スタッフブログ:2013年10月

【ネットで今話題】間違った曲を準備したピアニスト

投稿者:ヤマネ


今最も著名なピアニストの一人である事は間違いないポルトガル人、マリア・ジョアン・ピリス。アムステルダム・コンセルトヘボウ管(指揮:リッカルド・シャイー)とのリハーサルで、自分が準備していた曲と異なる曲をオーケストラが演奏し始め、猛烈なショックを受けている映像がいま、ネット上で話題、あちこちでシェアされています。


ホールには聴衆がいますし、ランチタイムコンサートと書かれているサイトもありましたが、シャイーが首にタオルを巻きラフな格好をしていますので、おそらくコンサートではなく公開リハーサルだったのではないかと思います。


■ニューヨーク・デイリーニューズ紙(英語)
http://www.nydailynews.com/entertainment/music-arts/pianist-horrified-orchestra-plays-wrong-concerto-live-performance-article-1.1500562


■テレグラフ紙のブログ(英語)
http://blogs.telegraph.co.uk/news/damianthompson/100243153/pianist-maria-joao-pires-panics-as-she-realises-the-orchestra-has-started-the-wrong-concerto/


■問題の映像Youtube


映像はそれほど鮮明ではありませんが、ピリスは若く見えますので、最近の話ではなさそうです。


それにしてもオーケストラが違う曲を弾き出す、というのは本当に恐ろしい悪夢です。通常指揮者とピアニストはリハーサル前に2人で曲について打合せをしますが、この時は時間が無かったのか、なんらかの理由で打合せなしだったのでしょう(いや、打合せが仮にあったとしても激烈に動揺することに違いはないですが)。

いやー、恐ろしい。楽器を演奏した事のある人なら誰でもこういう夢は見たことがあると思いますが、現実になってしまったホラーは想像しただけで「昏倒もの」です。私も一気に全身から血の気が失せました。


ピリスは7歳の頃からこの曲を演奏しており、前のシーズンもこの曲を弾いたという事のようで、シャイーも、「おうちに楽譜を置いてきてしまった」と言うピリスに向かい「昨シーズンも弾いたでしょ」と軽々返して指揮を止めないあたり、鬼だなと思うのですが、しかしピリスはショックを受けながらも「もし憶えてたらやれるだけのことをするわ」と何とか気持ちを切り替え、演奏を始める。しかも美しく完璧に・・・。


・・・とここで映像は終わり、伝えられるところによれば最後まで完璧に弾いたそうです。
  

本屋に行こう。三鷹駅前には本屋が5軒

投稿者:ヤマネ

世の中から本屋さんがどんどん無くなっているそうです。時代の趨勢ですね。Amazonなどのオンラインショップでの注文や電子書籍の普及に伴い、本屋でぼんやりと、あるいは真剣に本棚を睨めつけながら本を見付けるという行為は、人々の、そして私の生活から減って行っています。


実際私も、オンラインで本を買うことしばしばです。また、私が働いている武蔵野市民文化会館のすぐ目の前には武蔵野市の中央図書館がありますので、そこを利用することもある。


しかし「絶対に本屋に行くとき」があります。それはいつかと言いますと、コンサートホールに早めに着いたとき、なのです。


目的のコンサートホールに行くために電車に乗り、最寄りの駅で降りる。時計をみれば開演までまだ大分あるじゃないっすか。そういう時、私はまず100%本屋に行きます。サントリーホールならアークヒルズの丸善。東京文化会館なら上野駅中のブックエキスプレス、オペラシティならくまざわ書店、紀尾井ホールなら鈴傳(これは酒屋!!)、といった具合です。


特に目当ての本があるわけではなく、本屋で何とはなしに本を眺め、ぱらぱらとめくってみたり、買ってみたりする時間というのは何ともぜいたくな気がしています。私は本屋という場所が何とも好きなので、これからも利用し続けたいと思います。


武蔵野市民文化会館への最寄りの駅であるJR三鷹駅前にも、大きくはないですが数件の本屋さんがございますね。南口コラルの啓文堂、三鷹の森書店、アトレの文教堂、そして駅中と北口ツタヤにも小さいですがそれぞれ本屋があります(もっとあったらごめんなさい)。私も折に触れて立ち寄っております。


みなさんも、三鷹駅に早く着いた時はぜひ、というか、たまにはちょっと早めに着いてみて、上記いずれかの本屋で本の匂いに浸ってみてはいかがでしょうか。
 

  

オランダ、蘭学、ミンナール

投稿者:ヤマネ

ハンス・ミンナール。オランダ人の若手期待のピアニストであります。エリザベート国際コンクール第3位(コジュヒンが優勝した2010年の回です)。その後めきめきと頭角を現してきており、先日はついにブロムシュテット指揮コンセルトヘボウ管にデビューを果たしました。


話が逸れますがオランダ語というのは不思議な言語です。英語とドイツ語が混じったような形をしていて、サンキューとかダンケとか言う代わりにダンクユーと言います。私は一時ベルギーに住んでいたので、あそこはフレミッシュという一種オランダ語のなまりを話すのですが、aaとか、ijとか、ooとか、一風変わった綴りを見かけました。


江戸時代は蘭学が盛んだった、と言われても現代の私たちには全くピンと来ませんが、かつて日本の一部のインテリの間でオランダ語が学ばれたというのは不思議な感じがします。オランダ人にそんな話をしても「はあ?日本で200年前にオランダ?・・・・オランダ語?それは一体ゼンタイ何事でゴワスか?」と言われるのがオチでした(少なくとも私の知人の範囲では)。


閑話休題。ミンナールです。実にオランダ人らしいHannes Minnaarというスペリングに意味なく若干の興奮を覚えます。その彼が送ってきたプログラムを一見して・・・・これはきれいなプログラミングだ、と思いました。


ラヴェル「クープランの墓」、フランク「前奏曲、コラールとフーガ」、そしてショパン「24の前奏曲」。一見何のひねりもない、ごくまっとうなプログラムに見えますが、素晴らしくセンスがいい。これは・・・・なかなか出せるプログラムではありません。


パリを拠点に活躍した3人の作曲家の、いずれもバロック時代の作品形式を下敷きにして書かれた作品です(平均律や組曲と言われるようなものです)。そしてその形式を素地としつつも、それぞれの個性を存分に発揮した気品があり味わい深い作品となっている。個人的な話をして良いかどうか、私は、こういう上品なプログラムを思いつく演奏家がかなり好きです。


演奏を聴いてみても(生演奏ではなくて、手に入る音源での範囲ですが)、厭みや押しつけがましさ、アクの強さが無くて、すっと心に入ってくる。きっと音も下卑たまでに大きくはないでしょう(急いで付け加えますと、下卑たまでに大きい音を出す演奏家も好きです)。


トンカツや松阪牛すき焼きなどドテッとした料理ではなく、美しく出汁のとられたお清ましや、火加減の見事な焼きもの、そういった料理を彷彿とするのであろうなと想像しております。


実演も期待できると思います。楽しみです。


■12/12(木) ハンネス・ミンナール ピアノ・リサイタル詳細とチケットは以下から:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/10/post-242.html
チケット予約は発売開始1週間で8割弱に達しております。ご予約はお早めにどうぞ!
 

漆黒のピアノに浮かび上がるゴールデン・ロゴ

投稿者:ヤマネ

皆様こんにちは!今日もミニお勉強会です!!


ピアノの鍵盤のフタの秘密が判ったところで、今日はピアノの次なる秘密を明らかにします!(これで今回はネタ切れ)


ピアノに座ります。目の前に鍵盤のフタがあります。開けます。その中央部分にそのピアノメーカーのロゴがあります。金色に輝いています。あれはどうなっているか、というか、どういう風に作られているかご存じですか?え?知らない?・・・ハハ、ワトソン君は無知だね、イモだね。


そうなのです。私、先日のフタとっかえひっかえ問題の時に同時に学んだのですが、あのロゴは、というか、あそこの部分には、厚さ数ミリの真鍮が埋まっているのだそうです。真鍮をまず木面に貼り付け、塗装でがっつりカバーし・・・・全体を丁寧に磨き上げる事で浮かび上がらせている!という事を、私は生まれて初めて「36年と4ヶ月振り」に知ったのであります!ガーン!!


ピアノの右脇に行きます。客席の方向からピアノを眺めたときに、ピアノの脇に同じようにメーカーのロゴが黄金色に輝いて見えます。ここも同様の仕上げなのであります!「塗って覆い被して」「磨いて」ロゴを浮かび上がらせるのです!なんたること・・・・。事実は小説よりも奇なりであります。


その手法もさることながら、私は塗装の厚さにもびっくりしました。「数ミリのプレートを完全に覆い尽くすほどに厚く塗ってある」というのは誠に驚きであります。塗装は響きにどれほどの影響があるものなのでしょうか。不思議な気分になりました。ブルボンのルマンドが食べたくなりました。


あそこの造りはどうなっているのかな、と夜な夜な沈思黙考し、眠れない日々が長年続いていたのですが、とりあえずこれで枕を高くして眠ることが出来そうです。ありがとうございました。


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そんな素敵仕上げのピアノを生で見てみたいあなたには以下の公演がオススメです:
■11/19(火)アンドレ・ワッツ ピアノ・リサイタル 「熱情」ほか
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/07/post-216.html
 
 

スタインウェイ・ピアノの鍵盤の蓋に関する謎

投稿者:ヤマネ

みなさんこんにちはこんにちは!!今日はミニ勉強会です!写真はクリックすると拡大します。


ピアノの鍵盤にはフタがあります。これです。


・・・・単体だけで見せられても判りにくいですか。申し訳ありません。


今日はこの鍵盤のフタ、世の中のコンサートホールに多くあるスタインウェイというメーカーの鍵盤のフタの話です。ちょっとしたアクシデントでフタに傷がついたので、修理に出て、そして帰ってきました。


で、この蓋なのですが、実は使い回しが出来ない、という事を知って私はガーン!と驚きました。


どういうことかといいますと、例えば武蔵野市民文化会館には3台の現役スタインウェイがありますが、この3台のピアノのフタは、自由にとっかえひっかえが「出来ない」のです。あらまあ!おやまあ!ビックリ!!


・・・・まあフタをとっかえひっかえする人も世の中にさほどいないとは思いますが。


なぜ出来ないのか。


なぜならば、「フタを留める部分の作りというか幅が個々の楽器によって違うから」なのだそうです。そんなわけで、もしかしたらうまくハマる場合もあるけれども、はまらない場合がほとんどである。ということなのだそうです!(調律師の方に教えていただきました。)

写真をご覧下さい。ここにこれをはめ込んで・・・

 

こうしてはめるのですが、この金属の部分の位置が楽器ごとに違う。なるほどー。でもそれは、、、なぜ?


なぜ、と思うその気持ち、実に自然ですね。しかしこの話を聞いた時、私はこの「なぜか」という所を詰め切らず、へーへーへー、とへーへーボタンを押して満足してしまいました。今さらですが、不明を恥じたい。


いやいや、工業製品なのに面白いですね。ついでに言うと、スタインウェイの鍵盤のフタは、例えばヤマハのように上に引っ張ればそれだけで簡単に外れる、という仕組みではないということにもちょっと驚きました。


私はいつも調律の様子を見ているはずなのにその事に全然気がついていない。人間の注意力とはいかにあてにならないか、という話でありました!!(単に私が注意散漫なだけ、とも言う)

  

ワード談義

投稿者:ひよこちゃん

I.D.氏が何度かこのブログで、「(ちょっと)変わっている」とよく言われる「武蔵野のチラシ」について、このブログで記事を書いていましたが、今日は私たちがチラシ作成にあたって欠かせないパソコンの、「とある」PCソフトについてのお話です。
  
 
数年前に劇作家・演出家の平田オリザ氏のエッセイで「ワープロ談義」についてのお話を読んだことがあります。今から20年近く前に書かれたエッセイだと思います。皆様覚えていらっしゃいますか、ワープロ?もう今ではほとんど使われていないワープロ。20代後半の私はワープロをいじったことがあるギリギリの世代でしょうか。
そのエッセイの中で、平田氏は文字入力に関して「アルファベット入力」派と「カナ入力」派に別れていて、(当時の)劇作家たちの間でホットな話題であると書いていらっしゃいます。この派閥争い?も時代を感じますが、今でも60歳前後の方でたまにいらっしゃいますよね「カナ入力」派。私は頼まれても「カナ入力」などできません。本当にできません。現在のパソコンユーザーの大半はこの「アルファベット入力」派だと考えられます(特に統計を取ったことはないのですが)。


20年前にホットであった派閥争いが「アルファベット入力」派の圧倒的勝利で終わった今、パソコン入力の世界にもはや闘争は存在しないのでしょうか?さあ、ここからが本題です。我々は先日、閉館間際の武蔵野市民文化会館1階事務所でひとしきり盛り上がりました。私とI.D.氏は帰り道でもひとしきり盛り上がりました。2013年を生きる我々武蔵野チラシ作成者の間に確かに存在する、新たなる闘争についてお話ししましょう。


さて、我々が何を使ってチラシを作成しているかおさらいしますと、そう、Microsoft Office Word、通称「ワード」です。闘争の種はココに埋められているのです。
ワードというのは文書作成ソフトです。普通は白紙の画面にべたーっと文字を打ち込んでいきます。例えば下の画像(クリックで拡大)のような感じです。これを「ベタ打ち」と呼ぶことにしましょう。



でもそれ以外にも入力方法がございます。
ベタ打ちのように全体に文字を入力するのではなく、例えば一部の限られた場所にだけ文字を入力したい場合には「テキストボックス」というツールを利用します。こんな感じです↓



テキストボックスの利点は位置など微調整が利きやすいことです。思う場所に自由に配置できます。欠点はその分、手間がかかります。ベタ打ちと違い、全てのボックスの位置を手作業で決めなくてはいけません。微妙な位置調整やレイアウト調整をしていたら、あっという間に30分や1時間経っています。あな、恐ろしや。
ここで働き始めて、このようなチラシを作り始めるまでは、正直な話、テキストボックスの存在さえ知りませんでしたが、いやはや今では日々の暮らしに欠かせぬ何かになってしまいました。こんなにもテキストボックスを使い倒している人間は、世界中見渡してもまれのような気がします。日本人はエクセルの使い方がガラパゴスだという話を、先日ネットで見ましたが、私のテキストボックスの使い方も、それはそれはガラパゴスでしょう。


I.D.氏やヤマネ氏は対照的に「極力ベタ打ち」派。彼らとしては全部テキストボックスは手間がかかりすぎると感じるようで、可能な限りベタ打ちで頑張りたいとのこと。とはいえ、彼らも全てがベタ打ちとは行かず、公演日時などを記載する部分や、細かく位置・角度などを調整したい時はもちろんテキストボックスを利用します。ときどき困るのは、彼らが休みの時に急ぎで彼らの原稿に手を入れなくてはならない時です。彼らが私の原稿をいじる時もそうだと思いますが、「え、一体コレどうなってるの?!」と一瞬ですが慌てるのです。1つ深呼吸を入れて、じっくり見るとすぐに分かるので、無論大きな問題ではありません。

アンドレアス・ショル、来日

投稿者:ヤマネ

今朝6時過ぎ、アンドレアス・ショルは無事に成田空港に到着、来日を果たしました。


カンタス航空。オーストラリアからの来日であります。オーストラリアン・チェンバー・オーケストラとの演奏会を6回行ってからの、来日であります。時差がほとんどない(実際はオーストラリアの方が日本より1時間進んでいます)ので、公演前日の来日でもOK!だそうです。オーストラリアの直前にはソウルでも何回か公演があったとか。そして明日の公演が終わりますと、翌朝早くに離日、ドイツへ。お忙しいのであります。


それにしても、2年半前にお会いした時も「でかい」と思いましたが、今朝もお会いしまして、またしても「でかいな」と思ってしまいました。身長なら180cmは軽くあります。そして分厚いんですよ。身体が。


ラルフ・ローレンのお店とかに、やたらめったら胸板の厚い人形が置いてありますね。いやいや、こんな胸板厚い人はいないでしょう、とかつて高校生ぐらいの私は思っていましたが、いるんですよ。強烈に胸板の厚い人が。


歌手は身体が楽器なのです。身体全体を共鳴させて歌うのですから、楽器が分厚いと、いい声が出ます。それがたとえカウンターテノールという、裏声で歌う特殊な楽器であっても(もちろん、ただ分厚いだけではダメですが)。


ご存じとは思いますが念のため、カウンターテノール歌手が普段からああいう声で喋っているわけでは全くありません。ショル氏の普段の声は・・・ほれぼれするほど素晴らしく響くバリトンです!本人がその気になればバリトン歌手としても、もしかすると素晴らしい評判を得られる・・・・かもしれません。


公演の全曲は当事業団のウェブサイトに掲載しております。チケットをお持ちの皆様は、どうぞお楽しみに。


  
  

デヴィ夫人、『魔笛』を応援する

投稿者:I.D

デヴィ夫人が、10月17日に武蔵野公演も行われるプラハ国立歌劇場の歌劇『魔笛』のPR大使に就任いたしました!

 

…なにしろデヴィ夫人です。元大統領夫人であります。私は存じ上げないのですが、おそらくオペラにも造詣が深い方なのだと思われます!

 

デヴィ夫人はもうすでに各メディアでプラハの『魔笛』の魅力を大いに伝えていただいているのですが、直近の出演情報は次の通りです。

 

・番組名  「PON!」(日本テレビ)

 放映日時:10月8日(火) 10:25~11:25

 

・番組名  「ヒルナンデス!」(日本テレビ)

 放映日時:10月8日(火) 11:55~13:55

 

・番組名  「飛べ!サルバドール」(文化放送 ※関東圏のみ)

 放映日時:10月8日(火) 16:00~17:00

 

・番組名  「徹子の部屋」(テレビ朝日)

 放映日時:10月10日(木) 13:20~13:55

 

すいません、「PON!」はブログのアップの時間には終わってしまっていますね。録画した方が是非ご覧になってください。注目はなんといっても「徹子の部屋」ですね。デヴィ夫人と徹子の普通のトークだけでも充分楽しめる上に、『魔笛』のことをお二人がどんな風に語り合うのか…、見逃せません!

 

『魔笛』の武蔵野公演は残券14枚。完売間近です。ご希望の方はお急ぎください!

 

10/17 プラハ国立歌劇場『魔笛』

http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/04/post-186.html

 

 

鍵盤弾き、旅ガラス

投稿者:ヤマネ

「棒振り旅がらす」という本がありました。


故・岩城宏之氏(指揮者)の本です。音楽家は旅をする、とかいう内容の本です。大学生の頃、読んでワクワクしたのを憶えておりますが、音楽家とは旅する生き物であるなあという事を、このたび再確認いたしました。


ホセ・ガジャルド。昨晩演奏したピアニストであります。弱音が美しかったですね。そのガジャルド氏のでありますが、なにがすごいのかって、荷物がすごかったのであります。上の画像を御覧ください。成田空港にお迎えに行った際に驚いたのですが、スーツケース以外に彼が持っていたのは、このビニール製の袋。全部これ、楽譜なのであります。


持ちましょうかと言えば、いいよいいよいいからいいから、と自分でお持ちになります。


ですが、よっこらしょ!と持ち上げるお姿、はっきり言って、かなり重そうです。6~7キロぐらいは軽くあるのではないでしょうか。これだけの楽譜をもって歩く、という演奏家は私もほとんど初めて見ました。聞いてみれば、「六週間、演奏旅行に出ている、その間に使う楽譜だよ。」せめて、という事でスーツケースを運ばせて頂きましたが(これまたとても重い)。


六週間はなかなか長いですね。しかもよくよく聞けば、ついにそれが終わって今月の20日頃に自宅に戻っても、数日したらすぐにまた演奏旅行に出かけるとのこと。


目が回りますね・・・。武蔵野に来る前は、ドルトムント、ベルリン、ウィーン、ザグレブなどで演奏し、武蔵野の後は、チューリヒ、ロンドン、スコットランドなどで弾くそうです。室内楽が多く、共演者も全然異なるとのこと。実に忙しいことであります。


・・・そういう事なら、これぐらいの楽譜、確かに必要かも知れませんね。


  

冬の風物詩

投稿者:ひよこちゃん

最近早くも寒くなってきました。いや、これについては異論もあろうかと思いますが、私はどちらかというと、身体の肉付きが少ない方なので、気温の数値としては少しだけでも、体感としてはえらく寒くなったように感じちゃうタチなのです。もう秋、というか冬の気配です。イヤですね。私ひよこちゃん、夏は大嫌いですが、冬も負けず劣らず嫌いです。年々、春と秋が短くなっているような気がします。悲しいことです。
さて、冬と言うと、皆様なにを思い浮かべるでしょうか。みかんでしょうか、おしるこでしょうか、おせちでしょうか。文化・芸術に携わる者として、食べ物しか思いつかないのは、我ながらいかがなものでしょうか。


冗談はさておき、歌舞伎や講談などでは、冬になると「忠臣蔵」が頻繁に上演されますね。忠臣蔵は、日本の冬の風物詩の1つと言えるでしょうね。"日本的な冬の風物詩"と言えば、冬に落語会に行くとあちこちで聴くことができる噺である「芝浜」が挙げられると思います。数ある人情噺の中でも最もポピュラーなものの1つでしょう。
本日午前10:00から、来年1月12日(日)の「≪初笑い≫武蔵野寄席」を発売しますが、ここでトリを務める春風亭小柳枝師匠が「芝浜」を口演します。武蔵野寄席で「芝浜」がかかるのは初めてのことです。
「芝浜」はよく演じられる噺ということもあり、CDなどで録音もかなり残っておりますし、名演と呼ばれるものもたくさんありますね。有名なところだと3代目・桂三木助師匠のものでしょうか。芝の浜の情景などを丁寧に描きだし、物語により立体感を出しています。最近だと2年前に亡くなった立川談志師匠のものが有名ですよね。(あとひと月ほどで三回忌ですか、早いですね。)


人情噺ですが、前半~中盤あたりは笑いどころも多い噺です(旦那が"夢"から目覚めたあとの部分や、大金を拾ってどんちゃん騒ぎの部分、などなど)。
寄席には欠かせない古典落語の名手となった、春風亭小柳枝師匠がこの噺をどう料理し、お客様に笑いと涙をお届けするか、ぜひ新年の初笑いを武蔵野寄席でお楽しみ下さい!


そして、この度は「芝浜」をもう1本。創設380年目を迎える江戸糸あやつり人形・結城座がこの「芝浜」を原作に、『芝浜の革財布』という作品を上演します。初演を拝見しましたが、原作の古典落語にかなり忠実ですが、かといって落語を知らない人でも(それこそお子様でも)楽しめるようなシンプルで質の高い内容に仕上がっています。こちらの方もぜひ併せてご覧いただければと思います。両方ご覧いただければ、「芝浜」の世界を2倍・3倍とお楽しみいただけること請け合いです!


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