プロとプロによる、プロプロ対決。トムシッチVS調律師。

 
投稿者:ヤマネ


75歳にしてついに初来日のドゥブラフカ・トムシッチ。素晴らしいピアニストでした。


私が聴いて、招聘する決定打となった演奏は、実はやや古い録音でした。大変失礼ながら、ご年齢を考え「大丈夫かな?」と少し心配しておりました。


そのこともマネージャーに伝えたのですが、それについては全く心配に及ばない、という返事でした。結果的にそんな心配をぶっ飛ばす素晴らしくカキーン!クリーンヒット!でしたし、お客様からも大変なご好評を頂くことができました。演奏をして下さったトムシッチさんと、ご来場下さった満場のお客様に感謝しております。


個人的にはスカルラッティの見事さに心を打たれました。あんな辛口で鋭く、そしてまろやかさもブレンドされたスカルラッティを聴いてしまったらもう何も言うことはありません。


さて・・・ピアノについてトムシッチさんから一点だけ要望がありました。公演日の午前中に練習をしにきた際、おもむろに「下から三番目のF(ファ)の音がくすんでいるから直して欲しいと調律の方に伝えて欲しい」と言われたのです。素晴らしい耳であります。


で、調律の方にそれを伝えるのが少し遅くなってしまったのです。調律が終了した後になってようやく伝えました。「実は下から三番目のFの音がくすんでいるということだったので・・・」とお伝えしたところ、「ああそれならもう気がついて直しました」という何とも力強いお言葉!!私は感動致しました。


ここで終わりだったらハハハよかったねぐらいで終わるのですが。


トムシッチさんは調律後のピアノを触ることはなく、開演直前になってホール入りされたのですが、楽屋に入る直前おもむろに私の方を振り向いて曰く「さっき言い忘れたけどFの下のC(ド)の音もイマイチだったので直して欲しかったんだけど」。ほほお。もう開演15分前ですわ。


目の前に調律の方が居られたので「とおっしゃっていますが・・・」と言いましたら、「それも気がついて既に直してあります」。


・・・・これこそプロフェッショナルと言うものではないでしょうか?


すっかりうれしくなった私は、トムシッチさんと一緒に夕焼けに向かってスキップしました。


武蔵野市民文化会館のコンサートピアノの調律は山石屋洋琴工房という所にお願いしております。当日の調律は代表の岩崎俊(たかし)さんでした。プロであります。
http://www.yamaishiya.co.jp/