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冬の風物詩

投稿者:ひよこちゃん

最近早くも寒くなってきました。いや、これについては異論もあろうかと思いますが、私はどちらかというと、身体の肉付きが少ない方なので、気温の数値としては少しだけでも、体感としてはえらく寒くなったように感じちゃうタチなのです。もう秋、というか冬の気配です。イヤですね。私ひよこちゃん、夏は大嫌いですが、冬も負けず劣らず嫌いです。年々、春と秋が短くなっているような気がします。悲しいことです。
さて、冬と言うと、皆様なにを思い浮かべるでしょうか。みかんでしょうか、おしるこでしょうか、おせちでしょうか。文化・芸術に携わる者として、食べ物しか思いつかないのは、我ながらいかがなものでしょうか。


冗談はさておき、歌舞伎や講談などでは、冬になると「忠臣蔵」が頻繁に上演されますね。忠臣蔵は、日本の冬の風物詩の1つと言えるでしょうね。"日本的な冬の風物詩"と言えば、冬に落語会に行くとあちこちで聴くことができる噺である「芝浜」が挙げられると思います。数ある人情噺の中でも最もポピュラーなものの1つでしょう。
本日午前10:00から、来年1月12日(日)の「≪初笑い≫武蔵野寄席」を発売しますが、ここでトリを務める春風亭小柳枝師匠が「芝浜」を口演します。武蔵野寄席で「芝浜」がかかるのは初めてのことです。
「芝浜」はよく演じられる噺ということもあり、CDなどで録音もかなり残っておりますし、名演と呼ばれるものもたくさんありますね。有名なところだと3代目・桂三木助師匠のものでしょうか。芝の浜の情景などを丁寧に描きだし、物語により立体感を出しています。最近だと2年前に亡くなった立川談志師匠のものが有名ですよね。(あとひと月ほどで三回忌ですか、早いですね。)


人情噺ですが、前半~中盤あたりは笑いどころも多い噺です(旦那が"夢"から目覚めたあとの部分や、大金を拾ってどんちゃん騒ぎの部分、などなど)。
寄席には欠かせない古典落語の名手となった、春風亭小柳枝師匠がこの噺をどう料理し、お客様に笑いと涙をお届けするか、ぜひ新年の初笑いを武蔵野寄席でお楽しみ下さい!


そして、この度は「芝浜」をもう1本。創設380年目を迎える江戸糸あやつり人形・結城座がこの「芝浜」を原作に、『芝浜の革財布』という作品を上演します。初演を拝見しましたが、原作の古典落語にかなり忠実ですが、かといって落語を知らない人でも(それこそお子様でも)楽しめるようなシンプルで質の高い内容に仕上がっています。こちらの方もぜひ併せてご覧いただければと思います。両方ご覧いただければ、「芝浜」の世界を2倍・3倍とお楽しみいただけること請け合いです!


《初笑い》武蔵野寄席のご予約はコチラ
結城座『芝浜の革財布』のご予約はコチラ
 
 
 

この人が聴きたい Part 2

投稿者:ラピスラズリ

先日、とても素敵なママさんにお会いしました。颯爽としたパンツ姿で赤ちゃんを抱っこしてスイング寄席にいらした、女流講談師の「日向ひまわりさん」です。ちょっとだけお話させていただいたのですが、そのお人柄のチャーミングなこと。「この子は置いてきたかったのに、お昼寝してくれなくて連れて来ちゃいました」って。ママの気持ちよくわかりますよ。何か企てていると、赤ちゃんは置いていかれるのを感じるのでしょうか、なかなか眠ってくれない・・出かける時刻は迫る、迫る・・・・そしてママの負け!!そこで一緒にお出かけとあいなる。


ホントに朗らかなママ。お名前の通り、周りを明るくして下さいます。


ということで、お待たせしました、「日向ひまわり、9月29日(日)“松露寄席”に再登場!」です。この方が語る講談ってどんなかしら?是非とも聴いてみたい。講談になじみの薄い私も、期待感で一杯です。35名様限定のお席、毎回大人気で完売必須。発売日は来る6月20日、お早めにご予約をどうぞ。


http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/05/25.html


ちなみに松露寄席当日、お子さんは残念ながら(?)お留守番の予定だそうです。


ママさんといえば“アンナ・ヴィニツカヤ”のパワフルぶりについてヤマネ氏が触れておりますが、そのピアノ演奏はほんとうに感動的でした。演奏後、楽屋で拝見した様子はリラックスして、小柄なとても可愛らしい方でした。来月、二人目の出産を控えていても自然体な演奏活動をされていて、頼もしい素敵なママです。こんなママさんたちを心から応援したくなります。


梅雨、うっとうしいですね。こんな季節、色々なお野菜を甘酢に漬けてピクルスを作って保存しています。定番はきゅうり、にんじん、かぶ、セロリなど。変化球でカリフラワーやラディッシュ、そして茗荷も。甘酢はオリジナル。好みで酢加減し、甘さを調節して漬けます。冷蔵庫で冷やしておいて‘シャキシャキ’っとサラダ感覚で。すっきり、さわやかな気分になること請け合い!お弁当にもどうぞ! お勧めは出盛りの新生姜。お試しあれ。

 

この人が聴きたい

投稿者:ひよこちゃん


本日先ほどまで、スイングホールで三遊亭小遊三師匠の会の方についておりました(スイング寄席)。本日もたくさんのご来場ありがとうございました。手前味噌ではありますが、会場が大盛り上がりで良い会だったなあと感じております。桂伸治師匠が高座でマクラの折に仰っていましたが、笑いって良いですね。心がすっきりします。私も落語会の時は、たとえ仕事中でも影でひとり笑っております。ははは。


明日6月2日(日)は武蔵野文化事業団6月の第1回発売日ですが、明日は隅田川馬石師匠の独演会を発売致します。武蔵野芸能劇場を会場に、芝居噺や人情噺を得意とする馬石師匠が、三遊亭圓朝・作の大ネタ『鰍沢(かじかざわ)』を口演します。
 
 
芸能劇場は私が働き始めた時からずっと、「落語にぴったりの小屋」と感じており、今後は芸能劇場での落語会を増やしていきたいなと考えているので、馬石師匠はちょうどトップバッター的な感じでしょうか。


東西700人(でしたっけ?)ほどいると言われている落語家の中から、今回、馬石師匠に「独演会をぜひ!」とお願いしたきっかけは、初めて師匠の高座を拝聴した際に、馬石師匠が噺に入った後で盛大に噛んでしまい、客席の笑いを誘っていたのですが、その時のリカバーの見事さに感嘆し、「嗚呼いつかこの人とお仕事がしてみたい」と思った時でした。
噛んでそこで一気にしらけてしまうというのは、よくあることなのですが、そうならずに、噛んで言い損ねた部分も、そのリカバーも、「当然そうあるであるはずの芸」といったような感じで、自然に進めていく様をかっこいいなと思ったのですね。それ以来、意識して高座に足を運ぶ噺家さんの1人です。


馬石師匠の高座で私がいいなと思うのは、そのなめらかな語り口、そして、大げさになりすぎない、それでいてドラマティックで懐の深さを感じさせてくれるところでしょうか。ハイテンションで力ずくで笑いをとりにくるという芸も、それはそれでかなり笑えて好きなのですが、馬石師匠の高座は聴いてて飽きがきたり疲れたりすることがなく、「ずっとこの人の語りを聴いていたい」と思わせてくれるものだと思いますので、今回初めて武蔵野に出ていただきますので、武蔵野寄席やスイング寄席、松露寄席などによく足を運んで下さっている方も、落語はあんまり聴かないという方も、そして馬石師匠のファンだという方ももちろん、ぜひ聴いていただきたいと思います。


隅田川馬石師匠の独演会は9月17日(火)19:00開演です。
予約開始は明日の午前10時から!多くの方のご予約をお待ちしております!
 
 
「隅田川馬石独演会」公演詳細:http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/05/post-198.html


※追記(6/3):昨日の売り出しで早速完売となりました。皆様ご予約ありがとうございます。あまりにも早く完売したことに、いささか驚きを隠せずにおりますが、ひよこちゃん嬉しくてぴよぴよと泣く思いでございました!
 
 

歌舞伎座へ。

 

お休みの日に新しい歌舞伎座へ行ってきました。

 

柿葺落五月大歌舞伎」公演の第三部、二幕目『京鹿の子娘二人道成寺』がお目当て。

坂東玉三郎と尾上菊之助が白拍子花子で共演しています。新装なった歌舞伎座の杮落し公演で連日盛況と聞いていましたが、運よくお得な幕見席チケットをゲット!歌舞伎好きの方はご存じのことと思いますが・・・幕見席についてはこちらをどうぞ↓

 

http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/makumi/index.php

 

二人の踊りの艶やかなこと!絶妙な掛け合いに息をもつかず、アッという間の1時間余り。幕が閉まるのが惜しく、ずっと観続けていたい~と思っちゃいました。「チョーン」という“析(き)”の鳴る音が響き、カーテンコールは無いの?このまま帰るの?と思ったほどでした。つい、いつもの癖で。

でも、歌舞伎は幕が閉まったら、これでお仕舞い!

アンコールの感動もいいけど、もう一度観たいと思わせる幕引きもいいものですね。

 

「道成寺はもう踊らない」と宣言した玉三郎が杮落しでその封印を解除。菊之助と玉三郎の新旧絶世の美女競演は見ておかなくちゃ損です。もう観られないかもしれないと思うと、観るのは「今でしょ!!」

 

 

さて、休日の朝は、フレンチ・トーストがいいですね。牛乳と卵を混ぜ合わせた液にパンを浸して、バターを溶かしたフライパンで両面を焼き、粉砂糖とメープルシロップをかけていただきます。ネーミング通り、フランスパンで作るのがオリジナル。硬くなったフランスパンを美味しく食べる知恵ですが、フレンチ・トーストが食べたくて、ついバゲット買っちゃいます。

蛇足ですが、『クレイマー・クレイマー』という、古い映画でダスティン・ホフマン演じる仕事人間の父親が、妻が家出してしまい、幼い息子と二人で作る初めての料理がフレンチ・トーストでした。涙・・・続きは映画をご覧くださいませ。

おもてなし

投稿者:ラピスラズリ


昨日、28日(日)松露庵にて「茶の湯」が開催されました。幸い、お天気にも恵まれ、お庭の緑がキラキラと美しく輝いてお客様をお迎えしていました。
事業団主催『松露の茶の湯』については、あ・と・おさんが何度かブログで紹介をしていますので、そちらにお任せして・・
 
  
 
『一期一会』ということばをご存知でしょう。「こうして出会っている時間は二度と巡ってこない大切な瞬間と思い、主客ともに誠心誠意をもってその会を最高のものにしましょう」という茶道の教えです。


茶会の亭主っていわば総合プロデューサーでしょうか。おもてなしのためにあらゆることに心を砕いて舞台を作り出します。季節や招く相手を思い、床の間に軸を掛け、花をあしらい、お菓子やお道具を調えます。招かれる客も亭主のそんな気遣いを思いやることで、互いの心が通い合う茶席が生まれます。


茶の湯からは本当に多くのことを学びますが、おもてなしの心は最も大切な原点ともいえる教えです。


昨日のお茶席で、「いつも何かひとつ被災地の物をお道具に選んでいます。」と仰って、福島の'三春駒'を象った可愛らしい香合を床の間に飾っておられました。なんて素敵なおもてなしでしょう・・


茶の湯に限らず、日々の生活で誰かを思いやってあれこれ調えていると、ほっこりと幸せな気分になります。親しい友人でも、家族でも、誰かを思いながらお料理をすると美味しくなるっていうじゃありませんか・・料理上手になる秘訣です!!


そろそろ新茶が届く季節。まずは美味しいお菓子を調達して。この時期なら断然、柏餅!!それも味噌餡で!
ゆっくりお茶を入れて、さて、誰とお茶しましょうか・・・
 
 

フレッシュネス

投稿者:ひよこちゃん


春です。
気付けば、私2週間近くブログを書いておりませんでした。なぜでしょうか。
春。フレッシュな時です。
私も「ひよこちゃん」の名に恥じぬよう、フレッシュさを失わないようにしたいものです。


クラシックの分野では、先日のデュオ・アマルのようにフレッシュな才能を積極的に採り上げておりますが、今後は他分野でもより一層この路線を進んでいきたいですね。


そんな訳で、7/6の武蔵野《七夕》寄席は「新真打競演の会」と銘打ち、今年真打に昇進する4名の落語家をお呼びします。10年以上に及ぶ修行期間を経て、門出の時を迎える新真打たちが繰り広げる白熱の"落語バトル"をお楽しみ下さい。勝負事ではないので点数を競ったりはしませんが、新真打の方々は「オレが1番強いインパクトをお客様の心に残してやる!!」という気概を持って挑みます。


七夕寄席のチケットは好評発売中です。
ご予約はTel. 0422-54-2011またはこちらからお願い致します。


そして本日は、春寄席です。今日のトリは権太楼師匠です。当日券が少しございます。
14:00開演なので、吉祥寺散歩をしつつぶらりとお越し下さいませ。
 
 

平日のマチネ公演に行く背徳感

投稿者:ひよこちゃん


昨日発売の公演で完売一番乗りとなったのは「クレメンス・ハーゲン(チェロ)&河村尚子(ピアノ)」の公演でした。
こちらの公演は平日のマチネ(昼公演)だったのですが、「平日の昼でもOK」と4ヶ月先の予定を入れられるお客様がざっと500人近くいらっしゃるとは・・・!皆さまなかなかの好き者ですね。


私を含め、文化会館のスタッフは土日祝も関係なくシフト制で勤務しておりますし、しかも水曜日が休館日なので皆バンバン平日のマチネにも行っているはずです(他のスタッフが休日に何をしているかは全く知りませんので、単なる推測ですが)。かく言う私はバンバン行っています。お昼ご飯を食べて、2時くらいからの公演に行って、ちょっとカフェでお茶休憩、そして夜の公演へというのがよくある平日休みの過ごし方でしょうか。
平日のマチネの何が素晴らしいかって、皆が働いている中、自分は勝手気ままに過ごしているという、背徳感にも似た感覚でしょうか。ちょっと悪いことをしているような、いやいやでも全然悪くないんだぜ、みたいな。


平日の昼の時間帯に、昔からよく公演を行っているものの筆頭はやはり落語でしょうか。寄席定席は昼12:00前後から始まり、たっぷり4時間近く行われます。さすがに満席のことは少ないですが、落語家さんがネタにするほどのガラガラ状態にはなかなかお目にかかったことがないですね。いつでも割とお客さんが入っている気がします。
演劇も平日マチネ公演を昔からよく行っていますよね。そして最近、特に増えてきたように感じます。演劇は最近日曜日の夜公演が急速に減っているように感じますので、その分を平日のマチネで増やしているのでしょう。
私が平日の昼によく行くのも、こちらのどちらかですね。


クラシック音楽も確かにちょこちょこあるようですが、ランチタイム・コンサート(無料とかワンコインなんかが多いですよね)のようなものが多いでしょうか。今回の「クレメンス・ハーゲン&河村尚子」公演のような、平日午後2時開演のようなものは個人的にはあまり縁がないです。他のコンサート・ホールのカレンダーなどを見る限り、増えてはいるようですが・・・。
例外はオペラでしょうか。オペラは1公演の時間が長いためか、海外の歌劇場の来日公演や新国立劇場などでも平日マチネがたくさんあります。私も手帳を見たら、4,5,6月に毎月1本ずつ平日マチネのオペラ公演を既に予定に入れていました。私も好き者の一派のようです。

 
 

松露寄席へご案内

投稿者:I.D

今日は第21回松露寄席が松露庵で行われました。「お茶室で寄席を!」ということで、毎回35名限定で行っているため、まだ来たことがない方も多いかと思います。それでは松露庵をご案内しましょう。

中はこんな14畳の和室です。本日は松露寄席のために「無事」と書かれた掛け軸が掛けてあります。

 

そこに高座をセッティングすると…、こうなります。この高座、職員2名で作っているのですが、どのように作っているか、時間を巻き戻して見てみましょう!

 

おやおや、長机ですね。それを2本並べて…、

 

上に緋毛氈を、バサッとかぶせる、…以上です!高座作成時間は約3分30秒!実に簡単なのです(でも第1回の時は試行錯誤で、数十分が費やされました)。これは落語のみ行われる会での高座で、講談をやる時は文化会館から平台と箱馬を持ち込んでもう少しガッシリした高座を組みます。

 

奥の3畳間は楽屋にして使っています。普段は覗けない楽屋にも潜入!

 

障子を開けるとすぐ外です。(にじり口を持つ茶室の小間なのです。)

 

茶室は座布団で座りにくいから…という方には、このような正座椅子(?)もございます(数に限りあり)。4月以降の松露寄席も順次発売していきますので皆様のご来場お待ちしております!

 

追伸:

松露庵はもちろんお茶会などのために、どなたでもご利用していただけます。4月申し込み分より施設使用料が半額になりますので、どうぞお気軽にご利用ください。

 

 

タイムリーヒット

投稿者:ひよこちゃん

そろそろ会員の皆さまのもとにも11月発売分のチラシが届き始めている頃でしょうか。
そのうちの1つ、松露寄席「桂宮治&神田松之丞」連続二人会は、将来有望な若手を皆さまに少しでも早く聴いていただき、知っていただこうというコンセプトのもと企画された公演です。宮治さんも松之丞さんも1度聴けば大器だとおわかりいただけると思いますが、いかんせん聴いていただかないことには・・・。


とかなんとか思いつつ、チラシの発送準備に取り掛かっていた頃、桂宮治さんご本人のツイッターから驚きの情報が!


https://twitter.com/miyajikatura/status/259644662841753601


なんとちょうど一週間前の10/20ですが、NHK新人演芸大賞を受賞したのです!
これを私はちょうど宮治さんがツイートした翌日に耳(目?)にしたのですが、残念ながらチラシの発送準備に入ってしまっていたので、皆さまにお送りするチラシには書けず仕舞い(残念)。ですが、館内のポスター等にはきっちり追記させていただきました!


NHK新人演芸大賞は1991年に現在のこの名称になったようですが、落語部門は1972年に始まったNHK新人落語コンクールにはじまり、数多くの名人が誕生しています。古くは春風亭小朝師匠、春風亭昇太師匠、林家たい平師匠、柳家喬太郎師匠、第19回松露寄席にご登場いただいた林家彦いち師匠、最近では春風亭一之輔師匠など錚々たる顔ぶれが、この賞を受賞しています。(昇太師匠、たい平師匠は優秀賞。)


この顔ぶれの中に、宮治さんも仲間入りしたわけですが、彼はなんとまだ入門してから5年経っていません(平成20年入門)。受賞者全員を調べた訳ではないのでうかつなことは申し上げられないですが、入門5年未満での受賞者はほとんどいないはずです。若干23歳で受賞した小朝師匠も入門8年目でしたし、ざっと見たところでは8~10年目くらいで受賞される方が多いようです。入門4年で受賞というのがかなり凄いというのがおわかりいただけるのではないでしょうか!


将来的に彼は、彼目当てで寄席に行くというお客さんがたくさんいるような噺家になっていくと思います。今はその名前も知らないという方も少なくないとは思いますが、この受賞を機により大きく羽ばたいていくだろうと思います。そう考えますと、本当に今回の企画はグッドタイミングだと思います。しかも会員の方なら1公演1000円です。12/22と1/19(どちらも土曜日)の2回この二人会はございます。今がチャンスだと思います。若い才能が羽ばたく瞬間を見届けていただければと思います。

    

円熟の志ん輔

投稿者:I.D

11月の武蔵野寄席《秋》のトリは、大名人・古今亭志ん朝師の4番目の弟子・志ん輔師である。

 

志ん輔は高校二年の時まで、全然落語を知らなかったそうだが、たまたまチケットをもらった志ん朝の落語会に行き、志ん朝が高座に上がった瞬間、そのオーラに圧倒され、そして『火焔太鼓』に完全ノックアウトさせられたと言う。その時にもう落語家になる決意をしたというのだから、これは運命に導かれたとしか思えない。

 

その後、電話帳で調べた志ん生宅や、なんとか調べ当てた志ん朝宅へ弟子入り志願で通うが、なかなか許されず、一門で最も入門に時間がかかったのが志ん輔だそうである。しかし、『明烏』『妾馬』『宿屋の富』『子別れ』『お見立て』『小言幸兵衛』『井戸の茶碗』…、志ん朝から直に教わった噺が一門一多いのも志ん輔という説がある。

 

まだ二ツ目で朝太を名乗っていた頃にNHKの『おかあさんといっしょ』のコーナーに抜擢され、お茶の間の知名度も一躍アップ、それは17年間も続く名物コーナーとなった。

 

2001年に63歳で師・志ん朝が亡くなり、人生観が変わるほどの衝撃を受けたという志ん輔。「俺が師匠の享年になるまでに15年しかない」ということに気づき、1年に1本の噺を丹念に仕上げていこうと決意をする。

 

志ん輔は師の死後、高座で志ん朝が“降りてきた”と感じることが何度もあったという。『お見立て』や『宮戸川』をやっているとき、志ん朝が乗り移り、ああしろ、こうしろと言うのでその通りにやると客の反応が格段に良くなり、鳥肌が立つような思いだったと。

 

その反面、師の呪縛も感じ、師の模倣を脱することに苦悩を感じたこともあるという。偉大な、偉大すぎる師を持つ者が通る「受け継がなくてはならない」と「乗り越えなくてはならない」という苦しみを存分に味わっている志ん輔。その彼もあと4年で志ん朝が亡くなった年齢となる。“志ん朝の芸を継ぐ男”として彼は円熟の極みに達してきていると言えるだろう。

 

さて、志ん輔師は自身のホームページを持っているが、そのブログがとても充実している。現在は毎日更新をしており、彼の日々の出来事を追体験できるし、主に2009年頃までは、数多くの“寄席の人々”が紹介されており、一大絵巻と言えるほどである。