カンゲキのススメVol.44 可児市文化創造センター×文学座【共同制作】 ala Collectionシリーズvol.8『すててこてこてこ』


   カンゲキのススメは、東京を中心として、これから始まる公演のご紹介を主に行うページです。演劇初心者の吉祥寺シアターの新人職員O君が、先輩職員Kさんに色々と観劇にあたっての質問をしていきます。お読みになっていただいた方に、今までは知らなかった劇団や新しい舞台の魅力などを見つけていただき、劇場へ足をお運びいただくきっかけになればと考えております。

今回取り上げるのは、10月11日(日)より吉祥寺シアターで上演が始まる
ala Collectionシリーズvol.8『すててこてこてこ』です。










【武蔵野文化事業団にて、チケット販売中!】
可児市文化創造センター×文学座【共同制作】 
ala Collectionシリーズvol.8『すててこてこてこ』
2015年10月11日(日)~10月18日(日)
公演詳細→http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/07/ala8.html

O君:吉祥寺シアターの注目公演が続く芸術の秋到来です!!

Kさん:トップバッターは吉祥寺シアターではおなじみの可児市ala Collectionシリーズね!!毎年好評のこのシリーズはもちろんO君も予習済よね。

O君:はい!可児市ala Collectionシリーズは第一線で活躍する俳優・スタッフが可児市に滞在しながら作品を制作し、可児市から全国に発信する質の高い作品づくりを目指すこと、また過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価することを主軸に作品を制作しているプロジェクトなんです!可児市では市民サポータからの差し入れもあるそうで、まさに可児市ではぐくまれた作品を全国へ発信しているんですよね!

Kさん:そう!地域の方も参加して作品作りが行われるなんて本当に素敵よね。そして今回取り上げる戯曲が吉永仁郎さん作『すててこてこてこ』なんだけど、O君、吉永仁郎さんについてはどうかしら?

O君:はい、実は今回『すててこてこてこ』について調べるまで分からなかったのですが、『夏の盛りの蝉のように』『滝沢家の内乱』『静かな落日~広津家三代~』など、文学座や加藤健一事務所、民藝などの有名な劇団で最近もよく上演されている劇作家さんなんですよね。

Kさん:その通り。吉永さんの作品といえば特に評伝劇が有名で、さっきO君が上げた『夏の盛りの蝉のように』は浮世絵師 葛飾北斎を、『滝沢家の内乱』は滝沢馬琴を、『静かな落日~広津家三代~』は広津和郎を描いているのよ。そして、今回の『すててこてこてこ』は三遊亭円朝とその弟子、三遊亭円遊を描いているのよ!坂部文昭さんが演じる円朝についての予習はどうかしら?

O君:初代三遊亭円朝は、江戸から明治への転換期に活躍した落語中興の祖として有名なんですよね。逸話ではあまりの巧さに師匠である二代目三遊亭円生達から「円朝が演ずる予定の演目を先回りして演じる」という嫌がらせを受けたとか。そのせいで、円朝は自作の演目を上演するしかなくなってしまうのですが、その自作の新作演目が大人気に!いやー本当に伝説的な名人なんですね。

Kさん:そうなの!「歴代の名人の中でも筆頭に巧い」と言われているのよ。円朝の作品は現在では歌舞伎の演目としても人気で、『文七元結(ぶんしちもっとい)』『怪談牡丹灯籠(ぼたんどうろう)』『怪談乳房榎(ちぶさえのき)』などが特に有名よね。

O君:あ!僕も歌舞伎の『文七元結』は聞いたことあります!!でも、もともとは落語の演目、しかも円朝作だったとは知りませんでした。『文七元結』って歌舞伎でも“人情噺”ってついていますよね。落語って言うとどうしても“オチがある面白い話”というイメージがあったんですが・・・。

Kさん:落語の演目の中で一番多いのは滑稽噺と言われる、まさに“オチがある面白い話”なんだけど、円朝は人情噺や怪談噺に力を入れて、笑いだけじゃないジャンルを広め、落語の魅力をさらに広げたということが“中興の祖”とされる所以なのね。もちろんさっきも話したとおり、ジャンルと時代を越えて現在でも上演される人気作品を生み出しているだけでも、大人物だったことが伺えるわよね。

O君:そして、そんな円朝と相対するのが千葉哲也さん演じる円遊というわけですね!

Kさん: そう!この印象的なチラシ円遊といえば着物の裾をまくり踊る芸が「ステテコ踊り」とよばれて「ステテコの円遊」とよばれたそうよ!










O君:「ステテコの円遊」!!それでチラシのこのポーズなんですね!

Kさん:そう!このチラシのとおり人情噺の名人・三遊亭円朝と、師匠とは全く別の道をいく滑稽噺の奇才・三遊亭円遊、この二人を中心に、江戸から明治へと移る激動の時代を描き出した作品だから、時代劇好きや落語ファンの皆様にもオススメできる作品ね!

【さらに詳しく『すててこてこてこ』に迫る!】

O君:今回の公演、元々は文学座の加藤武さんがご出演の予定だったんですよね?

Kさん:そうなの。でも今年7月31日に急逝されて、急遽代役として文学座の坂部文昭さんが代役をつとめ、今回の公演を「加藤武追悼公演」として上演することとなりました。加藤さんは桂米朝さんとも交流があり、この三遊亭円朝役を演じることをとても楽しみにされていたそうよ。

O君:加藤さんと言えば文学座の代表としてだけでなく、市川崑監督の「犬神家の一族」などの映画やドラマでも活躍した名優として有名でしたよね。最近でも昨年の文学座公演『夏の盛りの蟬のように』の葛飾北斎役で、紀伊国屋演劇賞個人賞を受けていました。

Kさん:こんな ニュース記事があったわ。
“伝統芸能に造詣の深かった加藤さんは生前、同作への主演を喜び、作者の吉永の了解も得て、「(劇中で演じる)噺(はなし)は自分で選びたい」と円朝全集を読破。演出の西川は「亡くなる日の朝5時21分、(『塩原多助一代記』の)『青の別れ』のこの部分をやりたいという原稿のメールが来た。この舞台に相当思い入れがあった。無念だったと思う」。今回、追悼の思いも込め、加藤さんの原稿を生かして上演する。”
今回の公演への熱い思いを感じるわよね。

O君:そんな加藤さんの熱い思いを引き継いで「加藤武追悼公演」として熱い舞台をお届けします!!

Kさん:加藤さんから引継ぎ、円朝を演じる坂部文昭さんはもちろん、演出家としても高い評価を得ている千葉哲也さんや、宝塚退団後はストレートプレイでも大活躍の春風ひとみさん、ala Collectionシリーズvol.『秋の蛍』にも出演された福本伸一さんなど、実力派の俳優さんばかり!

O君:他にも、演劇界の名門・文学座の俳優さんたちがたくさん出演するので、見ごたえたっぷりなのは間違いナシですね!!芸を極めた先人たちの姿を、同じく“芸の道”を歩む現代の俳優さんが演じる!というのは、俳優さんたちにとってはかなりプレッシャーがありそうですが、見る側としてはとても楽しみですよね!!

Kさん:あら、O君いいこと言うじゃない!素敵な俳優さんの熱演はもちろんだけれど、落語シーンもあり、師弟の譲れない志をかけた火花散るシーンもあり!!の劇場でお芝居をみたことがないというお客様にも、楽しんでいただける舞台になりそうね!そうそう、今回は吉祥寺シアターでは珍しい和装の舞台なのよね。私も着物を着て観劇、なんてしてみたいわー。

O君:確かにKさんが着物を着たら・・・(いつもより静かで)いいかもしれませんね!(笑)

Kさん:ん?変な間があったわよ!?

O君:いえいえ!何でもございません!!いよいよ11日(日)から上演がスタートする『すててこてこてこ』今も昔も変わらない芸へ生きる者たちの熱い思いが交差する舞台、落語シーンもり、舞台の魅力がたっぷりつまったお芝居です!是非劇場へ!皆様のご来場お待ちしております!!

『すててこてこてこ』公演詳細ページはこちら!!
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/07/ala8.html
チケット予約はこちらから→ https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
『すててこてこてこ』特設ページ http://www.kpac.or.jp/collection8/