太陽の戦士

 
投稿者:Director's Choice


僕は児童文学が好きで、どうしてもこの一冊と言われてローズマリ・サトクリフの「太陽の戦士」を推します。


片手のない少年が、原始の時代を強く生きていく話です。こういう仕事をしていると、世界の首相とお話しすることもありますが、自分の中ではどんなに偉い人でも小さな幼稚園の子でも同じようにしか接することができません。


どうしても弱い方に味方してしまうので、一般的に見れば損な人生かも知れませんね。最近は原始時代、さらにもっと前の時代に思いをはせることが多くなりました。数億年前・・・。1年、2年、3年と数えるだけでも息と胸が苦しくなります。ベートーヴェンやモーツァルト・・・モンテヴェルディやラッススもそれから比べれば昨日のことのようです。


蛍の光の一瞬にもならない人生を生きて、お客様にコンサートを提供しているのです。ですから一夜のリサイタルで一つの音符だけよければ僕自身は満足だったりします。ですから本当はアーティストの名前だけ書いて、曲目も海外のようにただシューベルトとかだけ書いて、その瞬間をアーティストと聴衆と共有したい気持ちですね。でも残念ですがチケットを売らなければならないので、名曲をやったり東京よりいくら安いなどと書いたりします。


今秋にフェデリコ・コッリという人のリサイタルをやります。ザルツブルクのモーツァルト国際コンクールの優勝者で、公演をやったことがありましたが、もう一人のヴァイオリンの優勝者ばかりみなさん絶賛して、このコッリ君を良いという人はほとんどいませんでした。


僕は彼の弾くベートーヴェンの1番のソナタがとても好きでした。暖かい家庭が目に浮かんできて、お母さんを中心に家族が笑い合っているような音楽でした。マネージメントは「売れない」という理由でその後、彼を招くことはありませんでした。


しかしそんな彼がリーズ国際ピアノ・コンクールに優勝したというニュースが入ってきました。ああ、ヨーロッパには彼をきちんと評価する人が居るんだ、と心から嬉しくなりました。音楽とは人の心を聴くものです。


さて、麻布十番にオルタシアというフランス料理店(→公式サイト)があり、今とても素晴らしい料理を出していますよ。