カンゲキのススメVol.41 オフィスコットーネ『人民の敵』


カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい舞台の魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、8月21日(金)より吉祥寺シアターで上演が始まるオフィスコットーネプロデュース『人民の敵』です。

【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】


















オフィスコットーネプロデュース『人民の敵』8月21日(金)~9月2日(水)

公演詳細→http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/05/post-36.html

O君: 連日の猛暑日を乗り越えてようやく少しだけ秋を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。夏のアツさを呼び戻すアツイ舞台がやってきます!!

Kさん: チラシからも舞台の熱が伝わってくるようね!ヘンリック・イプセンの『人民の敵』に、読売演劇大賞や芸術選奨新人賞を受賞するなど演劇界で最も注目を集める演出家の森新太郎さんが挑む話題作ね!94年にプロデューサーの綿貫凜さんが立ち上げた現代演劇の創造プロジェクトであるオフィスコットーネは、吉祥寺シアター公演では今年3月に『漂泊』が記憶に新しいわね。そしてまたしても骨太でダイナミズムな作品がやってくるのね!ところでO君、もちろんイプセンは知っているわよね?

O君:ドキッ!!実は…正直………名前は知っていてもこれまで“難しい”とか“社会派・硬派”というイメージがあってずっと避けてきていたんです!!

Kさん:なんですって!?

O君:でも!!!これを機に読んでみたら、思っていたよりポンポンと会話が進んでいくんです!でもその中に、グサリと刺さる一言があったり、本当かな?と疑ってしまうようなキーワードがあったり・・・。それに最後まで展開が読めず、さらにドンデン返しにびっくりして、と飽きやすい僕でも全部読めましたよ!

Kさん: そうよね!イプセンって日本でも社会運動や思想が連想されるから、どうしてもとっつきにくいイメージがあるのだけれど、読んでみると全然印象が違うわよね。

O君:いやー!そんなに褒められると照れますねー。では、自信を持って紹介します!!イプセンは“近代演劇の父”と呼ばれるほど今の演劇に影響を与えた劇作家なんですよね。亡くなったのは1906年なので、100年以上前を生きた劇作家なんです。でも、100年を経た今もなお世界中で上演されているんです!特に有名なのは『人形の家』や『ペール・ギュント』『海の夫人』で、今年はすでに宮川慶子演出『海の夫人』は新国立劇場で、白井晃演出『ペール・ギュント』は神奈川芸術劇場で上演されていて、今年はイプセン作品が人気な年のようですね!

Kさん:そう!今なお日本でも、人気が高い劇作家なのよね。
では予習完璧なO君、『人民の敵』のあらすじをお願いできるかしら?

O君:はい!
とある田舎町で医者として働くストックマンは、この町の財政を揺るがすある発見をする。その発見をめぐって、町長である兄ペーテル・ストックマンや自身の家族、さらには住民たちを巻き込んで大騒動へと発展する!そして町民の生活を揺るがす「真実」に決着をつけるべく、町をあげての集会が始まる…!!
あらすじだけでもワクワクしてきますね!

Kさん: 社会派と言われているけどかなりのエンターテイメント作品よね!

O君:この作品の登場人物ってみんなとても個性的というより、もうキャラが濃いんですよね!だからカタカナの名前を覚えるのが苦手な僕でもすらすら読めたんです。

Kさん:あら!いいところに目をつけたわね。実は今回の舞台のポイントは、そんな個性的な登場人物を、個性豊かな俳優さんたちが演じるところなのよね!!!!

O君:わ…(火がついた!汗)

Kさん:ストックマンには『花子とアン』などの映像作品だけでなく、最近では新国立劇場公演など舞台でも活躍する瀬川 亮さん。ストックマンに相対する兄ペーテルに、つかこうへい作品から園子温監督作品まで幅広く活躍する山本 亨さん。紅一点、ストックマンを支える妻にナイロン100℃の松永玲子さん。“アナグマ”と呼ばれるストックマン夫人の父親に演劇実験室・天井浅敷の俳優だった若松武史さん。その他、人民日報の新聞記者の加治将樹さん(D-BOYSの元メンバーで最近では映画・ドラマでも大人気!)、その編集長である有薗芳記さん(吉祥寺シアターではティーファクトリー『荒野のリア』のコーデリア役!?で記憶に新しい!)、青山 勝さん(劇団道学先生)、塩野谷正幸さん(流山児★事務所)、と、まさに異種格闘技のように様々なジャンル個性派俳優が集結しているの。この豪華で、かつ個性豊かで素敵な俳優さんが近くで観られる臨場感あるイプセン作品なのよ!!ハァハァ・・・

O君:は、入る隙がない!!!!

【さらに詳しく『人民の敵』に迫る!】

O君:そ、そういえば、Kさんは稽古場に行ってきたんですよね??(汗)

Kさん:そうなのよー!白熱の稽古の模様を少しだけご紹介します!!


Kさん: この稽古場写真に注目してみて!実は今回の舞台は吉祥寺シアターでもかなり珍しい4面舞台、つまり四方を客席に囲まれたまさに格闘技のリングのような舞台になっているの。


O君:舞台を近くに感じると言われる吉祥寺シアターの舞台をさらに近くに感じられるということですね!!異種格闘技の俳優たちにリングの舞台、なんだか本当に格闘技のような舞台になりそうですね。

Kさん:そうなのよ!それにこの作品、凄い勢いで状況が変わっていくでしょう?しかも一度流れが変わったと思ったら、どんどんそっちの方向へ加速していって、まるでドミノ倒しみたいに事が進んでいく。間違いなく迫力のある舞台になるわね!特に「集会のシーンは迫力も臨場感も大注目!」とプロデューサーの綿貫さんも話していたわ!

O君:わー!楽しみです!

Kさん:ね!だけど、きっとこの舞台の面白さは迫力や勢いのある展開だけじゃないわよね。物語のドンデン返しを見て笑っているうちに、ドキッとさせられる場面に出会い、人間の弱さ、愚かさ、不安定さやエゴなんかが次々と明るみになっていく・・・。現代の社会の成り立ち方がいかに危ういかなんてことも、まざまざと見せつけられてしまう舞台になるんじゃないかしら?

O君:あーーーKさん!!僕がそれを言おうとしてたのに!!そうなんです、しかも核心をついている所が多いから、物語の中のこととしてではなく、自分のこと、現実のこととして考えさせられるんです!だから僕は『人民の敵』を読んだ後に、おそらく作品のテーマの一つでもある、「何が本当に正しいことなのか?」ってことを自然と考えてしまいました。

Kさん:あなた、本当にO君…?そんな事を自然と考えるなんて・・・限りなく思考力の低い子だと思っていたのに…。うん、でも、その通りよね!特に集会の場面では私もそういう事を考えさせられたわ。強烈な台詞もあって印象的なシーンよね。構成・上演台本を担当するフジノサツコさんが、イプセンが書いた台詞にどう変化をつけるのかもとても楽しみね!

O君:よくぞ触れてくださいました!フジノさんは最近だと新国立劇場で行われた公演『東海道四谷怪談』の上演台本も担当されていたんです。この作品も演出が森さんで上演台本がフジノさんの強力タッグだったんですよね?

Kさん:そうなの!あの作品も歌舞伎以外で舞台化はムリだと感じてしまうような『四谷怪談』を斬新な視点も取り入れたあっという間の濃厚な3時間の舞台にしていたわ。私はフジノさんと森さんがタッグを組むモナコ興業の作品もいくつか見たことがあるのだけれど、フジノさんの細やかな視点と鋭い言葉が同居する魅力的な本を、森さんの緻密で鮮やかな演出で魅せていて、本当に相性ばっちりなのよね。だから今回も期待大よ!!特に最後の場面がどういう風に終わるのか、本当に楽しみだわ!あとはこんなに近い距離で俳優さんたちの熱演が見れるなんてカンゲキよね!瀬川亮さんのスーツ姿…目が合ったらどうしよう、おしゃれしてかなくちゃ。。

O君:現実を見ろと言ってあげるべきか否か…何が本当に正しいことなのかって、やっぱり難しい問題ですね…。

Kさん:え?

O君:今を映し出す迫力・魅力満点の新しい『人民の敵』を是非お楽しみに!
それではKさん、お疲れ様です!お先に失礼します!!!(逃)

オフィスコットーネ『人民の敵』公演詳細ページはこちら!!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/05/post-36.html
チケット予約はこちらから→ https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
オフィスコットーネ公式HP http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/