カンゲキのススメVol.31 ティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』


カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、9月27日より吉祥寺シアターで上演が始まるティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』です。 


ティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』 9/27(土)~10/5(日)
公演詳細→ http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2014/06/post-26.html

 

 

 

 

O君:夏も終わり、すっかり秋めいて来ましたが皆さんお元気でしょうか。今年も芸術の秋がやってきましたね。紅葉した井の頭公園の木々を眺めながら歩いていたら吉祥寺シアターにたどり着いた・・・みたいなことが多発する秋です。

Kさん:しっぽりと始まった割にはちゃっかり誘導しているわね・・・

O君:なんてったって今秋の吉祥寺シアターは公演が続きますよ。先日終了した(現在公演中の)アマヤドリ『非常の階段』に続き、9月末からはティーファクトリー、小池博史ブリッジプロジェクト、青年団、可児市ala Collectionと目白押しです!というわけで今回は9月27日(土)より上演開始のティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』についてご紹介していきたいと思います。

Kさん:ティーファクトリーといえば今年の3月に吉祥寺シアターで麿赤兒さん主演『荒野のリア』を上演した印象が強いわね。麿さんの怪演は本当に素晴らしかったわ~。

O君:はい、僕も麿さん演じるリア王に飲み込まれそうな心地でしたよ。
さて、今回の『生きると生きないのあいだ』は、ティーファクトリー主宰・川村毅さんの3年ぶりとなる新作書き下ろし&演出作品となります!演劇活動30周年を迎えた2010年以降、ご自身による作・演出はお休みされていた川村さん。この3年間で、イタリアの偉大な映画監督であり劇作家のピエル・パオロ・パゾリーニ戯曲の演出に取り組んだり、戯曲提供に専念されていました。2012年に戯曲提供し白井晃さん演出で上演された『4 four』は、第16回鶴屋南北戯曲賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しています。

Kさん:そして今回の『生きると生きないのあいだ』の創作に繋がってくるのよね。これまでの3年間を踏まえた上での新たな一歩となる今作では<新しい文体の模索>をテーマに掲げているそうよ。長年川村さんの作品を観続けてきたファンの方も、初見の方も、何か新しいものを得られる経験になると思うわ。
さて、まずは今回の作品のタイトルについて。『生きると生きないのあいだ』、とってもユニークで意味ありげなタイトルよね。公演チラシにも書いてあるけれど、この作品は黒澤明監督の名作「生きる」とダンカンさん脚本・主演作「生きない」のふたつの映画がタイトルに絡んでいるそうね。O君、この2作品は見たことある?

O君:黒澤明監督「生きる」は僕も見たことがあります。無感動に日々を過ごしていた主人公が、病気によって余命宣告を受けた後、本当の意味での「生きる」ということは何なのかを見つけていくお話ですよね。映画のなかで主人公が公園のブランコに座り歌を口ずさむシーンはとても印象的でした。そういえば今回の公演チラシのビジュアルもそのオマージュなのでしょうか。

 

 

 

 

 

 


Kさん:「生きる」では死の宣告を前に残された命を懸命に生きようとする主人公の姿を通して“自分の人生を生きるとはどういうことなのか”について深く考えさせられるような作品になっているわよね。
一方O君が未見の「生きない」は、ダンカンさんが脚本・主演を手がけるブラックユーモアに溢れた作品よ。保険金目当てで自殺を望む人々が集い、バスツアー中の事故にみせかけて皆で死にましょう!と完全犯罪を企てるの。完璧に遂行されるはずだった計画は、事情を知らずにツアーに参加してしまったひとりの女の子の存在をきっかけに思わぬ方向へ進み…というお話。

O君:うわあ、あらすじを聞いただけですごく見てみたくなりました。

Kさん:正反対の作品のように思えるけど、どちらも「生と死」に言及しているという意味では対比が面白い2作品だと思います。生きたいのに生きられない人、死にたいのに死ねない人、この両者のあいだには一体どんな世界が広がっているのかしら。

O君:今回の『生きると生きないのあいだ』では、まさにその“あいだ”をさまよう人々の姿が描かれているということなんですね!俄然楽しみになってきました。

Kさん:じゃあそれに付随して、『生きると生きないのあいだ』のあらすじをざっと説明してくれるかな。

O君:任せてください!
便利屋という家業を営むハリーと、ハリーのもとに突然現れたジョニーを中心に話が進んでいきます。ここで働かせて欲しいというジョニーを嫌々ながらも助手に迎え、二人はお客からの突飛な相談をこなしていきます。死にたがる女・メイ、生きたがる男・マリオ、空中の散歩者・アーサー、そして二人を訪ねて現れた謎の男・サムといった登場人物が次々に登場し…「生きる」と「生きない」のあいだをさまよいながら生きる人々にフォーカスを当てた物語となっています。

Kさん:O君ありがとう。この便利屋を営むハリーを演じるのが、既にチラシビジュアルでも明らかですが、舞台だけでなく映画やTVでもご活躍されている柄本明さんです!

O君:23年前に川村さんが初監督した映画に出演されて以来、川村さんは柄本さんといつか舞台でタッグを組むのを願っていたそうですよ。まさに念願叶いたり!ですね。(お二人とも羨ましいくらいシブくてカッコいいので、僕はこっそり「激シブコンビ」と呼んでいます!)

Kさん:O君、心の声が筒抜けよ!それはさておき、今回の作品は柄本さんや他の出演者の皆さんのことをイメージしながら書き下ろされたとのことで、ますます舞台の上での皆さんの演技が楽しみになってくるわね。

O君:そして柄本さん演じるハリーの相棒となる、ジョニー役の川口覚(さとる)さんにも注目です。川口さんは蜷川幸雄さん主宰「さいたまネクストシアター」に参加し、『蒼白の少年少女たちによるハムレット』や『オイディプス王』でタイトルロールを演じるなど要注目の若手俳優さんなのです。

Kさん:あら~素敵ね~(イケメン!イケメン!)

O君:Kさんの心の声が吉祥寺中に響き渡っています!「第7代目蜷川ハムレット」を演じた役者さんですから、情報通の演劇ファンの方は既に目をつけていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

Kさん:独特の世界観を持った柄本さんの演技に川口さんがどんな風に絡んでいくか楽しみね!
またお二人に加えて、川村さんの世界観に欠かせない俳優で『荒野のリア』にも出演された笠木誠さんや小劇場から大劇場を股にかける紅一点の女優・岡田あがささん、東京演劇アンサンブルの重鎮・伊藤克さん、劇団東京乾電池の中心俳優・戸辺俊介さんにご出演いただきます!

O君:そして映像出演という形で、テレビに映画に引っ張りだこの手塚とおるさんもご出演されるんですよね。川村毅さんの描く新たな文体の世界を彩る俳優陣にも是非ご期待ください!

 

≪さらに詳しくティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』に迫る!≫

O君:そういえば今年の6月に、この公演のプレイベントを開催したんですよね。『生きると生きないのあいだ』の戯曲を使って、川村さん指導のもとでリーディングイベントを行いました。イベントの様子を少しだけ写真でお伝えしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kさん:出演者の方よりも早く出来立てほやほやの戯曲が読めるということで、老若男女たくさんの方が参加してくださったわ。ご参加いただいた皆さんありがとうございました。

O君:戯曲といえば、今回の戯曲が雑誌「悲劇喜劇」9月号に掲載されているんですよね!Kさんはもう買いました?

Kさん:もちろん本屋へ全力ダッシュしたわよ!文字で見ると特にそうだけど、ハッとさせられるような台詞や文章がたくさんあって素敵な戯曲だったわ。この台詞を柄本さんが言うとどうなるんだろう、とか、この風景は舞台でどんな風に表現されるのかしら、と考えながら読み進めたわ。物語は一見淡々と進んでいくようだけど、終盤に近づくにつれてそれぞれの登場人物の関係が明らかになり、こんなからくりが隠されていたのか!と驚かされるわよ。

O君:そういう僕はまだ読んでいないので、公演までに読みたいと思います!というわけで公演までのお楽しみは他にもありますよ。まずはティーファクトリーブログTwitterFacebookで稽古の様子などが随時アップされています。

Kさん:今月号のシアター情報誌「カンフェティ」にも柄本さん・川口さんへのインタビューが掲載されていたわね。カンフェティはフリーペーパーで吉祥寺シアターの1階ロビーで手に入るので、是非立ち寄った際には見てみてくださいね。

O君:というわけでティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』は吉祥寺シアターにて9月27日~10月5日まで上演されます!初日は特別割引でお安くなっていますよ。また28日18時の回と30日15時の回にはアフタートークを予定しております。お時間が合う方はぜひ!
チケットのお求めは武蔵野文化事業団チケット予約までお電話もしくはネット予約で絶賛受付中です!皆さまのご来場お待ちしております!


ティーファクトリー『生きると生きないのあいだ』公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2014/06/post-26.html

チケット予約はこちらからどうぞ!→ https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/

劇団HP  http://www.tfactory.jp/