悲しさ半分、喜び2倍

書いた人:スピカ

 

 吉祥寺シアターで公演中の「黄昏にロマンス」の公演も中日を過ぎ、今日を含めて、残り4日間の公演となりました。今日、明日とご来場のお客様には、岐阜県可児市の物産展もあります。そちらもぜひお立ち寄りください。
 

 さて、ゲーテと並び称されるドイツの詩人であり劇作家としても名高いシラーの言葉に「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」というものがあるそうです。おそらく学生の頃に、何か部活動に打ち込まれた方には、こうした言葉って共に歩んだ仲間との繋がりや絆っていくつになっても身に染みてわかるのだろうなぁ・・・なんて解釈していたのですが、これは”友“という部分を言い換えて、ご結婚をされた方にとっては生涯の伴侶や家族に対しても当然言えることにも気づきます。今、公演中の「黄昏にロマンス」も、(夫婦という設定ではありませんが)あくまで脚本を読んだ限りのことですが、これに通底するものを感じておりました。ただ、今月号のシアターガイドに主演お二人の対談が掲載してありまして、渡辺美佐子さんが、「戦争の傷跡を知っている世代の悲しみを含めて、単にラブロマンスというのではなく、孤独な二人がすれ違いながらも寄り添って行く過程をお客様に観て頂けたら」とおっしゃっていたのが印象に残ります。そこで、ほんの少しだけ、自分なりの解釈ではありますが、この言葉が劇を読み解く鍵になればと、1冊の本を紹介したいと思います。

 
 「孤独」とは一体何であるのか?ということについて、劇作家の鴻上尚史さんは「孤独と不安のレッスン」(大和書房)の中で、人間は生きている限り、孤独と不安に苛まれながら生きているもので、どうにかして輪に馴染じみ、気を紛らわせるよりはむしろ孤独と真に向き合うことで人との付き合い方も変わるものだと。また、人と人とは分かり合えるのが当然だという意識を捨てること。そもそもが分かり合えないからこそ、分かり合おうとするものだと意識をシフトするよう勧めております。これって劇中のロディオンとリダそのものかもしれないなんて重なるものを感じます。もちろんこの考えが全てとはいえませんが・・・。

あっ・・・昔読んだ本の中で恋愛に対しての印象深い箴言(しんげん)をひとつ思い出しました。
最後に1つ
 「恋愛の最初の一歩はインスピレーションである。しかしその後の長い道程は忍耐と容認にある。」
                      「過ぎ行く風は緑色」倉知淳 創元推理文庫