カンゲキのススメVol.36 柿喰う客 女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』


カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、2月5日より吉祥寺シアターで上演が始まる柿喰う客 女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』です。

【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】
柿喰う客 女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』 2月5日(木)~2月17日(火)
公演詳細→http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/01/post-33.html














O君:寒さも一段と厳しさを増し、春が待ち遠しい今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか!!寒さを吹き飛ばす勢いで、今回もカンゲキのススメ張り切ってまいりましょう!!!

Kさん:今日はまた随分気合が入っているわね、O君・・。さてはまた素敵な女優さんたちが見られるからテンション上がっているんでしょう!?

O君:そ、そんなことないですよ!!・・ということで、今回は2月5日から行われる、柿喰う客 女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』を取り上げます!

Kさん:柿喰う客の大人気シリーズ・女体シェイクスピアも、吉祥寺シアターでは早くも3回目の上演ね。カンゲキのススメでも過去2回取り上げたから(カンゲキのススメvol.5カンゲキのススメvol.17)、O君はもう女体シェイクスピアについては完璧よね?!

O君:どき!え、えーと・・女体シェイクスピアは、若手演劇界を牽引する脚本家・演出家の中屋敷法仁さんが主宰する柿喰う客の人気シリーズで、なんとシェイクスピア作品を女優だけで演じてしまおうという大胆な企画ですよね!!

Kさん:そう!シェイクスピア作品は、当時は男優だけで演じられていたというから、まさにシェイクスピアもびっくりの企画ね!

O君:シェイクスピアのこれまでのイメージを覆す衣裳や台詞も魅力的で、前回僕が観劇したときも中屋敷ワールドにすっかり引き込まれてしまいました。長尺のシェイクスピア作品を90分に収めて分かりやすくしているにも関わらず、内容や解釈はしっかり押さえられているので、原作ファンもそうでない方もお楽しみいただけると思います!!

Kさん:中屋敷さんの演出の特徴でもある、独特の身体表現とスピーディーな展開が、長くて堅苦しいイメージのシェイクスピアをいい意味で裏切っているわよね。

O君:これまでの女体シェイクスピアを振り返ると、シェイクスピアでありながら舞台がホストクラブだったり、衣裳が和装だったりセーラー服だったりと、設定だけでも観る人をわくわくさせてくれますよね!

Kさん:前回吉祥寺シアターで上演した『失禁リア王』は音楽劇になっていて、役者さんたちが激しく歌いまくる姿にグイグイ引き込まれたわ。

O君:あれは迫力ありましたね!!僕は台詞や歌に度々登場した“nothing”という言葉が印象的でした!訳者によって様々に翻訳されている言葉を、あえてそのまま残すことで、物語を象徴する言葉として観る人にインパクトを与えていたと思います。

Kさん:原文には無いけれど、あえて“nothing”を使った台詞もあったわ。愛の深さゆえに、何も望まず“nothing”と答えた末娘・コーディーリアの愛に気付けなかったリアが、すべてを失って初めて大切なことに気付く・・。“nothing”とは本当に何もないことなのか、それともそこに真のしあわせがあるのかを問いかける、印象的な言葉だったわね。独自の演出を用いながら、シェイクスピア作品の核心を突くところは、さすが中屋敷さんね!!

O君:あとはやっぱり女優さんたちの魅力を伝えなければいけないでしょう!!!

Kさん:舞台がとにかく華やかだし、女優さん一人ひとりの個性が際立っていて、すべてのキャラクターが魅力的なのよね!!稽古の中でも、女優さんたちの意見をかなり取り入れながら進めているそうよ!

O君:(チラシを見て)あれ?今回はいつもより出演者が少ないんですね・・?

Kさん:そうなの!今回は女体シェイクスピア007だけに(!?) 、史上最少人数の7人の舞台になるそうよ!

O君:で、でも今回上演する『リチャード三世』には端役も含めて39人の登場人物がいるんですよ!!(汗)

Kさん:そうなのよ!だからこそ、今まで以上に作品の世界観がギュギュっと濃縮された物語のなかで、一人ひとりの女優さんのパワーやキャラクターが強烈に伝わってくる作品になるんじゃないかって期待しているの!

O君:う~ん、これ以上女優さんたちが魅力的に見えるなんて・・・困っちゃうなぁ・・。


【更に詳しく『完熟リチャード三世』に迫る!】


Kさん:さて、今回の『リチャード三世』だけど、もちろんあらすじはチェックしているわよね。

O君:えっと“三十年にわたる薔薇戦争を勝ち抜き王位についたヨーク家のエドワード四世の弟、主人公グロスター公リチャード。どう考えても王位には遠い三男坊のリチャードは犬にまでほえられるほどの奇形で醜男。こうなったら王になってやる!と、次々に悪事を重ねライバルたちを破滅させ、ついにリチャード三世として即位するが・・・”つまり、『リチャード三世』は悪人が主人公ということですね。

Kさん:そうなの!『リチャード三世』は“これぞ極悪人!!”というリチャードが主人公の物語なの。でも、そんなリチャードの“悪”の魅力が支持されて、この作品はシェイクスピア史劇の中でも人気の高い作品なの。だから、たくさんの名優がリチャードに挑んでいるのよね。例えば、仲代達矢さんや加藤健一さん、山崎努さん、緒形拳さん、平幹二朗さん、市村正親さん、吉田鋼太郎さん、野村萬斎さん、古田新太さんなどなど。

O君:スゴイ!こんなにたくさんの名優が演じてみたいと思う魅力的な“悪”がリチャードなんですね。これを女優さんが演じるとなると、どんな“悪女リチャード”が生まれるのかいまから楽しみです!そんな『リチャード三世』の注目ポイントはどこかありますか?

Kさん:『リチャード三世』といえば、特におすすめの“悪~いシーン”が2つあるの。まずひとつめが、なんと冒頭!リチャードは開幕の独白で、「これから悪党になってやる!」という宣言をするの!

O君:え?!作品の冒頭でですか??

Kさん:そうなの!だから、初めて観る方はびっくりするんじゃないかしら。でもね、そんな独白でいかに観客をリチャードの“悪の道”に引っ張りこめるかが『リチャード三世』ではすごく重要になってくるの!だから、これまで『リチャード三世』を演じてきた名優達もこのシーンにはかなり力を入れたはずよ!! このシーンを中屋敷さんが女優陣でどんな風に魅せていくのかぜひ注目して欲しいわね。

O君:なるほど!冒頭から引き込まれる作品の世界観に要注目ということですね!!もちろん遅刻なんて絶対出来ませんね!!

Kさん:そうよ!遅刻なんてありえないわよ!!そしてもうひとつが、アンを口説くシーンね!このアンという女性、じつは夫と義父をリチャードに殺されているの。

O君:え?!その状況では、嫌われるポイントはあっても好かれるポイントがない!!成功するはずないじゃないですか。

Kさん:ふふっ、まだまだO君はお子様ね・・・。なんとアンは結婚を承諾してしまうのよ!まさに悪い男に落ちてしまう感覚かしらねぇ。わかるわぁ。そのギリギリなやり取りはとっても緊迫して、魅力的なシーンなのよね。

O君:(Kさんも苦労しているんですね・・・。)そんな“悪~いシーン”が盛り沢山の7人の女優だけの舞台でお送りする『完熟リチャード三世』!!中屋敷演出でどのように生まれ変わるのか、開幕が待ちきれません!!

Kさん:シェイクスピア作品は初めてという方も、シェイクスピアファンの方も、そしてO君のように素敵な女優さんが見たい!!という方にも楽しんでいただける魅力満点の舞台です!是非お見逃しなく!!

柿喰う客 女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』公演詳細ページはこちら!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/01/post-33.html

柿喰う客劇団HP http://kaki-kuu-kyaku.com/