バレエを観劇し、転んだバレリーナに同情を寄せるのは間違いか

 
投稿者:ヤマネ



あるバレエの来日公演を観てきましたが、コール・ド・バレエ(ソリストではなく、集団のダンサー。音楽で言う所の合唱にあたる人)の一人が、開始早々にこけました。え?転倒したのです。ずるっと滑ってすっ転んだのです。最初の出番の時に、前の人の後をついて行っ・・・・ステテンテン。


こういうとき反射的に私は「嗚呼、かわいそうに」と思ってしまうのですが、これは曲がりなりにも音楽家を目指して励んでいた、かつての自分の姿を重ね合わせてしまうからでしょうか。でもけっこう多くの方がこういう時には同情というか、それに近い感情を持たれるのではないですか。一生懸命稽古を重ね、つかみ取ったチャンスを台無しにするような不様な姿をさらしてしまい、本人が一番悔しいし恥ずかしいでしょうし。


それとも、いやいやこれはまずいだろう何やってんだと憤激しますか?プロフェッショナルな見地からすれば、これは実に正しい。終演後、この転んだ方は同僚や偉い人たちからこってりと絞られたのではないかと想像します。そうでなくとも、一気に皆からの信頼を失ってしまっています。最悪次回以降の出演を外されてしまったかもしれません。二軍落ち、契約解除、馘首、絶望、引退、という負の連鎖が目に浮かぶようです。ああ。


公演全体に関して言えば、そこの部分だけを観て失敗だったと断罪するのは簡単ですが、それだけだとちょっと建設的ではない。そこから我々は何か学べないでしょうか。私たちの日々の生活、仕事の上でも何か学ぶことがありますよねきっと。


なぜ彼女は転んだか、再発を防止するためにはどうすればいいか。ミスをした人にはどんな対応が必要か・・・・。なんてってつらつら考えながらブラヴォー湧き起こる会場を後にし、家に帰って猫を相手にビールを飲んで、寝た。