父を葬る

                                                               書いた人:クロコ

マルハンクラブ番外公演 劇場MOMO

観る前に題名から想像していた内容は、
死期迫った父をどのように見送るかという感じでしたが、、、
幕開きから父の立ち位置が変です。
娘のアパートのカラーボックスの上に立っています、
それも湯吞み茶碗を持ち、片方の手には焼酎の
4リットルボトルを下げています。
死を間近に思わせる役の老人が、、、
その俳優の実年齢も70を少し過ぎていることを
知っている私としては、なんと言う予想を覆す登場の仕方。
いっぺんに掴まれました。

最近の家庭問題の複雑さは他人には想像も
つかない事件が起こりますが、この芝居は
妻子を捨てて蒸発してしまった父が、
年老いて山谷で死体となって発見され、
その父の魂を葬るという話です。
父に捨てられた娘の辛かった生い立ち、
現在の非情なパート生活、現実から逃れる為の放火癖。
それでも父の魂は底辺で働く労働者の力、
この社会を支えてきた労働、働くことの生き甲斐を娘に伝えます。
また、一緒に働く仲間の大切さ、そして、
理不尽な待遇に対しては戦えと説きます。
作者の意図するところではないかも知れませんが、
汗をかき、手を汚す労働の崇高さが胸に響きました。