スタッフブログ:2016年11月

黒い塊を投げるタメスティ

投稿者:ヤマネ


アントワン・タメスティ、またの名をスーパー・ヴィオリスト。吉祥寺シアターにて、おととい。素晴らしい演奏でした。


吉祥寺シアターは残響が1.1秒で、いわゆるコンサートホールのような長い残響ではありませんが、こういう小さな楽器のソロ・リサイタルなどにはとても向いているように思います。照明も暗めにすれば、とてもいい集中力が発生。


照明に少し変化があって、前半は赤、後半は青の色味がややつけられていましたがあれは本人の希望。前半は黄色がいいかな、と最初は言っていましたが最終的には赤になって落ち着いたというわけ。しまった!なんで赤でなんで青なのか、聞くのを忘れた!バカバカバカ!!自分のバカ!


うむ、自分を責めるなんてまるで新島襄のようだ。偉い人なんだな僕は。


阿呆は脇へやって、演奏中、黒い塊がぶっ飛んでいったのに気づいた方、どれほどおられますでしょうか。リゲティの無伴奏ヴィオラ・ソナタの途中での出来事です。


あの曲の第3楽章は「弱音器つきのプレスティッシモ」というタイトルでして、弱音器という名前のいかついゴムをブリッジのところにぶっ刺して弾くんですが(上の画像みたいなやつ)、それを、次の楽章に入る瞬間に投げ飛ばす!というのがリゲティ大先生の指示なわけです。


それが一昨日もつつがなく実行され、コンコロコロと舞台の上を転がっていったのですが、私たちはどこに転がっていったのか、よく見えなかった(見ていなかったとも言う)。曲が終わり休憩に入り、タメスティ選手が、ソルディノ拾ってきてくれよ、と言うから、オーライ、とドスドス探しに出かけたのですが、照明のあまりついてない黒い舞台ですから、どこにあるのかようわからん。


客席の方へ行ったんじゃないか、と言う人もあり客席の方へ。だがない。勇気を奮い起こしお客様に質問する。・・・・「えーと、ソルディノ見ませんでしたかね?」なんて専門用語を使って、はッ?なんやこいつ、格好つけて専門的なこと言うてるわ、ちゃんちゃらおかしいわ、おまえヴィオラ弾けるんけこのナス野郎、とか恐ろしい返事が返って来ても困りますので、できるだけ平静を装って「あのう・・・そのう・・・黒い塊がこちらの方に飛んで来ませんでしたでしょうか」と恐る恐る問うてみました所、ああそれならあっちの方、舞台のうしろのほうに転がっていきましたよ、と。


ははは、よかった。下手に難しい言葉をつかうとろくなことにならないよね、と密かに快哉を叫びながらようよう我々は回収に成功したのである。


ちなみに、タメスティにあとで聞いたところによると、一度アムステルダムで誤って(身体のバランスが崩れて)うっかり客席に飛ばしてしまった事があったとのこと。お客さんめっちゃびびってたそうです。


人生は、驚きの連続だ。たまにはそういうのがあってもいいかもね。


   

明日、杉並公会堂で、どえりゃー事が。

投稿者:ヤマネ


明日、杉並公会堂でどえりゃー事が起こるらしい!!!という噂がかけめぐっています。全武蔵野文化事業団の事業課職員(全5名)の中で、勢いよくかけめぐっています。


どえりゃーこととは何か。それはですね、よくお聞き下さい。日本を代表するヴァイオリニストの一人である堀米ゆず子さんが・・・・やってしまわれるのですよ。何をって、そりゃあ、ねえ。ほら、全曲を。モーツァルトの。協奏曲の。ヴァイオリンの。


こんな無茶な企画、どこの誰が聞きたいと思うのか?という疑問も当初ありました。実際の所、さすがにチケットは速攻完売というわけにはいきませんでした。だが、じりっじりっ、と追い上げて行き、モーストリー完売。


■公演詳細とチケット御予約は以下から:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2016/05/post-566.html


そう、話がずれますが、当事業団の今年の公演は券売に苦労致しました。特に市外で開催をする公演については。ええ。


ご存知ない方のために申し添えておきますと、当事業団の音楽公演の主戦場であります武蔵野市民文化会館は改修工事中で、今年度1年間、がっつり閉まっているのです。なので、ここ以外の場所で公演をしています。市外にも何回か出て行って公演をしております。小金井、三鷹、あるいは成蹊学園の御関係者各位に深く感謝致します。


そして明日の公演も・・・武蔵野市外での開催なのです。ウルトラマンの聖地、すすす、す、杉並公会堂ッ!!


杉並の御関係者皆様にも深く深く感謝致します。ここの大ホールの座席数は1180席です。武蔵野市民文化会館よりも駅から近いし(荻窪駅徒歩7分)、武蔵野市民文化会館大ホールより音響もずっといい。行ったことがない、という皆さんにもぜひお越し頂きたいと思っています。


ここでチケット持ってないよ、という方のためにお知らせ。なんとあと29枚だけ(午前9時12分現在)、チケットが残っております!オーマイゴッド!何と言うことでしょう!!!そりゃあすごいぜ。さあ、手帳をめくって明日の予定を今すぐチェックだ!空いている?じゃあゲットだ!!ナウだ!


■公演詳細とチケット御予約は以下から:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2016/05/post-566.html


ここで明日の公演について、このブログをお読みの方だけに、裏情報をこっそりとチラ見致します。「明日のカデンツァは全部、堀米さん自作のカデンツァだぜ?」(※)


いまマニアの方の鼻が音を立て"ひくひくっ"、と動いたのが目に見えたようです。ふふ、躊躇しなくていいんだぜ?


※カデンツァ:協奏曲において、独奏者がオーケストラの伴奏全くなしに自身の技を披露する箇所、フリータイム。だいたい楽章の最後の方に位置する場合が多い。いきなりジャジーになったり、フリーダムな音楽が繰り広げられたりすることもごく稀にだがある。


 


 

進め!武蔵野文化事業団君

投稿者:ヤマネ


武蔵野文化事業団には車があります。商用車というやつです。この車、武蔵野文化事業団君です(たった今、名前が付きました。つきたてホカホカ)。はいどうぞ。



ザ・商用車ですよね。そうですよね。わかります。通常この車は武蔵野市民文化会館の地下にひっそりとたたずんでいます。地下駐車場に入るゲートの手前ぐらいが根城なので、目にした方は多いはずですが、この車の事をきちんと認識している方は少ないと思います(改修中の今は、市役所の駐車場が仮住まいです)。


で、この車の主なミッションはなんでしょう。はい、クイズ。カチカチカチカチ・・・ブー!!0点。


お教え致しましょう。この車は主としてチラシを運んでいます。チラシって紙なんですよ。紙って、重いんです。めちゃめちゃ重い。その重たい紙を、うおりゃーっと我々が積み込んでは運び出し、積み込んでは運び出し、という事をしています。


普段は武蔵野市内でしか走っておらず、市外に出ることは滅多にありません。もし見かけたら、あ!!いた!!急いで頭の中で願い事を3つ、車が消え去る前に唱えることが出来れば、もしかしたらあなたの願いがかなうかもしれませんよ(かなわなかったからと言ってうちに怒鳴り込まないでNE!)。


車体が深く沈み込んでいたら、チラシ運搬中なんだな・・・クスッ。って微笑んであげて下さい。車体が沈んでいなかったら・・・・運搬終わったんだね(運搬していないんだね)・・・クスッ。って微笑んであげて下さい。手なんか振って頂いたら、喜んでクラクションをパアアアアン、ってやりますよ(迷惑な運転手だ)。


商用車はたまに人も運びます。あんな指揮者や、こんな大歌手もホテルからホールまでお連れしました(近距離限定です)。えっへん。グラツィエ!ノルマ!!・・・・ちなみに諸般の事情あり、急遽羽田空港にアーティストのお迎えに行ったこともあるんだぜえ?


さすがにそのときは気が引けて、こんな車で申し訳ありません、と言ったところ、いいって事よ、という感じのお返事を頂きましたので少しだけ安心いたしました。少しだけ。でもってその羽田からの戻り、大渋滞に巻き込まれ猛烈に時間がかかっちゃったことはあの子にはナイショだぜぇ?


しょうがないから高速を出て、オペラシティの駐車場に入れて、アーティストと大戸屋でご飯を食べて休憩しました。オペラシティって、入り口は小さいですが地下に特大の駐車場があるんですよ。べんりー(※迷子注意)。オペラシティ駐車場も知っている武蔵野文化事業団君は、なかなかのやり手だねっ!!


武蔵野文化事業団には実はもう一台、車がありますが、それはもっとレアキャラなので、今ここで触れることはいたしますまい。


 

イスラエル・ゴラーニ、あるいはバロックギターという楽器への誘惑

投稿者:ヤマネ


先週開催しましたイスラエル・ゴラーニ バロックギター・リサイタルについて。


イスラエル人のイスラエル、変わったファーストネームだな、と思いましたが、昨今の日本のキラキラネームからしますと、さして変わった名前ではないのかもしれませんね。


以前、あるイスラエル人歌手と話をしていましたところ、イスラエルでも、リンゴとかイチゴとかそういう意味の風変わりな名前を子どもに付ける親が増えている、という話を伺いました。ちなみに私はラヘルという名前で、聖書にも出てくるとても古典的な名前よ。と言っていました。


いきなりですがクイズ:ラヘルというファーストネームを持つ歌手が武蔵野市民文化会館に出演したのはいつか。またそのフルネームを答えなさい(5点)。なお、スマホ等での検索についてはこれを禁止とする。


ゴラーニ、遠目からみますと、何かに似ている・・・。そうだ、セサミストリートの・・・エルモかな?カーミットかな?(赤いやつ、緑のやつ。キャラクターに例えるなんて失礼な事をしてすいません)。


しかしバロックギターという楽器をご存知の方はどれほどおられましたでしょうか。超マイナーな楽器です。ゴラーニの持って来たギターは後ろが丸く膨らんでいて、リュートのようにも見える形状。


ギターのリサイタルも少ないですが、バロックギターのコンサートはなお少ない。ギターに詳しい専門家に聞きましても「ほとんどない」との事でしたから、そういう意味でも貴重で、興味深い公演でした。招聘をしたのはムジカテミスという会社。


この楽器は、サイズ、音量から言っても、親密な空間という意味でも、スイングホールという場所によくマッチしていました。プログラム的にも、楽器的にも、本人が書いたプログラムノート的にも、いろいろな意味で知的好奇心を満たす公演だったことはまちがいありません。


しかも最後にご本人から「ステージに楽譜と楽器を置くから自由に見てってね」というお言葉に皆一気に興奮。写真を撮りまくりの素晴らしい満足度。みんな額に汗かき顔を朱くボッと染めつつ、喜色満面、帰途につかれたのに違いないのである。


知的好奇心が、人間を成長させるのである。好奇心万歳!!バロックギター万歳!エルモ万歳!!
 

  
  
  
  

アウトリーチ万歳、イオニーツァ万歳、薗田奈緒子万歳

投稿者:ヤマネ


最近このブログが更新されないようだ。どうしたのか。怠慢ではないか。やる気があるのか。と、全国の皆様からお叱りの言葉を多数頂戴しております(だいたい2件くらい。多めに見積もって3件ぐらい)。膨大な数の皆様にご期待いただき、心の底から震えるほど感謝しております。有難うございます。


最後の更新は7月ではないか。ヴァルダイ以降、他にもチェリストが来て、帰って行ったよね。そう、ソルタニも、すごかった。アンドレイも、凄かった。


私たちは肝を冷やしました。アンドレイ氏のスイングホールでの公演はスイング公演史上最高の拍手が出ていたと思います(当社比)。あれは、うまい。


浜離宮朝日ホールでイオニーツァの公演を聴いたという、ある都内のオーケストラマネージャーに、サンとか鳥居とかそういう名前のホール脇のキャフェーで、マレイとかペライアとかそういう名前の人のコンサートの時にばったり会いましたのでお話していたのですが、ビールやワインやウィスキーを飲みながら、いや、あれはうまかったネ、ぜひやりたいネ、ととぐろをまいて・・・いや、力説していました。


しかも、ピアノの薗田さんがまたよかったので、さらにとぐろを・・・いや、テンションが上がって盛り上がった午後9時52分でした。


さあさあ、ここからが薗田さんの話になります。薗田さんは私こと不詳ヤマネ選手の、大学の後輩ということになります。私は薗田さんの存在を知らなかったのですが、ご本人よりの申し出により私の事を知ってくれていた、という事が公演の何日か前に発覚致しました。


ってそんな些末なことはよろしくて、彼女がですね、イオニーツァ選手と、武蔵野市内の小学校に出張コンサートに出かけてきてくれたのですが、そこで彼女のトークが、非常に炸裂しまして、これは面白い、学校公演というのはこういう風にやるもんだな、と、私たちは痛く感動したのである。


超アップテンポで、コロコロと話題が変わり、しかもためになる話題が山盛りで(スピッカート奏法とか知ったところでためになるかどうかは判りませんが)、4年生児童の心は釘付け。薗田節ぶっしゃー!って出てましてな、これは負けたなと思ったですよ。


こうなるともう児童もいけいけですわ。質疑応答コーナーで「二人が出会ったのはいつですか?」(恋人ちゃうって)、「先生の年を教えて下さい」(これこれ、女性に年をきいちゃいかん)、など、痛快な質問が出ること出ること。


そらあんなうまいことしゃべられたら、関西のおっちゃん、負けたわあ。