スタッフブログ:2014年06月

音楽業界の現場で使われる英語シリーズ【1】『アンコール』

投稿者:ヤマネ


アンコール、という単語は音楽界に欠かせません。プログラムが終わった後に一曲、もしくは数曲演奏する。それがアンコール。あるいはオペラでアリアを歌った後に大喝采が止まないから同じアリアをもう一回歌う、それがアンコール。


私事で恐縮ですが、生まれて初めて行った(連れられていった)コンサートは、記憶が確かなら辻久子(ヴァイオリニスト)の公演でした。私はそのとき何歳だったか。記憶にないですが6~7才でしょう。京都会館第一ホールだったのではないか。そして演奏されたのは多分ヴィヴァルディの「四季」じゃなかったかと思うのですが、それはもう本当に素晴らしい演奏会で、私は感涙にむせび泣いたのでした。


すいませんウソです。私の記憶によると、退屈で退屈で往生しました。演奏がどうこうではなくて、単純にちっとも理解出来なかったのですね。まだ終わらないか、まだ終わらないか。終わったようなのに終わらない、イライラ!(多分楽章が終わっただけだったのでしょう)。


あまりに退屈だったので椅子をぎったんばったんやって、母親にこっぴどく叱られた覚えがあります。ああやっと終わった拍手が始まった、と思ったら今度は辻さんが出たり入ったりする。これは一体何事か。終わって舞台から引っ込んだらそれでオシマイでは無いのか。あげく、アンコールが始まった(また演奏が始まった)ので愕然とした ― 絶 望 ― という禍々しい記憶なのです。振り返ってみれば、辻さんや回りのお客様に申し訳ないことをしたなと反省しきりです。


そういうわけでアンコール/encoreのお勉強です。英語ネイティブが発音すると「アンコア」と聞こえます。私もそれに倣って英語で尋ねるときはアンコア教えてちょう、と聞きます。アンコールと言っても絶対に通じませんので要注意。


ではなぜ日本では「アンコール」というのか?答えは、語源がフランス語だから、だそうです。なるほど!!でもフランス語でちゃんと発音すると"アンコー"とか、せいぜい"アンコーフ"ぐらいにしか聞こえませんし、そもそもあちらではこういう時にはアンコーと言わずbis(ビス)というので、やっぱりお気をつけ下さい。


なおイタリアでもビス/bis、ドイツではツーガーベ/Zugabeと言います。ドイツ強そう。


■オペラのビスの例:
ペルーの大スター!フアン・ディエゴ・フローレスが歌う『連隊の娘』のアリア「友よ、なんと楽しい日」。ハイCと呼ばれる超絶高音が9回出てくるアリアを、お客様の求めに応えて二回歌います。つまり・・・ハイC18連発!!

一回歌い終わり、お客さんが大沸騰する中に混じってブーイングのようなものが聞こえますが、これはビーーーーース!!!と叫んでいるのです。

  
  

弦が切れたときの正しい対応方法 ハープ編

投稿者:ヤマネ


昨日の公演は、エマニュエル・セイソンのハープ・リサイタルでした。若手期待のハーピストと言う事ももちろんありますが、ハープのリサイタルというのはなかなか当事業団ではない公演でしたので、チケットもほぼ即日で完売。ご出席率も非常に高く、小ホールは熱気に包まれました。


男性ハープ奏者のダイナミックな演奏をお楽しみ頂けたようで、終演後は、とてもよかったというお声をたくさんいただきました。ご来場有難うございました。


ところで昨日は公演中にちょっとしたハプニングがありました。ハープの弦が切れました。演奏中ではなくチューニングをしている最中でしたが、ご本人も慣れたもので、全く動揺すること無く、アレまあ、という感じですぐに袖に引っ込み、新しい弦を持って来て張り替えられました。


いつもやっておられるからでしょう、あれよあれよという間に終わった、流れるような一連の張り替え行程を間近に見られて、なかなか興味深いものがありました。おー、こうやって張り替えるのかなるほどなるほど、わかるわかる。と思いながら見ておりましたが、個人的には最後にニッパーのようなもので余った弦をパチンと切った所に、わけもなくぐっと来ました。


何よりもご本人の冷静な対応に感銘を受けましたが、なかなか見られない現場を目撃でき、お客様も色々な意味でご満足頂けたのではないでしょうか。昨晩はNHKのテレビ収録がありましたが、もちろん張り替えのシーンは放映されないでしょうから、ご来場いただいたお客様だけが目撃者なのです。


■ハープの弦の張り替え方は以下のページで。動画もあります(銀座十字屋のサイト)
http://www.ginzajujiya.com/jiten/strings2.html


  

  
  

シューベルトのザ・グレイトの数字問題

投稿者:ヤマネ


今夜演奏されますシューベルトのザ・グレイトという交響曲はやっかいです。何がやっかいかって、数字がおかしいんです。9番と呼んだり、8番とか、7番とか、そういう呼び方もするからです。


なぜか。音楽学者の方達が、完成している交響曲の中では何番だ、とか、未完のものも含めると何番だ、いや、演奏できる交響曲の中で何番だ、と、新しい意見を出したりしたためで、こう言ってはナニですが、我々としましてはなかなか混乱する話であります。


先日、お客様よりお問い合わせを頂きました。「グレイトは8番なのか、9番なのか。グレイトって8番と言っているところもあるけどあなたたちのチラシには9番って書いてあるわよ。8番って言うと未完成っていう作品じゃ無いのですか、どっちが正しいの?」というわけで15分ぐらいご説明を差し上げましたが結局お客様はハテナマークのまま。ご理解頂けず終わってしまったのは私の不徳の致すところです。えっ、えっ、7番って何よ!どういうこと!?・・・えーとえーと・・・すいません。


・・・・ご存じでしょうか。欧州では、番号よりも調号の方を優先的に考えるようです。ザ・グレイトなら「シューベルトのハ長調交響曲、大きい方」という風に言ったりします(シューベルトのハ長調の交響曲は2曲あるから)し、ベートーヴェンの「運命」は「ベートーヴェンのハ短調交響曲」Beethoven's c minor symphonyなどというのです。これなら多分混乱しません。・・・いや、やっぱ混乱するか・・・。


今度試しにご友人に「きみきみ、あのさあ、ショパンの変ロ短調のソナタの事なんだけど・・・」などと言ってみて下さい。何だかわかりませんが、ちょっとだけ自分が賢くなったんではないか、そんな錯覚を楽しめますよっ!(あくまでも錯覚)

  
  

来週火曜日開催ハンガリー国立フィルと、フカヒレスープ

投稿者:ヤマネ


子供の頃「今日は食べに行こうか」と言われると心が弾んだものでした(今でもそうですが)。


ちょっと気取ったレストランでも、あるいはそれがたとえ近所の中華料理屋であったとしても、外食というのは特別な感じがしたものです。たまにはちょっと高めの、凝った料理を食べたりなんかして。(皆様も子供の頃の、いや今でももちろん結構ですが、通われたレストランの事を想起してみてください)。


当事業団で開催する公演も、皆様の御用達レストランのように捉えていただけると嬉しいと思っております。ちょっと外でコンサートでも聴こうかな・・・。そうだ、文化会館へ。


公演の場合は、チケットを買わなければなりませんから、思いついたら今夜行く、というわけには行きませんが、ちょっとした外出から、背伸びをした外出まで、幅広くカバーしたい。


だからこそ、1000円で聞ける公演があったり、先日のキーシンのような1万円を超す公演があったりと、幅があります。もちろん、チケットが安ければいい、とか、高い方が、とかそういうわけでは無く、それぞれに良さがありますから、先入観にとらわれることなく、色々と聴いて頂きたいなと思います。


来週の火曜日に予定されているハンガリー国立フィルの演奏会は、ちょっと頑張って(背伸びをして)でも聴いていただきたい本格派な公演です。指揮者であり、この公演でピアノも演奏するゾルタン・コチシュは、クラシック音楽に関わっている人なら必ず知っているハンガリーを代表する名手の一人です。


コチシュは、乱暴な例えですが、サッカー選手ならナショナルチームのキャプテンの様な存在でしょうか。高い実力、名声を持った素晴らしい音楽家、司令塔なのです。「ハンガリー音楽界の」ロッベン、いや、ファンペルシーなのであります!!バーン!!(←二人の差がいまいちよくわかっていません)


そのコチシュが"オーケストラのナショナルチーム"とでも言える、ハンガリー国立フィルを率いて武蔵野にやって来ます。『是非シューベルトの交響曲「グレイト」を演奏したい』とコチシュ本人からのたっての希望で実現する、たった一回だけの武蔵野特別プログラムでの公演です。


グレイトという曲は、また例えになりますが、フカヒレスープのように、複雑な香りが口にパアアアアアーっと溢れる実に見事な作品、シューベルトの才能の集大成なのです(シューベルトの書いた最高の交響曲です)。そんな作品を、自ら是非にと希望して演奏するのですから、コチシュも、オーケストラにも力が入る事は間違いない。つまり、素晴らしい公演になる確率が高いのであります!!


そう、フカヒレに例えるわけですから、チケット料金はちょっとお高く、6,300円(友の会料金)します。しかし時には「ちょっと背伸びをして」聴いて頂きたい、と思います。たまには、チャーハンや天津飯ではなくフカヒレも食べてみたいっ!!・・・きっとご満足いただけると確信しております。


近所のレストランでも時にはちょっと高価な料理を。コンサートでも、時には背伸びを。


■6月24日(来週の火曜日)開催!ハンガリー国立フィル公演詳細:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/01/hangari-kokuritu.html
チケットは、まだ若干残りがございます


インターネット予約は: 上記URLをクリック!
電話予約は: 0422-54-8822


  

公演の決まり方:サラ・マリア・ズン(ソプラノ)の場合 2/2

投稿者:ヤマネ


前回の続きです。前半はこちらからお読み下さい


しかしこのズンさん(いやしかし変わった名前ですね!ズンSunとは。)は、現代音楽を得意としておられる方だったので、躊躇しました。ご承知のとおり、現代音楽の演奏会は、多くのお客さんに来ていただくことが非常に難しいのです。


ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、そういう作曲家の作品ならある程度のお客様を見込めますが、現代と呼ばれる作曲家の作品は、どんなに自分たちが「ギョエー、面白いようですよこれは!」と思っても、あ、カーター(←現代音楽作曲家の名前)ね・・・ポイッ(ちらしを捨てた音)。リゲティ・・・・ははぁ、ポイッ。サーリアホ・・・ポイッ。シュライエルマッハー・・・ビリビリッ。以上。終了。


少なくとも私はデュシャンの便器を見て感動はしませんがね。


おっと話がずれました。ともかく、現代音楽の公演は、なかなかお客様に来て頂けません。なので、私も消極的だったわけです。


でも「メシアンのハラウィが出来ると言っているけど、それでも無理ですか」と再度提案され、なるほど・・・と心が動きました。


メシアン作品は、専門家と一部のコアなファンだけではなく、より広範な方々に関心を持って頂ける可能性のある数少ない作曲家だ、と私は思っておりますが、それでもやはり、一般的には人気がない。武蔵野ではかつて、メシアンのオルガン曲全曲演奏会をやっておりますが「不協和音ばかり聞かされて参った」「あれが音楽なのか?」という厳しいご意見も聞きました。


しかし、不協和音と言っても一口ではくくれません。メシアンの書いた不協和音は、ため息が出るほど、劇的なまでに美しい。


なので、これはチャンスだな。そう思いました。ハラウィはメシアン自身がすごく気に入っていた作品であり、長さも60分ほどと、メシアンにしては手頃なサイズです。そうだ、京都、行こう、じゃないですけど、そうだ、トーク、付けよう。「どうでしょう?」と皆に尋ね、面白そうだ、となったので「決まり」となりました。


いきなりハラウィだけやったところで「わけ判らんかったであんちゃん。おっちゃん困ってもうたわ。」と言われる危険もあります。曲目の解説を事前に聞いていただくことで、初めての方にはメシアンの音楽という豊穣への扉をバシーン!と開いて頂きたい、メシアン大好きという方にはその理解をいっそう深めて頂きたい、と思いました。


トークの了解も得て、公演が成立することとなりました。この公演のピアニストを務められる中川賢一さんとお二人でトークをして下さいます。


心配していた券売も好調で、発売から10日でチケットは残り54枚(全470枚)と、「全然売れないのでは」という危惧は吹き飛びました。皆様のご予約と好奇心に感謝いたします。公演が楽しみです。


■8月21日(木)「サラ・マリア・ズン ソプラノ・リサイタル」
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/05/post-314.html
公演詳細とチケットのご予約は上記URLからどうぞ
  

公演の決まり方:サラ・マリア・ズン(ソプラノ)の場合 1/2

投稿者:ヤマネ


「公演って、どうやって決まっているんだろう」


そうお考えになったことはありますか。私は、あります。不思議ですよね。不思議でした。


全国、いや、全世界で、コンサートというのは星の数ほど行われています。コンサートを主催する人達がいて、演奏をする人達がいて、そして何より会場に来ていただくお客様がおられてはじめて、コンサートは成立する訳です。そのコンサートは一体、どうやって決まっているのか・・・。


チケットが売れそうだから?その企画が面白そう、ワクワクするものだから?お客様アンケートの結果なのか?あるいは何となく、なのか?有識者が集って会議を繰り返し行い、果てぬガチンコバトル『Q氏とR氏の壮絶なるデッド・ヒート!!』の末に決まるのか?


・・・想像がつくかとは思いますが、どれか一つだけの理由ではなくて、いろいろと複合的に絡み合って決まります。


今日は先日発売開始をした8月24日の公演、サラ・マリア・ズン(ソプラノ)を例にお話してみます。


彼女の場合は、彼女を日本に招聘する会社からの電話がスタートでした。こういう歌手がいて、実は来日が決まっているのだが、なんせシェーンベルクの弦楽四重奏曲第2番(第3、第4楽章だけにソプラノが付くのですよこの曲には!なんと非効率な・・・・、いえ、なんと独創的な曲なのでしょう!!)、一回だけのための来日なので、とてももったいない。せっかく日本に来るのだから、他に公演が出来ないだろかと思って電話しています。というようなスタートでした。


アーティストの情報というのはいろいろなところから回ってきます。


(1)ネットやCD、雑誌など、自分たちで調べた情報
(2)オーケストラから回ってくる情報
(3)他のコンサートホールから回ってくる情報
(4)アーティストによる売り込み。自薦および他薦
(5)国内の音楽事務所から回ってくる情報
(6)国外の音楽事務所から回ってくる情報


こんなものでしょうか。今回の場合はこの(5)すなわち国内の音楽事務所から回ってきた情報です。


自分でもSarah Maria Sunについて調べてみれば、なかなかしっかりとした経歴をお持ちの方でした。ラトルの指揮でベルリン・フィルに出演したり、あるいはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管などと共演歴があり、アーヴィン・アルディッティという著名アーティストからのプッシュもあったので、可能性を感じ始めました。


長くなったので、次回に続きます


■次回まで、メシアンのハラウィ(サラ・マリア・ズンが公演で歌う曲)を聴きながらお待ち下さい。ピアノを弾いているイヴォンヌ・ロリオはメシアンの奥様です。


 


  

外国人アーティストとの正しいお話の仕方

投稿者:ヤマネ


外国人アーティスト、というとちょっと構えてしまう、という方も居られるかも知れません。「すごい人が目の私の目の前に」とか思うと、舞い上がってしまって、いやはや、何をしゃべってよいのやら、さっぱり判らぬ、キャッキャッキャー!という状況に立ち及んでしまわれる事があるでしょうか。実際、見ていてこちらが気の毒になってしまうほど緊張される方もおられます。


しかし、アーティストも人の子であります。神様のような腕前を持っていても、神様ではありません。ですので、ごく普通に接するのが一番良いです。ものすごい尊敬の念で見たりとか、恐ろしく気を遣ったり、とか、そちらの方がとかえって重たく感じられるかも知れません。


・・・たしかにアーティストには様々な伝説がまとわりついている事があります。ロックスタ-が夜中にホテルで暴れて部屋をぶっ壊したとか、止めに入った人たちを投げ飛ばしたとか、冷蔵庫を放り投げたとか、そういう類いの話です(関係者一同平謝り)。私の関わっているクラシック音楽業界でも、そこまで凄い話は聴いたことがありませんが、まあたまにあります。


早朝5時に電話してきて、今すぐマクドナルドのハンバーガーが食べたい、持ってこなければ今夜の演奏会はキャンセル、と言った人がいるとか(まだマクドナルドが24時間化する前の話)、飛行機のタラップを下りたらそこまで車で迎えに来て私は一歩もそこから動かない、と言った人がいるとかいないとか。まあそういう伝説を持つ人はゼロではありません。


が、そこまで難しい人は限りなくゼロ、ほとんどいないのが現実です。基本は普通にお話しするのがよいです。おしゃべり好きだと判ったら、会話の中で軽くぼけたり突っ込んだりするとなおよいです。何でもフランクに、それが上手な会話のやり方です。


ただし、あまりしつこいのはNGです。しつこい方の好感度は低いと思います。お気をつけ下さい。「腹八分」という言葉があります。もうちょっといいかな?と思うぐらいで引く、それが良いのでは無いかと存じます。


以上、何の役に立つのかイマイチよくわからない情報でしたが、今後のご参考になさって下さい。

  
 


  

日本人の手足はやはり短いのか。

投稿者:ヤマネ


日本人は手足が短い。手足が短い。


二度、いや都合三度も書いて申し訳ありません。しかし、欧米人と比べ、私達はどうやら手足が短いようなのです。自分たちを貶めたいわけではなく、事実を淡々と書いております。しかしなぜ、こんな事を書くか。


写真をご覧ください。これは先日のウィーン室内管の、公演前の舞台上の状況を実況しているものなのですが、よくよくご覧いただくと・・・二段重ねになっている椅子が、、ある。


これは、日本用に作られた椅子では低すぎる、という事をさりげなく、だが決然と主張している写真なのである。次回、来日オーケストラの公演に行かれたら、舞台をよくご覧頂きたい。二段重ねの椅子がいくつもあることに気づかれるだろうから。


あるいは、ピアノ・リサイタルで背の高い人が出てきたら足元を御覧いただきたい(例えばイーヴォ・ポゴレリチとか)。窮屈そうに足が鍵盤の下に収められているから。このような現象は、日本人ではまず起こり得ないのであります。


ハハハそんな事言うけど、欧米の人だってちっさい人いますやん、マラドーナとか(マラドーナさんすいません)、ダニー・デヴィートとか(ダニー・デヴィートさんごめんなさい)。


と、思われるでしょう?それがそう簡単でもないのですよ。


私の人生での経験ですが(1)ベルギーのアントワープでスーツを買ったことがあるのですが、試着をした時に、お店のお兄さんが真っ赤な顔をして一生懸命やってくれたこと。それは・・・・パンツの猛烈なる裾上げでした。


足元を見ておっ、おっ、これは・・・と絶句しているので、短いっすよねアジア人なんで・・・すません・・。と言ったら少しバツの悪そうな顔をされたのが忘れられません。


(2)ミラノで既成品のワイシャツを買ったのですが、着てみてびっくり、袖がダルダルっとたるんでいらっしゃる。実に長いのです。首周りそのほかはぴったりでしたので、やはり私の手の方が短いのだと結論付けざるをえない。


なお、そのシャツについては、吉祥寺のAというお店に行き、丈を詰めてもらったのですが、そうしたら今度は、何たることか、短くなりすぎました。・・・人生とはそういうものなのです。


■ポゴレリチのショパン・コンクール(1980年)のYouTubeを御覧ください。
ショパンのバラード第2番。まさに「化け物だ!」と叫びたくなる強烈な演奏ですが、足元の窮屈さにもご注目。足長っ!!(特にひざ下)

  

グランドピアノからフタが外れるとき

投稿者:ヤマネ


グランドピアノには蓋があります。あれは何のためにあるのかご存じですか。正解は、雨が降っても大丈夫な様に、です。


ウソですから信じないで下さい。フタは斜めに、客席の方向にパカッと開きますから、それによって、音が客席の方向にうまく飛んでいくようになっているのですね。しかし、今夜のウィーン室内管弦楽団(完売)の公演では、ピアノが変わった方角を向いております。普段とは90度違う向きをしておりまして、客席に鍵盤が見えるように配置されております。しかも、フタも外されている。


これはなぜか。ピアニストが指揮者も兼業でやるからなのです。これを専門用語で「弾き振り」と言います。そのままで申し訳ありません。こういう向きにすると、オーケストラ全体が見渡せるので、指揮がしやすいですね。自分でやったことがないので本当のところは判りませんが、多分そうです。


その代わり、フタにとっては災難です。フタをこの向きで開けますと舞台の上手(客席から見て右)の方向に音が飛んで言ってしまう上に、指揮者&ピアニストから死角が生じ、うまく指揮できないのですね。おやまあ。


じゃあどうするのかというと、フタなんか取っ払っちまえ面倒くせえ、という江戸っ子になるわけです。こうすることで、ある程度の音量を確保しつつ、指揮もピアノ演奏もしやすいという状態が発生するのです。フタを取る作業はいささか難解でして、スッとずらして抜く、以上です。・・・あ、抜けた。拍子抜けするほど簡単だ。


ごく稀に、変わった向きを指定するピアニストもいますが(私が見た事があるのは、オッリ・ムストネンというピアニストがNHK交響楽団を相手に弾き振りをした時で、少し角度がついていて70度ぐらいでした)、基本的にはこの向きです。


今夜の演奏をご堪能頂けましたら、今月はもう一度、このスタイルを見る機会があります。6月24日(火)ゾルタン・コチシュ指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の公演です。この日はハンガリーの生んだ偉大な天才コチシュが弾き振りをします。


なんと言う奇蹟かチケットが若干余っておりますので、気になると言う方は是非お越し下さい。


6/24ハンガリー国立フィルの公演詳細とチケットは以下のアドレスから:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/01/hangari-kokuritu.html


  

■実際に弾き振りをしているyoutubeを。我らが内田光子の弾き振り!!


  

外国人女性は、日本の化粧品が好きなのか

投稿者:ヤマネ


一昨日のローザ・フェオーラは素晴らしい可能性を感じるソプラノ歌手でした。力強い声を持っており、高い音まで楽々と出ていましたし、なかなか見事でした。これから一流歌劇場でさらにじわじわと出てくるかも知れませんね。


もちろん、出てこない、かも知れません。キャリアを築くというのは極めて難しい事で、本当に一握りの人だけしかピラミッドの頂点を極められません。マー君とハンケッチ・プリンスの例を持ち出すまでもなく、才能、努力、運など、全てがうまく噛み合って初めて、スターになれるのです。残酷ですが、それがつらい現実です。


さて、ここより後の話は、昨日のフェオーラとは関係がありませんのでお間違えの無いよう。


私は男ですから、化粧品の事は全然判りません。幸か不幸か、私の妻もあまり化粧をしないので、ますます判りません。妻は化粧をしなくても十分に美しいのです。あ、歯が浮きました。ガコガコッ。


外国人の、特に女性のアーティストと会話をしていて出てくるキーワードの一つが「日本の化粧品」です。そう、皆さんはお気づきかどうか判りませんが、日本の化粧品は海外でかなりというか、めちゃくちゃに評判が高い。・・・え、化粧品ってシャネルとかサン=ローランとかディオールとか、そういうところがいいんじゃ無いの?


チッチッチ。日本の化粧品のクオリティをなめてはいけません。日本に来たついでに買って帰りたい、ジャパニーズ・コスメを!と思う方は結構おられるのです。日本とは気候や肌が異なるので、本当にいいのかな、とチラッとだけ思うのですが、難しい事は考えないようにしております。


若い女性アーティストの、そうですね、3人に1人ぐらいが日本の化粧品最高!シセイドー最高!などと言って下さいます。つい先日も、シセイドーとかカネボーとかを買って帰るからどこに行けばいいのか教えて下さいやがれませ。と尋ねてきた女性歌手がいました。


私は嬉しくなってニコニコして、じゃあSK-IIも買わないとね、と言うと顔を暗くして、「オオゥゥウウSK-IIハ、ベリベリ、高イーネ、ムリムリ」と言います。そうなのです。SK-IIは高嶺の花なのです。(厳密にはSK-IIは日本製とは言っても、マックスファクター(アメリカの会社)の製品なのだそうですが。)


これまで私の経験上ただ一人だけ、「SK-IIのフェイスパックをいっぱい買って帰らなきゃ」「ヨーロッパでは1枚10ユーロとかするんだYO.」「良くわからないけど何かしらいっぱいお肌にいい物がジュワッと入っていると思うのYO」と言った欧州人が居ました。素晴らしい!・・・なお、そう熱く語ったのは男性でした。