさん:ほめるんじゃなかった!!!・・・そうそう、今回チラシが3種類作られていて、そのどれもデザインの際立ったかっこいいチラシになっているの。チェックしてみてね!

O君:柿喰う客 女体シェイクスピア002『絶頂マクベス』は4/14(土)~4/23(月)まで吉祥寺シアターで上演されます。初めての方にはぜひとも!柿喰う客のファンであるあなたももちろん!皆様こぞっていらっしゃってください。心よりお待ちしております!

 

 

 

柿喰う客 女体シェイクスピア002『絶頂マクベス』公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/02/post-1.html

 

柿喰う客『絶頂マクベス』特設サイト http://kaki-kuu-kyaku.com/macbeth/