ロザリオのソナタ

 
投稿者:ヤマネ



スペイン人に吉祥寺(Kichijoji)を読ませるとキチホヒって言うんですよ。めっちゃ言いにくそうにキチ・・・ッホッヒッって言うのさ。ご存じですか。


というわけでみなさんご一緒に、こんにちは!声が聞こえません。もう一回。こんにち、ワッーーー!あまりにもごふさたしてしまいしたことをお詫び申し上げます。


先日小ホールの廊下で、「いつも声立てて笑って読んでおりますところの鬼財団の、いえ、貴財団のブログが最近更新されないのは誠に遺憾であるやんぬるかな云々」そんな事を言っていだきまして、ありがとうございます、と心の中で何度もお礼を申し上げたのでございます。会話の中で漢字を間違えるってどういうことや?っていう突っ込みがくることを心待ちにしながら、先へ進みます。
 

ロザリオのソナタ。不肖私がこの曲について知ったのはいつのことだったか。おそらく大学生の頃だったかと薄ぼんやりと記憶しておりますが、調弦が一曲ずつ違うんだって。ふーん。みたいな。なんでそんな面倒なことするんでしょうねえ。みたいな。


アンドルー・マンゼという、この曲の全曲録音をした数少ないヴァイオリニストその本人から、これ死ぬほどむずいねんわ、と言われたときもふーん、と軽く流してしまったことを後悔。ちゃんと根掘り葉掘り聞くべきやった。


この魚はなんていう魚?え?ロックフィッシュっての?オー、クール!!デリーシャス!とか言いながらギヤハギャハと甲子園の近くで日本酒を飲んだだけで終わってしまったのだよね。残念。もう10年ぐらい前の話。


しかしここに挽回の機会が、ついにやってきた!リナ・トゥール・ボネ with ムジカ・アルケミカの公演


スコルダトゥーラと呼ばれる、調弦方法をいつもとは変える、しかも一曲ごとに変える、というその手法はなぜ使われたのか、その疑問を解くべく(ウソ。これは後付の理由)、スペイン人の素晴らしいバロックヴァイオリン奏者によるこの演奏、みなさまお楽しみいただけましたでしょうか。なんとも豪華に、全6名の演奏家でお贈りいたしました。(確か最少2人でも演奏できる)


結果は、お越しいただいた皆さんはもうご存知でしょう。素晴らしく感動的な公演になりまして、お客様も演奏家も上気して赤くなった顔でホールを後にして頂くことができました。


使用したヴァイオリンは4つ。なぜ4本かというと、スコルダトゥーラのためです。ヴァイオリン一つじゃあ対応できないんだね。曲ごとにびゃーんびょーん、ピャーん、と舞台上で調弦されるご様子には痛く心を動かされました。


あと使っていた弓もご覧になりましたか。現代の弓とは全然違う。バッハとかを弾くときにみなさんが使うようなのよりもさらに華奢で、軽くて、構造も単純で、短い。ビーバーの時代の、オーストリアの弓なのだそうです。あれもレアでめっちゃ興奮したぜ。あんなに華奢なのにかなり大きい音が出てたのにも驚き。写真撮り忘れてごめん。


曲ごとに全然いつもと違う音が出るのにどうやって演奏するんだろう。指と頭がこんがらがって容易に意味不明に陥ることは間違いない。涼しい顔して弾ききったリナ様には感嘆の声を提供したい。(楽譜には実際に鳴るべき音が書いてあるのです。自分でフィンガリング、ポジショニングを決めて身体に覚え込ませるよりないのです)


そんな難しさもあって、また全16曲に及ぶスケールの大きさも相まって、この曲が全曲演奏されることは滅多にない。(武蔵野でも多分初めて。今後もなかなかないと思います。)


初演とか、過去の演奏でもこうやって舞台上で調弦したのだろうか、どうやって説明しながら演奏したのだろうか、そもそも演奏されたことがあったのだろうか。なんせ楽譜が見つかったのもわりと近年になってからですし、この曲については謎だらけなのです。


謎は謎を呼び、ミステリーハンターにご登場願いたい程です。じゃ私はスーパーひとしくん温存の方向で。


こんな知的興奮に満ちた演奏会を、ご来場いただきました皆様のおかげにて、大成功のうちに終えることができ、感謝いたします。ありがとうございました。


しかしどういう必要があってスコルダトゥーラをするのか、それについては・・・・やっぱりわかりませんでした。それではオチがきれいに決まったところで、また次回。