干支

                                  書いた人:スピカ
 
師走となりました。今月になりますと急に思い出し、一般に書き始めるのが年賀状でありますが、年賀状といえば干支がつきものです。来年の干支は何であったか?昔はこの干支というのが生まれてこのかた、全く馴染みがなかったのですが成人後に干支がもう一周して、販売されておりますと殆ど唐突といってもよいのですが、12年前は何をしていたのか、年月の重みを感じます。よく十年一昔なんて言ったりしますが、さながら十二年一昔といったところでしょうか。

殊に来年は午(うま)と聞いて、自分が20代前半に学齢期を過ごしたほとんどの同窓が社会に出始めた時機と一致しておりまして、それ以来、なんの連絡も取り合っていない知り合いというのも、12年も経てばほとんどでありまして、なんと申しましょうか、学生の頃と違って、お互いにそれぞれの生活というものに落ち着いてゆく、成り行きとはいえ寂しいものを感じますが、12の倍数分だけ人によって人数は異なるのでしょうが、出会いも別れもあるのだと思います。

そんなことを考えておりますと、劇場でお会いするお客様というのもひょっとすると、一年に一度、何かの縁でお会いすることになった皆様なのかといったことを考えることがあります。一年のうちに何度も足を運んでいただいているお客様も少なくありませんが、例えば吉祥寺シアターでは恒例となっておりますSCOTの演劇を楽しみに、年に1度だけ足を運びますというお客様も中にはいらっしゃるかと存じます。これはまさに一期一会といえましょう。

さてSCOTといえば、最近こんなことがありました。私は吉祥寺沿線に住まいがあるのですが、小劇場やレンタルスペース、小さなライブハウス、喫茶店や小さな飲食店などで、ときどき、私たちが折込で見かける団体のチラシをみかけることがあるのです。どういった経緯で置きチラシがされることになったのか、そのあたりの事情はよくわからないのですが、おそらくはご好意で置いていただいているもので中央線一帯の文化圏に情報が共有されていることはとても意義あることのように思えるのです。

そんなこともあってか年末のこの時期に、そういえば吉祥寺シアターでSCOTの公演があったねと呼ばれるような催しとなるようバックアップできればと殊更感じることがある昼下がりがありました。

場所や時代が変わっても残るもの

                                  書いた人:スピカ
 
時の流れというのは一定でないなぁと感じることがあります。先日、本ブログでも大概の方は子どもの頃に過ごした時間の方が圧倒的に長く、大人になってみれば、季節過ぎ行く様や、1年なんてあっという間に感じるものですと書きましたが、意外と新鮮な経験をすることで、いかようにでも感じることができる。遠い出来事にも近しい出来事にも感じることが出来る。要は忘れられないような体験をたくさん作ることで、永遠の記憶として補うことができるのではないかと思うことがあります。

こんなことを申しますのも、私のスケジュール帳には、今月初旬に「唐組、雑司が谷、鬼子母神」と記したキーワードの羅列があり、それは取りも直さず唐組公演に行ってきたことを意味します。確認した瞬間、ほんの一ヶ月前のことであるのは事実なのですが、遠い昔のことのようにも感じたからです。ノスタルジー溢れる世界を触れに行ったからでしょうか・・・。

唐十郎の「唐組」(通称紅テント)といいますと寺山修司の「天井桟敷」、鈴木忠志の「早稲田小劇場」とともに1960年代の日本のアングラ演劇をリードした演劇団体の1つです。それを今、現代になって観ることができるとは・・・、そもそもそうしたものが現代になっても行われていることは知らず、「演劇に関する仕事をしているのなら」と知人の勧めで観に行くことにしたのですが、誘ってくれたことに感謝すべきかもしれません。牛に引かれて何とやら・・・。神社の敷地にゴザが敷かれ、ほとんど立錐の余地もないような状態。体育座りで公演を観る。毒々しいまでの原色とキッチュな世界観は、意味とか理解を超えて、一度は観ておいてよかったなぁと感じました。

さて、そんな1960年代の名残を残す唐十郎の演劇を観た後は、場所も時代も現代に置き換えて吉祥寺シアター共催、協力事業となります公演情報に移りたいと思います。

まず、劇団オーストラマコンドーは来月7、8日に新作公演プレイベント「書を捨てよ、町へ出よう」がコピス吉祥寺ウッドデッキで行われます。また、同劇団は吉祥寺シアターにて2月6日(木)から2月16日(日)まで『さらば箱舟』の舞台化に望みますのでそちらも楽しみです。

次に、鈴木忠志が主宰を務めるSCOTは既に本ブログでも何度かご紹介しましたとおり 日中韓3ヵ国語版『リア王』、『新釈・瞼の母』、親子のための音楽劇『シンデレラ』を上演いたします。(公演によっては既に完売となってしまった回もございますが、チケットの取り扱いはまだございますので、興味がありましたらぜひお求め頂きたくお願いします。(チケットの予約→こちらから

ポール。

書いた人:しだた
 

 今朝はとても冷えましたね、朝自宅から最寄駅まで向う途中さすがにそろそろ手袋を出さないといけないなぁと思ったのですが、冷静に考えると去年の冬に手袋をなくしてしまっていたことに気付きました。道理で部屋を探しても見つからないはずです・・・そして気がつくと11月も明日で終わり、あっという間に12月へ突入です。年末田舎へ帰る予定を立てるため、新幹線や高速バスの空席情報を調べている今日この頃です。
 

 ところで今月といえば、一大イベントがありましたよね。そう、あのポール・マッカートニーの来日公演!本当に知らない人はいないのではないかと思うほどの世界的なスーパースター、生きる伝説!あいにく私はチケットが取れずいくことはできなかったのですが、知人は子供二人と奥さんを連れ家族総出で見に行ったそうです。なんでもライブ前日は旅行に行く前のようで興奮してなかなか寝付けなかったとのこと。今回は11年ぶりの来日だそうで、現在71歳のポール・マッカートニー、あと日本でライブが開催されるのは何回あるのか分かりませんが、貴重な機会を逃してしまったなぁと後悔ばかりです。自分達の世代からすると、ビートルズは歴史上の偉人のような人達なので、そのうちのメンバーが同じ時代を生きているというのもなんだか実感として感じられないような気もします。しかし71歳とはいえ衰え知らずで、3時間近くの間エネルギッシュなライブパフォーマンスを披露したそうです。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
 

 さて、吉祥寺シアターでは続々と来年に行われる公演の情報もアップされてきました。まず来年1月30日(木)から2月2日(日)までミクニヤナイハラプロジェクトvol.8『シーザーの戦略的な孤独』です。ニブロールの振付家としても活動している矢内原美邦さんの演劇プロジェクト、今回はシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」をもとにした作品になるとのことです。
そして、2月6日(木)から2月16日(日)まではオーストラ・マコンドー『さらば箱舟』です。こちらは寺山修司の映画「さらば箱舟」の舞台化に挑みます。寺山修司といえば今年は没後30年にあたるので、いろいろなところで関連したイベントが開催されていますが、演劇だけではなく、映画や小説など幅広いジャンルで才能を発揮したこちらも伝説のような人物なので、オーストラ・マコンドーがどう舞台化するのかとても楽しみです!

 

 

 

森山大道 モノクローム展

                                  書いた人:スピカ
 

吉祥寺美術館では今月23日(祝・土)~12月27日(金)まで森山大道展(写真展)を開催しております。¥100と料金も安価ですし、皆様にご来館いただきたいと思っております。

ただ、森山大道と聞いて「あっ森山大道ね。よく知っている。」という反応を示せる方というのは、カメラ、もしくは写真好きな方を除くとそうはいないのではないかと一方で思っていたりもします。デジタルカメラ本機とSDカードが安価になったことにより、写真愛好家の人口は格段に増えたように思いますが、鑑賞として美術館に“絵画”を享受される方と“写真”を観る為にギャラリーや美術館に向かう層は、どういう理由かは判然としませんが、後者のほうが圧倒的に少ないように思います。それは写真という存在が身近にありながら難しいからなのか、写真(を撮ること)と相反して逆に写真家という存在が身近にないからなのかよくは分かりません。日本を代表する写真家というと木村伊兵衛、土門拳あたりが皆が知っていて巨匠と呼ばれるラインと言えそうですが、一方で写真家は常に斬新なものが求められるせいか、いつまでたっても巨匠の名を冠せられることもなく、第一線として活躍することが望まれているような気がいたします。そのような―写真と絵画というのを意識しながら今回、展覧会を観覧してまいりました。

今回、展示される展覧会の作品ですが全てがモノクロ写真です。それも時に荒々しいまでの質感と存在を放っています。これらを観ているとデッサンとモノクロームの写真というのは非常に近しいのではないのかなという感触も得ます。そのこころは、デッサンの基本とは、一見正確、精緻なものを要求されるようで、なるべくものの質感を通して、そのものの形状や、手触り、重さそういった複合的なものは実際に触れた上で描いた方がよく描けるのではないかと聞いた事があったからでしょう。すなわち観るだけではなくて、それが硬いのか、柔らかいのか、冷たいのか、温かいのか・・・これは言い換えれば、対象に対して自分がよく熟知できているかどうかということでもあります。森山大道の写真はそうした点でデッサンと非常に似ておりまして、観るだけでモノの質感のマチエールを捉えているのだと思います。

余談になりますが私自身はいつ写真に興味をもったのか、それはきっかけとして今でもはっきり思い出すことができます。「時の島々」(写真:東松照明 文:今福龍太)という一冊の写真集で、十代の終わりに、進学したものの物珍しい学校生活も終わり、何かとまわりに流されがちな毎日を過ごしていた自分には留って見る事の大切さと、後のサンパウロでの公演の原型にもなった流麗な文章に、心が洗われるような思いがいたしました。展覧会とは少し脱線しますが、同じモノクロームの写真ですので機会がありましたら、本展ご観覧後に図書館などで、お手に取ってみていただければ幸いです。

現在チケット発売中です!

書いた人:バタコ

 現在、12月のSCOTのチケット発売中です。好評につき、完売の日も出てきています。是非ご予約はお早めに!特にやはり『リア王』が人気のようです。先日、SCOTの制作担当の方とお話させていただいたのですが、今回の『リア王』は鈴木忠志ブログにもある通り、主要キャストであるエドガーを演じる役者さんの演技が迫力大なのでぜひお楽しみにしてください!とおっしゃっていました。その他の作品も、ブログにもあるとおりどれもがカラーの異なる作品になっているので、見比べるとより楽しんでいただけると思います。3作品を12月に吉祥寺シアターで一気に観劇するというのはいかがでしょうか。

 さて、そんな12月はSCOTの公演の前に武蔵野芸能劇場では声を出すと気持ちいいの会の『富士の破れる日』の公演があります。特設サイトもオープンし関連ワード集や、アフタートークゲストが公開されています。公演情報を読み込んでいくと、どうやらこの作品には富士山信仰や日本人のシンボルとしての富士山に焦点が当てられている模様です。実は私はその富士山信仰をはじめとする山への信仰を大学の講義で知りました。「日本人は富士山が大好きで、いろんなところに富士塚というミニチュア富士山を作って大事にしていたんですよ。そんな富士を信仰する富士講の人たちはこんな記念碑なんかも残していますよ。」という先生の話とともに、スクリーンに映し出された石碑。「あれ、これどこかで見たなぁ」と思っていたのですが、あったのです。私の実家に。子どものころは誰かのお墓だと思い怖がっていて、両親に聞いてもそれが何なのか分からずにますます怖いと思っていたこの石碑。それ以来、怖くはなくなりましたがいっそう不思議な存在となりました。なんだか縁遠いと思っていても、富士山の世界文化遺産登録を喜んでいるあたり、富士山信仰も身近なものなのかも知れません。
 とはいえ!そこはコエキモ、難しそうな主題ですがスピード感と若者らしいフレッシュな視点はそのままに、また新しい一面を見せてくれるのではないでしょうか。
公演予告動画も公開されています。是非チェックしてみて下さい。


SCOTもコエキモもご予約はこちらから!→https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
皆様のご来場お待ちしております。 

富士を見る

                                  書いた人:スピカ
 

最近、本当に寒くなってきましたね。枕草紙の序文には「冬はつとめて(冬は早朝がよい)」なんて表現が使われますが、朝の凛とした寒さがよいという気持ちにはそれを習った学生の頃から今に至るまで、まったく感じたことがありません。修行が足りないようです。

しかしながら、空気が澄んで寒いことが悪いことばかりでもないようです。今時分になるといつものように中央線の下り列車に乗って吉祥寺シアターまで通勤をしておりますと西に向かうにつれ、車窓から富士山の雄大な眺めが望めます。夏では見れないものが冬では確認することができます。冬は空気中の水蒸気が低下し、同時にその水蒸気についたチリや埃などの遮蔽物がなくなるため、遠方の風景まで見渡せるからでありますが、“在る”のだけれど見えなかった分だけ、圧倒的な存在感を放ち、静かな感動を呼びます。

そういえば、都内にはいくつも富士見坂のネーミングのついた坂がありますが、当時は高台となった坂上から富士の眺めが望めたからその名がついたといわれておりますね。また交通機関が限られていた江戸の時代は富士詣がそう簡単にはできなかったこともありまして神社などで富士塚と呼ばれる山岳信仰に基づき、富士山に模して造営された人工の山や塚に登ってその代用とした風習があったようです。今日よりもっと神格化されたものであり、同時に民間信仰の対象として存在が身近であったことが窺えそうです。

さて、富士山について語ったところで本題に移りたいと思います。

今月、30日(土)~12月3日(火)の予定で武蔵野芸能劇場で公演が組まれております「声を出すと気持ちいいの会」による「富士の破(わ)れる日」であります。公演を観にいらっしゃるお客様には期間中に限り、劇場の3Fロビーにて、吉祥寺美術館所蔵、萩原英雄氏の『大富士』や『拾遺富士』などの作品をご鑑賞いただけます。なんでも本作品のイメージソースにこれら富士作品が使われたそうで、演劇にどのように反映されているのか非常に興味深いですね。

各公演とも、若干席に余裕がありますので、ご興味がありましたら、ぜひご鑑賞、ご観劇いただければ幸いです。(※展示期間は、公演の受付開始後から開演までの間と、終演後のみになります。ご了承ください。)

 

寺山修司×園子温×穂村弘

書いた人:コモト


コモトです。この間までもう11月!と言っていたのが、あっという間に11月も終わりに近づいていますね。シアターでは青年団「もう風も吹かない」が大好評のうちに千秋楽を迎えました。足を運んでいただいた皆さま、ありがとうございました。

さて間もなく12月。12月1週目にはオーストラ・マコンドー新作公演プレイベント「書を捨てよ、町へ出よう」がコピス吉祥寺ウッドデッキにて開催されます!このイベントは寺山修司没30年認定事業のひとつとして行われる予定です。詳細はこちらからご確認いただけますので、お近くの方はふらっと遊びに来てくださいね。

今年は寺山修司没後30年ということで、各地で関連イベントが行われていたり特集が組まれているんですよね。今の時期は何があるだろな~と探していたところ、今月23日(土)午後11時からNHK Eテレにて「寺山修司という宇宙 園子温×穂村弘」という番組が放送されるそうです!国内外で高い評価を得ている映画監督で、つい先日もワタリウム美術館での寺山修司展で関連イベントにご出演されていた園子温監督と、短歌だけでなくエッセイや批評でも広く知られている歌人の穂村弘さんによる、寺山修司を巡る特集番組だそうです。個人的にも好きなおふたりが寺山修司について語るということで、コモトも早速録画の予約をしました!お休みの日の夜、お時間のある方はチェックしてみてください。


■コモト、今日の一冊
オーストラ・マコンドーのHPの特集コーナー「寺山修司を知る旅」にて、役者として演劇実験室『天井棧敷』にかかわり、その後詩人として活躍され、現在は青森県三沢市の寺山修司記念館館長も務められている佐々木英明さんへのインタビューが掲載されています。是非ご一読くださいませ。

全国ツアー。

書いた人:しだた
 

 ここ数日昼間は穏やかで比較的過ごしやすいですね、といっても朝出勤するときはやっぱり寒い、しかも自宅から駅までは自転車なので風が直接あたって冷えるのです。すでにコートも出したことだし、そろそろ手袋やマフラーも出さないといけないなぁと思う今日この頃。最後の手段カイロは真冬のためにとっておきます・・・
 

 さて、吉祥寺シアターでは昨日で青年団『もう風も吹かない』が終了しました。たくさんの方々にご来場いただき、ありがとうございました! そして見逃してしまったというそこのあなた、朗報です。来年1月よりこの作品は全国ツアーを行います。1月18日(土)と19日(日)は三重県文化会館、1月24日(金)から27日(月)までAI・HALL(伊丹市立演劇ホール)、1月30日(木)から2月1日(土)まで四国学院大学ノトススタジオ、そして最後2月8日(土)と9日(日)は富士見市民文化会館キラリ☆ふじみです。特に関東圏にお住まいの方は、ツアーの最終地である埼玉県の富士見まで足を運んでみてはいかがでしょうか。富士見市は都心から電車で30分程度ですし、最寄り駅から徒歩かバスで富士見ののどかな風景を楽しみながら劇場まで向えるので、とてもゆったりとした気分で観劇できるはずです。同じ作品を見るにしても、劇場がちがうと作品を見る心構えが少し変わるような気がします。気になった方はぜひチェックしてみてください。
『もう風も吹かない』全国ツアー詳細は→http://s.seinendan.org/play/2013/07/3157
 

そして今日から吉祥寺シアターでは今年最後の演劇公演(もうそんな時期なんです)SCOT 日中韓3ヵ国語版『リア王』、『新釈・瞼の母』、親子のための音楽劇『シンデレラ』の武蔵野文化事業団取り扱いチケットが発売されました。SCOTは演出家の鈴木忠志さんが率いる劇団で、現在富山県南砺市利賀村を拠点に活動を続けており、日本を代表する劇団として海外のいたる場所で作品発表を行っています。また今回はゲストにこちらも日本を代表する建築家の磯崎新さんを招いての鈴木さんとの対談や演劇人のための鈴木教室などかなり濃密な年末公演になることまちがいなしです。
チケットのご予約はこちら→https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/
12月14日(土)、15日(日)の対談付きの公演は売り切れ必須なのでお早めのチェックをお願いします!

 

 

最近気になるねずみ。

書いた人:しだた

 

 週末はほんとうに寒かったですね、耐え切れずに電気ストーブや真冬用のコートを出してしまいました。しかしまだ扇風機を片付けていなくて、部屋に扇風機とストーブが並んでいるという状態です。それだけ見るといったいいつの季節なのか謎ですが、秋の穏やかな日々はいつの間にか過ぎ去ってしまったようです。
 

 ところで最近いろいろなところでよく目に入ってくる「黒いくま」いますよね。熊本出身で、ほっぺが赤くて、動きがコミカルで、海外進出まで果たしている、あの黒いくま(あえて名称は言いません)ほんとうに見ない日はないなぁと思うほど、大人気。どうやらゆるキャラブームというのは一向に衰える気配がないような気がします。

そんなことで先日テレビを見ていると、某街ぶら番組で武蔵野市の特集をしていたのですが、武蔵野市にもいるらしいですよ、ゆるキャラ。その名も「むチュー」。武蔵野市中央地区商店連合会のキャラクターらしく、武蔵野市の「む」と中央地区の「ちゅう」から「むチュー」と名付けられたそうです。もちろん名前の通りねずみをモチーフにしたものなのですが、なかなかかわいげのある見た目をしています。そしていろいろ「むチュー」について検索していると、なんと我らが文化会館にも来ているではありませんか!しかもとてもいい写真です、こちら→http://www.mu-chu.com/spot/mculkikan.html こんな可愛らしいキャラクターが吉祥寺の街に登場すると大人気まちがいなしだと思いますが、いつかシアターにもひょっこり来てくれないかなぁと思う今日この頃です。
 

 さて少し前置きが長くなりましたが、吉祥寺シアターでは、青年団『もう風も吹かない』の公演が明日で最終日になります。私も見させていただいたのですが、青年海外協力隊の訓練所を舞台に若者それぞれの日々を描きながらも、内面の苦悩や感情の動きを綿密にあぶり出し、物語の設定は特殊なものではあるのですが、とても普遍的なところまで昇華された作品のように感じました。

連日たくさんのお客様にご来場いただいており、もう終わってしまうのが残念ですが、明日の当日券は13時より受付にて販売する予定です。(最終日につき混雑が予想されますので、バルコニー席や見づらい席になることもあるので、事前にご了承ください)
ぜひお見逃しのないようにお願いします!

 

もう風も吹かない ポスターに思う

                                  書いた人:スピカ
 

早いもので暦の上では、季節は立冬を迎えたようです。立春まで、もう季節は冬になるのですね。日中、日が照っていても朝晩は特に冷え込むようになりました。コートを着ていこうか、迷う今日この頃です。この季節、頓に思うのですが、出勤前に朝のTV情報番組を観ていると「今朝は今シーズン一番の寒さを記録しました!」との声を耳にするのですが、これから大寒まで、ほぼ、毎日その記録は更新されていくのでは?と素朴な疑問を感じております。

さて、当館で公演されております青年団の「もう風も吹かない」ですが、連日、多くのお客様にご来館頂いております。開場20分まではロビーで待機して頂き、整理番号でのご案内となりますので、開演まで少々館内が混雑しますが、何卒ご了承ください。

武蔵野文化事業団でもチケットの取り扱いはございまして、とりわけ、追加公演となりました16、17日(土・日)18時の回はまだお席に余裕がございますので、ぜひチケットをお求め頂ければと存じます。(チケットのご予約は→こちら

今回は本公演のポスターから受けたインスピレーションからペンを執りたいと存じます。

・・・とても印象的な場面ですよね。(ちなみに舞台上ではでてきません。)つり橋を渡る一人の女性。奥には森が広がっており、傍らにはよく見るとパスポートが乱雑に落ちております。これは一体何を意味するのか?劇を見るとあぁなるほどといった観がありますが、もう後戻りできない、つり橋というのも綱渡りのような不安定な日常を物語っているかのようです。森は未知なるもの、未開の地へ赴く象徴として描かれているようです。

ともあれ観劇する前に、個人的に想起されたのは、前述のポスターが森へと向かう様子ということもあり、場所や環境、歴史は違いニュアンスはまったく異なるものの、たまさか覚えていたアメリカ文学者のH・D・ソロー「ウォルデン森の生活」の一節でした。

「私が森に行って暮らそうと心に決めたのは、暮らしを作るもとの事実と真正面から向き合いたいと心から望んだからでした。生きるのに大切な事実だけに目を向け、死ぬ時に、実は本当は生きていなかったと知ることのないように、暮らしが私にもたらすものからしっかり学び取りたかったのです。私は、暮らしとはいえない暮らしを生きたいとは思いません。私は、今を生きたいのです。」・・・ストーリーと直接、関係ないのですが、若者たちの心情、信条に通低しているかのように感じたのでした。

平田さんは『もう風も吹かない』の初演時の当日パンフレットの中で「卒業公演に相応しくない、夢も希望もない作品を書いてやる。」という言葉を残しております。(ここで卒業公演とありますのは、平田さんが教鞭を執られていたことによります。)挑戦的な言葉に映りますよね・・・。しかしこれには平田さんなりの裏返しのアイロニーがあるようで、閉塞感と孤独感に満ちて、既存の価値観が大きく揺らぐ今日であるからこそ自分の立脚点を見失うことなく、強く生きなさいというメッセージであるようです。