スタッフブログ:2017年07月

クリスチャン・ブラックショウ、モーツァルト祭り

投稿者:ヤマネ


先週木曜から日曜まで、モーツァルト弾きとして高い評価をえるクリスチャン・ブラックショウがモーツァルトのピアノソナタ全曲を4日間で演奏。いやー・・・(しばし絶句して)・・・素晴らしい演奏会でした。


モーツァルトのソナタを全て聴くという機会はあまりない。それをリニューアルオープンした武蔵野市民文化会館の小ホールで集中的に聞く、ということで、期待度は非常に高かった訳ですが(自分比)、その期待は見事に裏切られました。いい方に。


うむ、素晴らしいコントロール。美しい音。説得力のあるルバート。モーツァルトはイン・テンポが基本、とか絶対、とかいう人もいますが、ブラックショウの音楽を聴けばそんな観念ぶっ飛びますから。かなり自由に動いているが、いつもふわりと着地するので不愉快になるどころか、めっさ気持ちよかったんでございます。ああ、ああ。サイ。


しかも今回のスケジュールはあり得ないぐらい強行軍で、先々週上海で、同じく4日間で全曲演奏を実施。その後イギリスに戻りとある街で1公演。翌日日本に向けて飛んで、日本到着は水曜日、つまり武蔵野の公演前日着。すごい体力ですね。そして公演終了翌日朝にはロンドンに向け出発。休みが全くない。


「ま、こういうスケジュールになっちゃうときも時にはあるよね」ってそれ、やばすぎます。いやーすごいなー。時差もあるし、シャレならんわほんま。


モーツァルトを弾くことの困難さを考えますと、ますますすごい。モーツァルトの場合、たとえば「少しのミスでも客席が気付く」という強烈なプレッシャーがついて回るんですよ。これがプロコフィエフだと、ちょっとぐらい音が間違っていてもほとんどの人は気がつかない、そういう意味で猛烈にイヤな緊張感が演奏者に発生するんですよ、モーツァルトは(だからといってプロコフィエフをぞんざいに弾いていいわけではないっすよ!!念のため)。


実際ブラックショウが舞台から舞台袖に戻ってきた時にほぼ100%口にしたのが「so scary(マジ恐ろしい)」の一語。その後、だが私は弾かなければならぬ、と決然と舞台に出て行かれるご様子には痛く感銘をうけましたし、集中力がよく持つものだな、と、空恐ろしくなってブルブルっと舞台袖で震えました。震えが止まってからしばらくして、以下の短いポエムを書きつけました。 ― 自分には、絶対にできないNE ―。うむ、我ながらいいポエムが出来た・・・。


なお、ご本人的に一番難しいのは第5番の終楽章の変奏曲だそうです。あの曲は怪物だ。本当にやばい、超絶難しい、長いし弾きにくいし暗譜も超キケン!だそうです。18曲弾いたことのある皆さんは、このご意見に同意しますか。


いやそれにしてもいい演奏会でした。ブラックショウさんに感謝。このブログの写真は、4公演終演後に、全公演お越しになった方限定で実施したレセプションの風景です。多くの方に全公演お越しいただき感謝しております(およそ60%のお客様にセット券をご購入いただきました)。ありがとうございました。


これからも武蔵野市民文化会館では他では絶対に聞けない公演をズビズバ企画してズドズド実施していきますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします!8月発売のチケット情報も、明日発送いたしますのでまたご覧下さい。8月発売の個人的超目玉企画は・・・!!!あの作曲家の初来日公演だぁっ!!ギャァアアア!!!!(ナイショ)


  

  

シュテファン・ドールのモーツァルト祭りまであと3日

投稿者:ヤマネ


40にもなってだし巻き卵がうまく作れないことにいらだちを感じています。


「暑いのと寒いのと、どちらかと言えばどちらがいい?」といわれたら何のためらいもなくどっちもいやだ!と叫ぶことができるようにはなってきたのですが、だし巻き卵について言えばいまだにうまくできません。今週も引き続き研鑽いたします。火が強すぎるのかな・・・ブツブツ。


今月の当事業団、クラシック音楽コンサートでは、モーツァルトが多めにかかります。今度の火曜日はシュテファン・ドールという、泣く子も黙るベルリン・フィル首席ホルン奏者が、モーツァルトのホルン協奏曲を吹きまくります。この公演です。私は以前務めておりました音楽事務所で、シュテファン・ドールがメンバーとして参加していたあるホルンアンサンブルのツアーに一緒にでかけた事がありまして、腕はバチグンですが、それはもう・・・・・愉快な方なんですよね。


ベルリン・フィルのホルンセクションと言いましても、いろいろなパーソナリティがそろっておりました。実は最近定年で退団したクラウス・ヴァレンドルフという(ぱっと見た感じ暗くて怖そうな)おっちゃんが本当のところは一番の爆笑大先生だったのですが、ドールさんはもっと明るく陽気に、爆笑先生。


いやー、鹿児島県で爆笑したあの思い出はたぶん忘れまい(個人的な思い出)。とくに印象に残っているのは、ドールさんに向かってホルン素人の私が、ユーのフレンチホルンで出せる一番低い音を教えて、と尋ねてみた話。「公式にはべーの音だよね」(記憶が曖昧だが確かべー(B♭)だったと思う)と言うからもうこの段階で一同「公式には?」ってうわっ!と大爆笑ですわ。・・・・って、ああああ文字にすると何が面白いのかちっともわかりませんでした。とりあえず、そういう魅力がある人だと思っていただければよろしい。


しかし続けて「でも・・・」と言ったかと思うとやおらマウスピースを口の中にガバッと奇妙にくわえ、さらに低い音をぶお、ぐおー、と吹いて見せていただきまして、私は死ぬかと思いました。笑いすぎて。


幸いなことにモーツァルトのホルン協奏曲には、そのような無理難題な音は出てきませんが、ロイトゲープというモーツァルトの友人にしてチーズ屋にして名ホルン奏者のために書かれたかなり難しいパッセージを、きっと美しく、楽々と吹いて下さることでしょう。


火曜日のこのモーツァルト祭りに来られないという方、ご安心下さい。火曜日の演奏会の模様はNHK-FMによって収録される予定です。放送日は未定ですが、近い将来、FMから流れることと思いますので、どうぞお楽しみに。


あ、しまったブラックショウのピアノ・ソナタ全曲演奏会についても触れるつもりでしたが長くなってしまいました。これはでは、また改めて(といっておいて忘れてしまうパターン)。