カンゲキのススメVol.7 サスペンデッズ「GO HOME」


 

カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、6月より上演が始まるサスペンデッズ第12回公演『GO HOME』です。 


【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】

サスペンデッズ第12回公演『GO HOME』 6/15(金)~6/24(日)
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/04/go-home.html

 

O君:こんにちは!なんだかお久しぶりに感じるカンゲキのススメです!梅雨も間近の6月、吉祥寺シアターでは15日(金)から劇団サスペンデッズ 第12回公演『GO HOME』を約2週間に渡って上演します!

Kさん:ぱちぱちぱち。ちなみに私はもうチケット予約したわ!

O君:僕もチケット、公演チラシ共にゲットしました!
 

 








Kさん:そう、これこれ。劇場でもらうチラシ束の中に入っているのを見たけど、とてもインパクトがあったわ~。

O君:このチラシ、毎公演サスペンデッズのチラシのイラストを担当している木村タカヒロさんによるものなのですが、とても印象強いイラストですよね。よく見ると、瓦礫になった家屋、空を覆う薄黒い煙、目の前の光景を眺める人々・・・対比するように右上に彩られた桜?梅?の木の鮮やかなピンクがハッと飛び込んできます。
裏面には、大海をめぐって生まれた川に戻ってきた鮭たちの一生について書かれていました。今回はどのようなお話になるんでしょうか。

Kさん:一度きりの産卵のために生まれた川に帰って来る鮭の一生をモチーフに、どんな物語が展開されていくのか楽しみね。作・演出の早船聡さんいわく、昨年の震災後に、数多くの鮭が産卵のために東北の故郷の川に戻ってきたというニュースを見たことが、今回の作品の基となったとおっしゃっていたわ。実際に鮭が出てくるのかしらね?
それと今回の舞台セットは、吉祥寺シアターの高さのある舞台を生かしたセットが組まれるみたい。ここだけの話、舞台上に大きな穴が出現するとかしないとか・・・。まっ、これは見てからのお楽しみってことね!

O君:僕もこのチラシの倒れた家屋を見たとき、いろいろなことが頭を巡りました。僕たちの日常は、決して社会とは切り離して考えることはできませんもんね。

Kさん:その通りだと思うわ。そうそう、吉祥寺シアターブログFacebookにて、サスペンデッズの皆さんへのインタビューや稽古写真を公開しています。既にチケットをご購入いただいている方は、そちらも要チェックね!

O君:後で僕も見てみよーう!さて、突然ですが、じゃん!










Kさん:ん?・・・こ、これは!サスペンデッズの過去作品DVDじゃないの!

O君:はい!事前学習はばっちりです!(サスペンデッズ・制作さんからお送りいただきました。ありがとうございました!!)

Kさん:成長したわね・・・(ハンカチを取り出す)。率直に聞くけど、どんな印象を受けました?

O君:最初に観たのが『g』、昨年8月に下北沢の劇場ザ・スズナリで上演された作品です。人型のロボットが当たり前に現実社会で使用されている、少し先の未来の話でした。牧場でロボットと一緒に食用牛を育てながら生きてきた女性が出てくるんですが、その女性が東京に出てきてある美容師と出会うんです。その男は、美容師をしながらマルチ商法をやってるって設定で。この役をサスペンデッズの伊藤さんが演じているんですが、「ダメ男」っぷりが見事なんです!(笑)

Kさん:女性は「私が彼を導いてあげなきゃ」という気持ちに駆られて傍にいるのよね。わかるわ~その気持ち。

O君:(Kさん、苦労してるんですね・・・。)美容師やマルチ商法に引っかかった人たちの欲はとどまることを知らず、ついには自分に献身的に尽くしてくれたロボットを売り払う人が出てきたり・・・。お金儲けや自己欲に気をとられて、長く築き上げてきた関係性を簡単に断ち切ってしまえる。人間の強欲な姿が垣間見えました。どんどんと便利になっていく社会で、人間は日々、真偽のわからない情報に流されたり、地位や名誉に踊らされたりしています。その人にとって何が大事か、というのは人それぞれですが、自分にとって、また自分が生きていくうえで何を大切にしてきて、これからも大切にしていきたいのか考えるきっかけになりました。

Kさん:作品のラスト、女性とロボットが育てていた食用牛が妊娠し、出産をする横で、ロボット役の佐藤銀平さんがカメラのシャッターを何度も何度もきりながら、「命ってなんなんだ!生きるってなんだ!」と叫び訴えるシーンは印象的だったわね。

O君:前々回公演の『カラスの国』や、劇団ハイリンドとの合同公演『グロリア』でも、人間同士の一筋縄ではいかないような関係性を、社会の様々な問題とリンクさせた内容でした。「自分らしく生きる」だったり、「良く生きる」とはどういうことだろう・・・と考えながら楽しく観させていただきました。

Kさん:サスペンデッズの舞台は作品毎に作風が変わるというイメージがあるわね。日常に根付いたお話だったり、一見SFチックだったり、幻想的だったり・・・。作・演出の早船聡さんは34歳で作家デビューしてから、サスペンデッズの全作品の作・演出を手掛けているんだけど、心の機微をうまく掴んだ繊細で深い感動をもたらす物語が高く評価されているの。わずか5作目の戯曲『鳥瞰図』が2008年、新国立劇場の「シリーズ・同時代」で取り上げられたこともあって、新進気鋭の若手作家のひとりとして注目されているわ。早船さんは役者としても岩松了さんの舞台に出演したりと味のある演技をする方なんだけど、劇団では作・演出一本でやっているみたい。

O君:サスペンデッズは作・演出の早船聡さん、俳優の佐藤銀平さん、伊藤総さん、佐野陽一さんの4人で旗揚げした劇団なんですよね。皆さん、演劇集団円研究所の同期ということで、役者陣は新国立劇場やテレビ・雑誌など小劇場界の外でもご活躍されているそうです!

Kさん:今回の上演作品『GO HOME』では、その4人に加えてオーディションで選ばれた役者さんが6人いるわ。度々客演で出演されている方から初出演の方まで様々だけど、役者の皆さんが早船さんの描く物語にどう染まっていくか、どう色を出していくかに注目したいわ。

O君:サスペンデッズ第12回公演『GO HOME』は6/15(金)~6/24(日)まで吉祥寺シアターで上演されます。大人が感動できる、味わい深い会話劇。初めての方にはぜひとも!サスペンデッズのファンであるあなたももちろん!こぞっていらっしゃってください。皆様のご来場、心よりお待ちしております!

 

 

サスペンデッズ『GO HOME』公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/02/post-1.html

サスペンデッズ劇団HP http://www.suspendeds.net/
サスペンデッズオフィシャルブログ http://suspendeds.jugem.jp/