カンゲキのススメVol.32 小池博史ブリッジプロジェクト『風の又三郎-Odyssey of Wind-』

カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、10月8日より吉祥寺シアターで上演が始まる小池博史ブリッジプロジェクト『風の又三郎-Odyssey of Wind-』です!!

 

 















最新予告動画が届きました!




【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】
小池博史ブリッジプロジェクト『風の又三郎-Odyssey of Wind-』10/8(水)~13(月・祝)
公演詳細↓
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2014/06/post-24.html

O君:過ごしやすい気温になり、まさに芸術の秋を感じるようになった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回は芸術の秋にふさわしい宮沢賢治作「風の又三郎」と「風野又三郎」を原作とした小池博史ブリッジプロジェクト『風の又三郎-Odyssey of Wind-』をご紹介します!!この作品はこれまでに『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』を舞台化してきた小池博史Meets宮沢賢治シリーズの第三弾、そして最終章となる作品なんです!!

Kさん:あら!!夏の終わりに夏バテになっていたときとはうって変わってやる気満々じゃないの!?どうしたのO君?

O君:フッフッフ・・・!実は今回は『風の又三郎』をばっちり予習済みなので自信アリなんですよー!何でも聞いてください!!

Kさん:あらーじゃあそんなに自信満々なO君!!早速、小池博史ブリッジプロジェクトの紹介からよろしくね。

O君:はい!小池博史ブリッジプロジェクトはその名のとおり、小池博史さんが代表を務める舞台作品だけでなく包括的な視野で世界と時代と文化の架け橋を創り出す為のアートプロジェクトなんです!(だからブリッジプロジェクトなんですね!)小池博史さんといえばパフォーミングアーツカンパニー「パパ・タラフマラ」の作・演出・振付を手掛けた方として有名ですよね。「パパ・タラフマラ」は世界35カ国で公演を行い、国際的に高い評価を確立したんです!そして新しく立ち上げた小池博史ブリッジプロジェクトも日本だけでなく世界で公演を行っているんですよね。

Kさん:その通り!じゃあそんな小池さんが「どんな作品を作っているのか」というのを言葉で説明するのは難しいと思うけど・・・そこは完璧なO君!説明できるわよね?

O君:わー(汗)ハードルをあげますね。でも!そう来ると思って・・・動画を準備してきました!前回の小池博史ブリッジプロジェクトの『銀河鉄道』の予告動画がこちらです。




Kさん:O君、動画に逃げたわね。確かに「百聞は一見にしかず」ね!この動画でも作品の様子が伝わるように、舞台化が難しいと思える「銀河鉄道の夜」のような作品を演劇やダンス、さらには能や音楽、舞台美術まで様々なアーティストとのコラボレーションですごく刺激的な舞台にしてしまうのが小池さんのパワーなのよね!まさに“小池マジック”!!

O君:(え!?な、なんなんだこのノリは??)・・・は、話をもとに戻しますが、僕はこの『銀河鉄道』の舞台を観劇してきたのですが、原作の「銀河鉄道の夜」って綺麗なんだけど難しい作品だなって思っていて、舞台を見る前はちゃんと理解できるかなって不安だったんです。でも見ながら、ふと「子供の頃はこの絵本が大好きだったなぁ」って思い出したんです。もちろん子供の頃はこの作品が持つ深い部分はよくわかっていなかったんですが、それでも登場人物と一緒になって銀河鉄道の旅を自由に楽しんでいた感覚を思い出しました。小池さんが生み出した『銀河鉄道の夜』はそんな子供の頃の想像上の世界を、体に響く生の音と、縦横無尽に動く人間の体と、たくさんの仕掛けで様々に表情を変える美術とで、体感させてくれたように感じたんです!!

Kさん:あらO君!いい事言うわね!!実は私も小池さんの作品を見ると子供の頃の自由な想像力を思い出して、自分がつまらない大人になってしまっているなぁと実感しちゃうのよね。(笑)でも、そんな計り知れない想像力で作られた舞台では、O君が難しいと思っていた大人になったからこそ感じる原作「銀河鉄道の夜」の“生と死”のイメージも言葉を読んで考えるのではなく、全身で体感することができるから、原作への新しい発見もあるのよね。

O君:そうなんです。頭で難しく考えていた宇宙の部分も、生死の哲学のような部分も、自分の中にある感覚でちゃんと感じ取ることが出来るんだなって思いました。まさに“小池マジック”ですね!!(笑)だから今回の『風の又三郎』も、改めて大人になってから原作の「風の又三郎」を読むとやっぱり不思議な作品だと感じるからこそ、どんな世界が体験できるのか今から楽しみにしているんです!

Kさん:あら!O君も“小池マジック”のファンのようね。(笑)今回上演される「風の又三郎」も前回とはまた違った魅力的なコラボレーションで舞台化されるのよね!

O君:その通りです!まず、出演は作・演出・構成を手掛ける小池博史さんと一緒に「パパ・タラフマラ」で活躍したパフォーマーの松島誠さん、能楽師の清水寛二さんやバリ舞踏家の小谷野哲郎さん、りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズでも活躍した河内大和さんやプロの大道芸人でもある谷口界さん、様々なジャンルのパワフルな男性アーティスト5人の中に紅一点の松縄遥さんというかなり個性的なメンバーになっています。これだけでも、大迫力の舞台になることは間違いありません!!

Kさん:出演者だけでなく、スタッフ陣ももちろん調査済みよね?

O君:もちろんです!!舞台美術を担当されるのは「ファスナーの船」などで注目を集めるアーティストの鈴木康広さん、衣裳は数々の舞台衣裳も手掛けるデザイナーの浜井弘治さんという、視覚面からも様々な工夫を凝らした作品になっています!そして聴覚も攻めてくるんですよ!!尺八奏者の中村明一さんと、パーカッションとラップを担当される下町兄弟さんの生演奏が入るんです!

Kさん:あら、ここまでは完璧じゃないO君!実力派のアーティストが集結した作品を間近で見ることが出来るというのは本当に楽しみよね!!実は出演者の皆さんやスタッフの皆さん、そして小池博史さんのインタビューが公開されているのよね!! (インタビュー記事はこちらから)どれもとても興味深い内容だから、是非チェックして頂きたいわね!!

さらに詳しく小池博史ブリッジプロジェクト『風の又三郎-Odyssey of Wind-』に迫る!!

O君: Kさんは小池博史さんに直接インタビューしてきたんですよね?(う、うらやましい!)

Kさん:そうなのよ!まだまだこの“オイシイ”役目は若い子には譲れないわ!!
と、言うわけでまずは“なぜ今宮沢賢治作品を上演するのか”を伺ったの。元々、宮沢賢治が好きだった小池さんが上演に踏み切きる明確な転換点となったのは3.11の震災だったとおっしゃっていたわ。前々から時代や人々がどんどんと目の前に見えるものだけに流されていると感じていた小池さんは、震災を機にその動きがますます助長されていると感じたんですって。そこで、目に見えないところにある価値をどれだけ追求できるかということに焦点を置いたとき、世界を包括的にとらえ物語を紡いできた宮沢賢治の作品を今こそ上演するべきだと感じたとおっしゃっていたわ。

O君:宮沢賢治作品の連作をスタートされた背景にはそんな意図があったんですか!でもこれまで上演してきた『注文の多い料理店』や『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治作品の中でも比較的人気の高い作品ですよね。なんで今回は「風の又三郎」とほとんど知られていない「風野又三郎」を取り上げたのでしょうか?

Kさん:そう!実は私もそれが気になっていたの!!元々三部作をやると決めた時点で上演順や作品は確定していたんですって。一つ目の『注文の多い料理店』では「人間と動物の関係性」、二つ目の『銀河鉄道の夜』では「生者と死者」、そして最後に「自然そのものが持つ強さ」を描きたかったそうよ。震災で勃発した原発問題などのこともあり、三部作の最後は自然について言及しようと思ったんですって。この「風の又三郎」を圧倒的な強さを持つ自然を前にわたしたちはどう生きていくのか、という“自然ありきの人間”という視点を描きたいと強く思ったそうよ。実は小池さんは『風の又三郎』をやると決めてから、「風の又三郎」の元となった「風野又三郎」のことを知ったんですって。それを読んで「宮沢賢治が描きたかった世界は本当はこちらなのではないか」と考えて、最終的に二作を混ぜて上演することにしたそうよ!

O君:そうだったんですね!実は僕も今回『風の又三郎』を上演することになって、初めて「風野又三郎」を知ったんですが「風の又三郎」よりも自然の描写が強く印象に残りました。童話というよりは自然とその目に見えないパワーをスケッチした宮沢賢治の日記のようで、自然への思いがより強く描かれているように感じたんです。

Kさん:O君やっぱり今日は冴えてるわね!インタビューによると小池さんは まさに“自然とその目には見えないパワー”を舞台で魅せようとしているみたいなの!!風も含めたすべての自然の象徴として又三郎を捉えているのね。

O君:“自然を舞台で魅せる”?!なんて壮大な作品なんでしょう!でも、舞台化が難しいと感じるような作品を刺激的な舞台にしてしまうのが“小池マジック”ですから、どんな『風の又三郎』が誕生するのか今からわくわくしますね!!今回、吉祥寺シアターではじめて小池博史ブリッジプロジェクトの作品を体感するというお客様にも是非楽しんで頂きたいですね。

Kさん:私もそう思って、最後に今回初めて小池博史ブリッジプロジェクトの作品を見るという観客の皆様に向けて“どんなふうに今回の作品を観てもらいたいか”を伺ったわ!まずは単純に生の音を楽しんでもらいたい!!とおっしゃっていたわ。パーカッション、尺八、ガムラン、謡などとにかく演奏やサウンドが楽しく、映像もあって視覚的にも楽しめる作品になっているということだから、ますます期待が高まるわね。真面目に考えれば考えるほど難しくなるので、先入観なしで観てほしいとのことなんだけど、実はO君は一足先に稽古場で通しを見学してきたのよね!!

O君:そうなんです!ばっちり写真も撮って来ましたよ!!

Kさん:稽古場に行ってみての感想はどうだった?

O君:はい。実は僕が伺ったときには舞台セットや映像がない状態で、尺八演奏も録音の音で練習していたんです。でも、出演者の皆さんの迫力と下町兄弟さんの生演奏で本当にあっという間に『風の又三郎』の世界観に魅了されてしまいました!!


















































この後ろに写っているのが下町兄弟さんです!生演奏でキャストの皆さんとそして見ている観客の気持ちまで盛り上げていました!劇中には原作にも登場するあのキャラクターや、あの台詞もあって、大人はもちろん子供も楽しめるような作品になっていました!!

Kさん:O君・・・この写真ブレブレなんだけど・・・。











O君:ち、違うんです!言い訳させてください!!キャストの皆さんがあまりにもスピーディーに所狭しと縦横無尽に、まさに風になって動き回っているので、僕のカメラ技術では間に合わなかったんです(汗)でも、こんなに素敵な表情もとらえましたよ!
































Kさん:どれもちょっとぶれてるけど(笑)確かに素敵な表情ね!まさにカメラには写しきれない生の魅力たっぷりのステージということね。

O君:(あっ!オイシイ台詞をもっていかれた!!)さすがはKさん上手いこと締めますね。

Kさん:当たり前よー!!ブレブレの写真で、上手くコーナーが締められないようじゃあまだまだね!一人前は遠いわよ!!

O君:くぅー!いつもオイシイ所をもっていかれてしまうー!!でもまさに、生の舞台で出演者の皆さんと生演奏を体感してこそ『風の又三郎』の壮大な世界観を感じることのできる舞台になっています!!武蔵野文化事業団では公演前日16時までご予約受付中です。東京・吉祥寺に宮沢賢治の風が吹き込む舞台を是非お楽しみに!!

公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2014/06/post-24.html
ご予約はこちらからどうぞ!→https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
※公演前日16時までご予約受付中です!!
小池博史ブリッジプロジェクトの公式HPはこちら→http://kikh.com/