「モノを作る仕事」

書いた人:スピカ

 

 あるキャリアガイダンスのパンフレットに載っていた情報によりますと、職業は大別すれば4つに分かれるとありました。

・モノを売る仕事
・モノを作る仕事
・人をサポートする仕事
・組織を運営する仕事 

といった具合です。これは仕事として、こういうわけ方があるというだけのことではありますが、技術を提供するお仕事(作る仕事)というのは、時として、やはり代えが利かない専門家によるものだと強く感じることが多々あります。映画や舞台の世界においてはとりわけいえることかもしれません。

昨年、上野の森美術館で、映画や舞台で美術を手がける種田陽平さんの展覧会を観覧し、強い印象を得たこともあるかと思います。展覧会では、映画の舞台セットをそのままにというわけではありませんが、“いかに本物らしさ”を追求するか、建物の外装、内装にと細部にまで拘っておりまして、非常に興味深い内容でありました。

同じような感覚を、これはどこかで感じたことがあったななどと思っていましたが、それは舞台芸術家の第一人者である妹尾河童さんの「河童が語る舞台裏おもて」という著書の中でも取り上げられていたからで、いそいそと本棚から引っ張り出して読み返してみました。同書では、舞台セットと言うのは本物よりも本物らしく作らなければならないのに、何故本物を使うという発想はないのか?本物を使ってはならないという不文律でもあるのか?という疑問に答えておりました。先程の展覧会で得た印象と通底するところは一致しております。

単純に、舞台セットというのは、どんなに精巧に作られたものでも撮影や公演が終わったら、例外なく壊されるものであるという認識である。時に照明などの演出効果により、奥行きや味わいが増し、実物よりも本物らしさを表現しうることができるからではないかということでしたが、だからこそ、舞台を作りあげる方は本当にすごい!と思ってしまうわけです。

さて、こちらは河童といっても妹尾河童さんのことではなく芥川龍之介の作品を原案に公演を行うDULL-COLORED POPの音楽劇「河童」。今月3日にチケット発売となりましたこちらの公演も、日が迫ってまいりました。まだお席に幾分余裕がありますので、ご興味のあるお客様はぜひチケットをお求めください。(チケットの予約は→こちら

「・・・ところで原作の「河童」ってどんな作品でしたっけ?」と思ったみなさま。インターネットの青空文庫で閲覧できますので、長雨のこの時季、ご自宅でゆっくり読書などいかがでしょうか。(芥川龍之介 「河童」青空文庫→こちら)何を隠そう?私もこれから読みます!