シェイクスピア・イヤー

 

投稿者:I.D

ひよこちゃんも書いていましたが、今度の4月から1年間、吉祥寺シアターでは「シェイクスピア・シリーズ」としてシェイクスピアの作品を上演することになります。

 

現在はブルーノプロデュースの『My Favorite Phantom』(原作:ハムレット)と無名塾の『ウィリアム・シェイクスピア』(シェイクスピアの青春時代に焦点を当てた作品)を発売しています。ほかのラインアップの間もなく発表となります。

 

2014年はシェイクスピアの生誕450周年の年となります。この年にはおそらく世界各地でシェイクスピアが盛り上がるだろうと思いますが、吉祥寺シアターではそれに9ヶ月先駆けてシェイクスピア・イヤーの始まりです。

 

今回はちょっと高尚なイメージもあるシェイクスピアに親しんでいただく豆知識をいくつか。

 

文学史上最高の文豪ともいえるシェイクスピアですが、その生涯はあまりよく分かっていません。無名塾が上演する青春時代の7年間は全く記録がなく特に謎に包まれていますが、それ以外でも日記、手紙類はなく、自筆が見られるのは僅かな公的書類などだけ。この記録の残ってないっぷりは、当時のもっと格下の作家などと比べても特出しています。

 

また当時の劇作家は大学を出たインテリが多かったのですが、大学を出ていないシェイクスピアが果たしてあれだけの、あらゆる知識が詰め込まれた戯曲が書けたのか等の理由により、シェイクスピアは別人説もあるほどです。それをテーマにした「もうひとりのシェイクスピア」という映画が、ついこの前まで東京で上映されていました。調べたら今はもう横浜でしかやってないようです。ご興味があれば…。

 

自筆の戯曲も残ってなく、出版されたものだけが現存します(「サー・トマス・モア」の3枚の原稿がシェイクスピアの筆によるものとも言われていますが)。それも当時の粗悪な出版など色んなバージョンがあり、どれが本来シェイクスピアが書いたものなのか、議論のタネとなっています。つまり我々はシェイクスピアの思惑とは違うものを読んでいるかもしれないですね。(もちろん芸術にとってそれは重要なことではないといえるかもしれません…。)

 

さて当時の演劇の上演は昼間、屋根のない劇場で行われていました。なので夜の場面(例えば「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーンなど)も全て陽の光のなかで演じられていたため、しばしば暗い夜であることを示す台詞などが出て来ます。たぶん当時の観客は、これで漆黒の闇の中で行われるラブシーンや残忍な暗殺などをイメージできたのだから言葉の力はすごいと言うべきか、想像力って不思議というべきか。

 

また、当時は女優がおらず全て男性が演じていました。女性の役は往々にして少年俳優が演じていました。「ヴェニスの商人」とか「十二夜」「お気に召すまま」などのシェイクスピアの戯曲に、ときおり男装をした女性が出てくるのも、これを知ると納得できます。しかし現在男性がリアルに演じようとすると、単純に女性を演じるより、男装した女性の方がムズかしいように思います…。

 

それではシェイクスピア・シリーズの幕開け「ブルーノプロデュース」と「無名塾」楽しんでいただけましたら幸いです。