カンゲキのススメVol.17 柿喰う客 女体シェイクスピア004『失禁リア王』


カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。
 

今回取り上げるのは、9月5日より吉祥寺シアターで上演が始まる
柿喰う客 女体シェイクスピア004『失禁リア王』です!!
 

【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】
柿喰う客 女体シェイクスピア004『失禁リア王』 9/5(木)~17(火)
公演詳細→http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2013/06/-vol14.html

















O君:残暑厳しく暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?千年猛暑ともいわれる今年の夏、夏バテでお疲れという方も多いのではないでしょうか。そんな夏疲れを吹き飛ばすパワフルな公演がやってきます!!その名も『失禁リア王』です!

Kさん:吉祥寺シアターへの登場は今回で二度目となる柿喰う客女体シェイクスピアシリーズの登場ね!!今回はシェイクスピア四大悲劇のひとつ『リア王』に挑みます!女体シェイクスピアシリーズは劇団柿喰う客を率いる中屋敷法仁さんが手掛ける全く新しいシェイクスピア作品です。一番の特徴は元々男優のみで演じられていたシェイクスピア作品を女優のみで作り上げていること。女優の持つ妖艶さやしなやかさを武器に、堅苦く難しいイメージの強いシェイクスピア作品を鮮やかにスピーディーに蘇らせて公演ごとに注目を集めているわ。詳しくはカンゲキのススメVol.5に解説が載っているけど・・・O君はもちろん覚えているわよね?

O君:もちろんです!! 去年4月に上演した女体シェイクスピア002『絶頂マクベス』ですよね!!初めて女体シェイクスピアを観劇したのですが、シェイクスピア作品に苦手意識を持っていた僕も、女優さんだけの華やかな舞台上で繰り広げられるスピーディーな展開に圧倒されているうちに、いつの間にか作品の世界に夢中になっていました!

Kさん:そうね。シェイクスピアに苦手意識を持っている方にこそ、是非観ていただきたいのが女体シェイクスピアよね。中屋敷さん本人もチケットぴあ関西版のインタビューページで女体シェイクスピアは「漫画で分かるシェイクスピア」と思って欲しいと言っていたくらい分かりやすくてスピーディーなのよね。もちろんシェイクスピア作品ファンにとっては「女優によって演じられる」からこその新しい発見も魅力よね。ところでO君、『リア王』のあらすじは知っているかしら?

O君:えーっと、始めだけしか分からないんですが・・・年老いた国王リアとその三人娘の話ですよね。心から父親を思っている末娘のコーディーリアを勘当して、姉娘のゴネリルとリーガンの“口だけの愛”を信じてしまったことで、国王であったリアが虐げられてしまうという・・・。

Kさん:そうね。よく知られているのはそのメインの親子の物語よね。でも実はこの『リア王』には、もうひとつの親子の物語があるの!それがグロースター伯爵と兄エドガー、弟エドマンドの親子の物語よ。実はこの兄弟は異母兄弟で、エドガーは正妻の息子、エドマンドは愛人の息子なの。そのせいで昔からエドマンドは差別されてきたから、父親であるグロースター伯爵のことも兄エドガーのことも憎んでいて、いつか復讐しようとたくらんでいるのよ。

O君:そんな副筋があったんですね。『リア王』にも悪事をたくらむ男が出てくるとは知らなかったです!!『マクベス』はもちろんシェイクスピア作品に出てくる「悪いヤツ」ってとっても魅力的だから、エドマンドがどんな役割を果たすのか気になります!

Kさん:そうね。しかも女体シェイクスピアに登場する「悪いヤツ」はすごく個性的なのよね!!だから是非エドマンドにも注目してほしいわ。そのエドマンドの陰謀によって起こるグロースターの悲劇はリアの身に起こる悲劇と重なっていくんだけど、陰謀に巻き込まれ全てを失いながらも父親を思いやるエドガーの姿は、コーディーリアの姿とも重なるわね。この二組の親子をどう表現するのかも見所のひとつね!

O君:なるほど。リアとその娘たちだけでなく、もうひとつの親子の物語に注目することで『リア王』の世界観をより楽しめるということですね! その他にKさんが注目する観劇ポイントはありますか?

Kさん:『リア王』でもうひとつ重要になってくるのが道化の存在なの。しかも女体シェイクスピアシリーズで道化が登場するのは今回が始めて!!さらに今回登場する『リア王』の道化はシェイクスピア作品に登場する数々の道化の中でも最も解釈が難しいと言われているの。この道化をどう表現するかで作品に大きな影響を与えるのよ!!

O君:(また、力説が始まってしまった・・・)でもどうして『リア王』の道化は難しいんですか?道化なんてどれも同じような気が・・・。

Kさん:そんなことないわよ!!道化ってとっても奥深いんだから!シェイクスピア作品に登場する道化は「笑いを取る」だけじゃなくて「偉い人にもズケズケものを言う」という特長もあるのね。だから他の作品でもちょっと特殊な役割を果たしているんだけど、特に『リア王』の道化が難しいとされる一番の理由は急に消えちゃうことなの。さまようリアに付き従っていたはずの道化が急に舞台上に登場しなくなるのよね。原作ではリアの台詞から道化が殺されたことが分かるんだけど、殺されるシーンがあるわけじゃないから謎が残るのよね。

O君:へぇー。観客の目を惹く重要な役どころの道化が、急に登場しなくなるという謎は確かに気になりますよね。『リア王』の道化はミステリアスな存在なんですね!

Kさん:それになんと言っても道化には名前が無いの!他のシェイクスピア作品では『十二夜』に登場する道化は「フェステ」、『お気に召すまま』に登場する道化は「タッチストーン」ってきちんと名前があるのに、『リア王』に登場するのはただの「道化」。名前もなくて、すっと消えちゃうから「この道化はリアの意識だ」と言われることもあるわ。いろんな謎が残る『リア王』の道化だから、作品内ではとても重要な役どころになるはずよ。中屋敷さんが「道化」をどのように描くか、注目して欲しい点のひとつになりそうね。

O君:なるほど。謎を残す道化をどうやって表現するかで作品の解釈が変わってくるということですね!それを女優がどうやって表現するのか、しかも女体シェイクスピア初の道化登場はますます気になりますね!あっ!!演劇キックのインタビューページに中屋敷さんのコメントを発見しました!!
「リア王に愛された3人の娘たちの心理を中心に、家族の愛のすれ違い、そして破滅までを描きます。また、リア王に寄り添う道化を「娼婦」と位置付けモチーフで女性が演じます。死期の迫った権力者の愛を巡る4人の女たちの物語です。」
これによると道化は「娼婦」として表現されるようですね!!

Kさん:道化を「娼婦」として表現するなんて、まさに女体シェイクスピアならではって感じね!!「娼婦」とリアにどんな関係性が生まれるのか、ますます楽しみね!それに「権力者の愛を巡る4人の女たちの物語」として捉えていくと『リア王』がどんな新しい姿になるのか!今回も見逃せないわね。


さらに詳しく柿喰う客 女体シェイクスピア004失禁リア王』に迫る!!


Kさん:ところでO君は今回二回目の女体シェイクスピアになるわけだけど、楽しみにしているポイントはある?

O君:そうですねー(やっぱりかわいい女優さん・・・ではなくて)役者さんが身に付ける衣裳と言葉遣いですかね!『絶頂マクベス』ではマクベスが執事の衣裳で、マクベス夫人がメイドの衣裳だったのが新しくて面白かったです!

Kさん:O君、衣裳までよく覚えているわね!!確かに衣裳と言葉遣いは女体シェイクスピアシリーズの観劇ポイントよね。第一作目となる『悩殺ハムレット』はホストクラブで働く着飾ったイマドキの男女が、若者言葉を駆使して物語を繰り広げるという斬新な『ハムレット』だったわ。『ハムレット』の名台詞「To be or not to be・・・」が「生きちゃう系?死んじゃう系?ソレって問題じゃね?俺らしいのとかどっち系?」という若者言葉で表現されていて私もびっくりしたわ。でも、その服装と言葉遣いによって古典作品ではなく、今を生きる若者としてのハムレットが鮮やかに演出されていたわ。

O 君:そして二作目が『絶頂マクベス』ですよね。最初マクベスは執事の衣裳とメガネを身に付けた、常に丁寧語を使うような真面目で小心者な男だったんです。でも王様になると王冠やマントを身に付けるんですよね。そのときは言葉遣いも服装も王様らしくない感じがして・・・

Kさん:そう!真面目なマクベスが妖艶な魔女たち、というより全ての女たちによって翻弄されていく様子が印象的だったわよね。そして三作目となる『発情ジュリアス・シーザー』ではなんと和装と洋装が入り乱れる、幕末の日本を思わせるような衣裳だったの。歌舞伎のように見得を切るようなシーンもあって江戸っ子口調が印象的だったわ。確かに『ジュリアス・シーザー』には国のために命がけで改革に挑む若者たちが登場するから、私たち日本人には幕末の志士たちと重ね合わせると身近に感じられるかも知れないと、私も納得しちゃったわ。
そのときの舞台写真があるわよ!!










O君:うわーやっぱりかっこいい!!でもかっこいいだけじゃなく、衣裳と言葉遣いによって新しいシェイクスピアの作品像を演出しているということは、最新作『失禁リア王』での衣裳や言葉遣いも要チェックですよね!!公開されてるビジュアルも素敵ですし。

Kさん:わくわくしちゃうようなビジュアルよね!!それに『リア王』は名台詞も多い作品だから名台詞の数々がどんな風に生まれ変わるのかも今から楽しみね。・・・でもO君!今回もきれいな女優さんがたくさん出演するけど、そこに気を取られてないでちゃんと『リア王』の予習を忘れずにね!

O君:も、もちろんですよ!素敵な女優さんも含めて『失禁リア王』を楽しみます!!公演は9月5日(木)から!まだチケットをお持ちでないお客様は是非お早めにご予約ください。また女体シェイクスピアシリーズならではの全キャストシャッフル公演・乱痴気公演やキャストによるイベントが行われるガールズナイトなど、通常公演とはちょっと違うお楽しみもいっぱいの公演もありますので、ご予約の際はよく確認してくださいね。是非新しい『リア王』の誕生をお見逃し無く!皆様のご来場お待ちしております!!


柿喰う客『失禁リア王』公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2013/06/-vol14.html

ご予約はこちらからどうぞ!→https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
柿喰う客HP→http://kaki-kuu-kyaku.com/main/