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第4回 大道具研修会

                                                                                    書いた人:クロコ


8月6日(月)に俳優座劇場で行われる大道具研修会に行ってきます。

内容は 

PARTⅠ「舞台の安全作業講座」
PARTⅡ「大道具制作の進歩と簡略化」
PARTⅢ「舞台美術製作の裏側」   

です。

特に私の場合興味のあるのが「舞台の安全作業講座」で、
舞台・照明・音響の仕込み作業に頻繁に使用する、
ザイル、ワイヤー、カラビナ、トラス、スリング、バトンといった吊り物素材の強度実験です。

各素材の強度に関しては、購入時に耐荷重を調べますが、
すべての吊りものの重量を測っているわけではなく
十分であろう範囲で、経験により作業しているのが現状です。

実際にザイル、ワイヤーが切れるという状況に立ち会ったこともないわけですが、
そのあたりの限界を知る事は大事なことだと思います。

また、小劇場では、照明、音響のデジタル化に比べ進歩の感じられない舞台の作業ですが、
美術、大道具の製作現場ではコンピューター出力による印刷、パネル制作などかなりの進歩のようです。

本日初日

                                                                                    書いた人:クロコ


可児市文化創造センター公演 ala collectionシリーズvol.5「高き彼の物」本日初日を迎えます。

ala collectionシリーズとは「10年以上前に舞台化されて評価を得ながら
再演されていない作品をリメイクして再評価するプロジェクト」です。
すばらしい企画だと思います。

新作の演劇の場合、スタッフを含めると20名かそれ以上の人間が1ヶ月以上もかけて作品を創り、
それが5,6回の上演だけで消えてしまうと言う企画が多すぎると思います。
良い作品を創り、何十回、何百回と上演していこうと企画する事、
再演を重ねより良いスタッフ、キャストで作品を創ることが芝居のグレードを上げていく事の様に思います。

小屋付き(技術管理)から見た舞台監督

                                                           書いた人:クロコ

舞台監督さん、いろんなタイプの方がいらしゃいます。

 ・大道具、美術が得意な人。
 ・演出(演出助手)的な人。
 ・劇場入りする前に仕込みの段取りは付けて、当日は見ているだけの人。
 ・複雑な仕掛け物があり、それだけに集中している人。
 ・舞台稽古進行の的確な人。(頭の回転が速いんでしょうね。)
 ・仕込みを手伝うキャストをうまく使う人。

舞台監督の仕事は巾が有り過ぎて、すべてを卒なくこなすには相当な経験が必要です。

少し引いたところから皆さんの仕事ぶりを見ていると、それぞれの良いところ、
悪いところがよく見えます。

吉祥寺シアターの様なボックスタイプの劇場では、大きくセット替えは出来ないので、
初日が開いたら、舞台スタッフは舞台監督さん一人という団体も多いです。
これもまた大変。

やはり、全体を大きく捉え、隅々まで見ている舞台監督さん、安心します。

 

  

  



 

客席暑いですか?

                                                                                    書いた人:クロコ


吉祥寺シアターの劇場内の空調は事務所で管理しています。
3月から4月の間に暖房から冷房へと切り替えるのですが、
外の空気をそのまま入れて循環させるだけと言う時期はほとんど有りません。
逆の時期もそうですが、だいたい2週間ほどです。
昨日まで暖房していたのに、もう冷房にしなくてはいけないと言う感じです。
節電のことも考え、なるべく自然の空気を循環させたいところですが、
照明の熱や、200人近くのお客様の体温でも変化します。

これから梅雨が終わり暑い夏になり、外の気温が30度に近くなると、吉祥寺駅から
歩いて来てヒヤーとした空気を予想して劇場に入ったのにぜんぜん冷えてないなと、
がっかりされるようです。
でも15分も客席に座ってじっとしていると、いつの間にか暑さを忘れ、
中には「冷房効きすぎて寒かった」と言う方もいらっしゃます。
季節により、公演形態により微調整してますが難しいです。 
 

キャットウォーク

                                 書いた人:クロコ

 

私が初めてこの名を耳にしたのは、新宿コマ劇場地下の
「シアターアップル」(2008年閉館)でした。

客席の横の壁、床から約3m位の高さの所を、照明フロントからピンルームまで、
細長い鳥かごの様な物が床の傾斜に沿って斜めに壁に張り付いていました。
照明技術の人が腰をかがめて、やっと通れる位の低く細い通路でした。

吉祥寺シアターでは、3Fギャラリーのその上にあり、舞台奥から客席後方まで合わせて7箇所、
天井に張り付いた状態で横に(上手から下手に)通っています。
主に照明機材(灯体)を調整(シュート)する為に使う通路です。
このキャットウォークがあることで、高い脚立やタワーに昇り降りすることなく、
安全に作業出来、作業効率もアップしています。

結局、キャットウォークとはネコが通るような狭い通路と言うことですね。       

                                 書いた人:クロコ

 

劇場空間の壁は音響設計にとって非常に重要な要素で、
材質も木材・コンクリート・石といろいろです。
またその中でも、何種類もの素材がありますが、
吉祥寺シアターでは木毛セメント板という畳くらいの大きさの
厚さ3センチ位の板がはめ込まれています。

一見するとフラットな黒い壁に見えますが、近くでよく見ると
1センチ位の巾のリボン状に削られた木がセメントの中に塗りこめられていて、
複雑な凹凸が出来ています。この凹凸が音を吸い、音の反射を拡散させています。
また、吸音しすぎると残響時間が短くなるため、所々セメントで凹凸を潰して調整しています。

この木毛セメント板にも防音、断熱、調湿効果もありますが、
さらに塗られている黒の塗料は竹炭塗料といわれる物で、
水性であり脱臭、調湿、抗菌効果があり、環境に配慮した素材で出来た壁です。

  

からくり回廊

                                                                                    書いた人:クロコ

聞きなれない言葉ですが、吉祥寺シアターの施設のある部分の正式名称です。
建物の主要部分である劇場空間をぐるりと「からくり回廊」が囲んでいます。

これはどのような部分かと言うと、通常のプロセミアムアーチのある劇場では
舞台袖に当たります、また正面部分はバックステージになり、袖からロビーへの
通路になります。

最大の目的は今回の東京タンバリン「婦嶽百景」の様な使用で、四方八方からの
演出の可能性を高める、と言うことです。

1階部分はこのような事ですが、2階も、3階もからくり回廊はあります。

演出的には同じように自由な発想で利用できますが、それ以外に仮設楽屋になったり、
機材倉庫として使用していたりと、いろいろな利用のできる、からくり回廊です。

 

  

平場舞台

                                 書いた人:クロコ

 

昨日、初日を迎えました東京タンバリン「婦嶽百景」は
当劇場、舞台機構の特徴の1つである平場舞台になっています。

これは一階部分の客席及び段床をすべてなくし、
通常の舞台と客席をフラットな状態にしています。
そしてその上に「婦嶽百景」の舞台セットと客席が組まれています。

通常のシアター形式では正面ロビーから入場し、
チケットのもぎりを終えると2階ホワイエより客席に御案内するルートでしたが、
今回はロビーへ入ってすぐの1Rと言う扉からの入場になります。

観劇されると、舞台セットは大変面白い動きをしますが、
その動きを作るために普段は客席である床に穴を開けられる奈落の構造がうまく利用されています。

 

東京タンバリン『婦嶽百景』
 武蔵野文化事業団チケット電話予約:0422-54-2011
オンライン予約:https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/

  

搬入口

                                 書いた人:クロコ

搬入口って何?という方が多数だと思います、字面でだいたいの想像はできると思いますが、
観劇のお客様にはほとんど見えない部分です。
しかし、劇場には重要な部分で、スタッフにとって劇場仕込み日にまず最初に仕事をする場所です。

街中の複合ビルの中にある様な劇場では、なかなか十分なスペースが取れず
皆さん苦労しているところです。

吉祥寺シアターの場合は単体の建物という事もあり、
道路からトラックが入った搬入スペースは、そのまま舞台の奥の部分になっています。
これは少し珍しいのではと思うのですが、道路の高さと劇場床の高さが、
まったく同じでフラットなのです。

舞台の奥は通常シャッターで搬入スペースと仕切られていますが、
シヤッターを開けると舞台の奥行きが、倍になった様に感じられる為、
シャッターを開けた状態での使用が多いです。

  

吉祥寺シアターの舞台床

書いた人:クロコ

 

 

今回は吉祥寺シアターの舞台床について書きます。

通常、シアター形式という事で、間口7間(約12.7m)
奥行4間(約7.2m)のエンドステージになってます。
床の構造は、しなベニアという合板(181cm×90cm)を
鉄骨の枠で受け、鉄パイプ4本で支えています。

それを56枚並べて舞台の床になってます。

何故こういう構造になっているかというと、
ベニアのサイズで床の好きなところが外せます。
舞台に穴を開け俳優さんが床下に消えたり、
下から飛び出したりという事ができます。

演出家、美術家のプラン次第で
自由に床の高低を造ることができます。
実際にすべての床の高さを変え、床に凹凸を付けたデザインもありました。

そしてこの床は客席の方まで同じ構造になっていますので、
前回書いた様に客席をかたづければ、
その下の床も自由な高さにデザインすることができます。

ただし、舞台も客席も電動で高さを設定できる物ではなく、すべて人力、手作業です。