二人のヘルムート・ドイチュ

 


投稿者:Director's Choice


ヘルムート・ドイチュといえば、鮫島有美子のご主人で名リート伴奏者、ミュンヘン国立音楽大学の教授と思われる方が多いですよね。


このヘルムート・ドイチュさん(ピアニスト)は武蔵野には一度だけ、ヨナス・カウフマンと鮫島さんのリサイタルの時にご出演いただきました。このカウフマンのリサイタルの次の日の朝、僕はお客様から何本かの電話をいただきました。「あのひどいテノールは何だ」というものばかりでした。カウフマンはまだ日本では無名でした。


「あと数年したら、彼はきっと世界のスターになるんです」と言う僕に「ふざけんな、バカヤロー!」と返されるとさすがにつらかったのを覚えています。


カウフマンも今とは違ってまだ技術的な問題を抱えていて「未来にかける僕のようなプロデューサー」と「今最高でなければ許せない」という現実の間で、最後に撃たれるカヴァラドッシみたいな気持ちでした。カウフマンは世界一、二のテノールになりましたが、3月11日の時に予定されていた3つのオペラカンパニーの公演を全てキャンセルし・・・もしかするとあのとき、若いカウフマンを熱狂的に迎えていたら、日本が大好きになってもっと日本に来るようになったのかしら、などと考えてしまいました。


さて、今回僕が招くのはその時伴奏をしていたドイチュではなく、別のヘルムート・ドイチュです。オルガニストでフライブルク国立音楽大学の教授です。今、最も評価を高めているドイツのオルガニストの一人ですが、日本では大ホール(2,000席クラス)で次々とリサイタルを行い、武蔵野とは縁が無かったのです。今回もみなとみらいでリサイタルをやります。チケットは4,800円なので、武蔵野よりは高いんですね。そのくらいの格の人なのですが、武蔵野ですから1,000円でやります。ありえない・・・。


彼のマネージャーとはもう20年来の知人ですので、なんとかこの値段でも出来るのですが・・・。


リスト国際コンクールに優勝した、リストの名手で、バッハも素晴らしい人です。武蔵野公演は、バッハとクレプスに始まって、メンデルスゾーン、リストというプログラムです。大ホールを埋めるためには、どうしてもこうした本格的なプログラムではむずかしいのです。ドイチュの真価を問う曲目になっています。ドイチュ、いいですよ。聴いていただきたいなあ。


そういえば荻窪のピエモンテ(→食べログでみる)が昼もやっていますね。夜だけの店でしたが、移動を機にシェフの奥様がローマ風ピッツァを、シェフの銀座イル・ピノーロ時代のセコンドがパスタを作っていますよ(長いピエモンテ・ファンはご存じと思いますが、今のシェフは二代目です)。


■5月24日(金)午後7時開演予定
ヘルムート・ドイチュ オルガン・リサイタルの公演詳細は近日発表予定です!