カンゲキのススメVol.11 モダンスイマーズ「楽園」


カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、現在吉祥寺シアターで公演中のモダンスイマーズ『楽園』です。 


【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】
モダンスイマーズ『楽園』 11/7(水)~15(木)
公演詳細→ http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/08/post-8.html


 

 

 

 


O君:こんにちは!夜の冷え込みが強くなってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?11月の吉祥寺シアターは7日(水)よりモダンスイマーズ『楽園』が絶賛上演中です!2007年に初演された劇団の人気作の再演となっております。
舞台は廃屋となった観光ホテル。子供たちだけの“秘密基地”であり、大人の目から隔離された“楽園”でもあったその場所で、5人の小学生の間に、ある少女のその後の人生を変えてしまうような事件が起こります。子供時代の無邪気さが故に起こってしまった出来事を巡って、様々な想いが交錯していきます。

Kさん:作・演出を務める蓬莱竜太さんの子どもさんに起こったある日の出来事をきっかけに、蓬莱さんが感じたことをそのまま作品にしたためたそうよ。

O君:子供のときって、日ごとに友達同士の中でパワーバランスが変化したり、悪意のない些細な出来事でいじめが始まったりしていた記憶があります。いじめや人間関係で悩んでいるのは、子供の世界だけの話ではないですからね。

Kさん:そうね。『楽園』は、そういった社会的問題を演劇ならではの視点から取り上げている作品のひとつと言えるかも知れないわね。たとえば、いじめやいさかいは、相手への想像力や配慮の欠如から起こるものだとわたしは思っているのね。演劇を観るときも同じで、「想像力」ってすごく大事だと思うのね。想像力を喚起させられるお芝居って良い作品だと個人的に思っているわ。というわけで、今回の作品は「想像力」を持ってさまざまな登場人物の心情や痛みに思いを巡らせながら観てもらえればと思います。

O君:ひとりの人間を形作る、大事な子供時代に起こったある日の出来事、その後の人生で一生忘れることの出来ない事件を巡る子供たちのドラマは、観客自身の昔の記憶を思い起こさせるような、そんな力があると僕も思います。キーワードは「想像力」ですね!

Kさん:そして先ほども名前が出てきたけど、作・演出の蓬莱竜太さんについて。蓬莱さんは『まほろば』という作品で2009年の岸田國士戯曲賞を受賞しているわ。人間が生きていく中で避けることの出来ない苦悩や喜怒哀楽を若い感性で描く骨太な群像劇を得意としていて、年代を問わず多くの人々を弾き付けるドラマ性の高さは、小劇場界でも屈指の作家さん。最近は劇団外部での演出も多く見られるわね。

O君:現代の複雑な社会の中で芸術に求められることも多様化しているように思えますが、「共感性の高い物語」は多くの人の関心を引きそうですね。

Kさん:既にチケットを持っている方も、どうしようかなと迷っている方も、ぜひ一度公演情報を見てみてくださいね!


【更に詳しく『楽園』に迫る!】

O君:さて、本作の演出について触れますと、大人になった登場人物の姿で子供時代を演じる、という手法が当時注目されました。5人の小学生が、みんなその後大人になって就いた仕事着を着たままで、小学生時代を演じているんですよね。ある男の子は警察官、またある男の子はコンビニ店員といった姿だったり・・・。

Kさん:最初はその設定に戸惑いを覚える方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないけど、観ていくうちにその設定が自然と染み渡っていくのよね。それは、そのお客さまが無意識のうちに物語の世界のなかへ入り込んでいる証拠かもしれないわね。

O君:初演時と違うところといえば・・・まずはヒロインですね。今回は作中のヒロインを深沢敦さんが演じます。

Kさん:私は初演を観た事があるからあえて言います、ご期待ください!

O君:蓬莱さんは作中のヒロインについて、「非常に大事な役で、キレイというだけでは駄目な人物です。(中略)深沢さんはこの芝居にフィットする、「この手があったか!」というヒロインです。」と述べています。この言葉の通り、作品に登場するヒロインは決して美少女というわけではないんですよね。でも彼女は、学校の人気者という設定で登場します。

Kさん:小学校の時って顔が可愛いとかっていうよりは、足が速かったり、頭が良かったりっていう子供ならではの尺度で人気者になる人が決まったりするのよね。それは大人の視点とは少し違うところでもあるわね。
それから深沢さん以外の役者さん、つまり劇団員の4人は初演の時の配役とは違う役を演じることに決まったみたいよ。

O君:そうなんですか!初演を観ている人はまた違った楽しみ方ができますね。

Kさん:そうなの!わたし、初演の時の出演者・津村知与支さんの役がすごく好きで、津村さんの演じる「ちょっと見栄っ張りな悪ガキ」的キャラがすごく似合っているなあと思いながら観ていたんだけど、役が変更になると聞いて「これは初演とはまた違った趣になるのでは?」と思ったわ。

O君:出演者の小椋毅さんもご自身のブログで「これは“最新作”です」と言っていましたから、出演者・演出共々楽しみですね!それから舞台セットも見ごたえ満点だそうです。舞台に対して少し斜めにセットが組まれていて、奥行きを感じる古びた観光ホテルが表現されています。今の季節にマッチするように、地面には枯葉がちらほら…。どこか哀愁漂う風景が、物語と上手くリンクしていく様は見ものですね。

Kさん:モダンスイマーズ『楽園』 は吉祥寺シアターで15日(木)まで上演されます。チケットのお求めがまだの方は、ぜひ武蔵野文化事業団チケット予約までお電話をどうぞ!

O君:また今回劇場ロビーには『楽園』本チラシ以外にも、兵庫県立芸術文化センターの方が作ってくださった、蓬莱さんのインタビューチラシも掲出しているみたいですよ!残りわずかのようですので、お早めにどうぞ!



モダンスイマーズ『楽園』 公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/08/post-8.html

チケット予約はこちらからどうぞ! https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/

モダンスイマーズHP http://www.modernswimmers.com/index.html