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舞台ができるまで。

投稿者:ひよこちゃん


さて、現在、武蔵野芸能劇場では、演劇集団・声を出すと気持ちいいの会「富士の破れる日」の仕込み作業が行われています。その仕込みの模様の一コマをお目にかけましょう。



上の写真は、まさに作っている最中の舞台ですが、この舞台美術も脚本・演出をはじめとした様々な条件・制約の中で、一層世界観を引き立てるために、そしてそれだけに留まらず、1つの美術作品としての自己主張も忘れず、といったことが求められます。先ほど仕込みの様子を拝見してきましたが、舞台といいその舞台を照らす照明といい、とてもいい感じに仕上がっているなという印象を受けて、ワクワクしてきました。



芸能劇場はそう大きくはない劇場ですが、そこには日本一高い山、そして世界遺産として日本を象徴するような存在となった富士が浮かび上がることでしょう。舞台はまさに富士への入口、未完成の舞台でさえ、その風格を存分に称えていました。また、3Fの劇場ロビーでは、この公演のキッカケとなった、吉祥寺美術館所蔵の萩原英雄氏の「富士」作品を、観劇にいらっしゃったお客様を対象と致しまして、展示を行います。是非、そちらも併せてご覧いただき、長きにわたって「富士」にこめられてきた人々の思いを感じていただければと思います。
是非この週末、一度は芸能劇場へ足をお運びいただければと思います。特に初日の土曜日は比較的余裕があるようです。土曜日は17時開演なので、観劇後に夜の街へ繰り出すこともできますし、便利な時間帯だと思います。まだご予約いただけますので、ぜひともお越し下さい。


「富士の破れる日」公演詳細ページ:http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/10/post-241.html
「富士の破れる日」チケット予約はこちら:https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/index.jsp?id=56&type=O

 

夏休み、パントマイムに出会う

投稿者:I.D

本日6/29日は、親子のための特別公演の発売日でした。おかげさまで3公演すべて即日完売となりました。誠にありがとうございました。

 

さて、7月29日にも子供も大人も楽しめるパントマイム公演「ミミリチ」があります。0歳から入場可能で、3歳未満はひざ上鑑賞無料です(3歳以上有料)。

 

ミミリチは、ウクライナのキエフを本拠地とするパントマイム・グループ。1960年代にソ連のクラウン芸に革命を起こし、夭折した伝説の天才エンギバーロフを師とし、20以上の世界各国のコンクールに次々に優勝、入賞する“すご腕”集団です。1990年代より、前身の「ミミクリーチ」としても何度か来日しており、その舞台を覚えている方もいるかもしれません。

 

今回の演目は、「ペーパー・ワールド」。その名の通り、“紙”を徹底的に使ったステージとなります。この世界を闊歩するクラウンは3人。

 

“お掃除屋”

オレンジ色の鼻が特徴。頭から2本のしっぽのようなものが出ている。キレイ好きな彼はゴミを見つけたら掃除をせずにいられない。

 

 

 

 

“もの書き”

青い眼の周りがチャームポイント。鼻に×の絆創膏がついている。彼にとって紙は自分の思いを伝えることができる大事な友達。

 

 

 

 

“Mr.グリーン”

緑色の鼻と口。ストレートの髪の毛は肩にかかるほどのびている。いたずら好き。彼は紙については、あまり気にしていないようだ。

 

 

 

このアナーキーな3人が“紙”の可能性を追求します。吊してみたり、映してみたり、破ってみたり。紙は彼らのアドリブの宝庫となります。大人もいつしか子供の心にかえる、“マイムの真髄”ともいえるミミリチの「ペーパー・ワールド」をお見逃しなく!

ミミリチ 公演詳細情報

http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/03/post-170.html

 

 

 

 

遅刻の顛末

投稿者:ひよこちゃん


昨日ふらふらとインターネットを見ていましたら、新国立劇場で俳優が時間を勘違いして現れなかったため、公演が1つ飛んだ(中止)というニュースを見つけました。
事情を全く知らないので、この件についてどうこうということはないのですが(ミスならミスで可能性としては起こり得るレベルかなとは思います)、なるほど想像してはちょっと気の毒になったり、新国立劇場の方の苦労を慮ったり、色々と考えてしまうニュースでした。


という話を、皆さまにふったところ、ヤマネ氏より天の声が!
「ベルリン国立歌劇場でも歌手が来なかったらしいよ」


おー、そうなんですね!というわけで、今日のブログのネタはこれで。


ベルリン国立歌劇場、現地時間4/7(日)16時開演、演目はワーグナー「ジークフリート」。
指揮者は言わずと知れた巨匠ダニエル・バレンボイム。しかし、ジークフリート役の歌手Lance Ryan(ランス・ライアン)が開演20分前になっても現れません。カバー歌手も何故かいなかったようで、舞台裏は当然パニック。しかし、そこは顔が広いバレンボイム。ベルリンにいた若手歌手Andreas Schager(アンドレアス・シャガー)に直電(したかどうかは知りませんが)、代役としての出演を依頼します。
そこはもちろんマエストロ・バレンボイムの頼みですから、快諾。でも、ベルリン・フィルハーモニーで18時開演のサー・サイモン・ラトル指揮「魔笛」に出演するから、それまでならOKとのこと。マエストロ・バレンボイムもそれにはOKをだし、1幕だけでいいから歌ってくれ、と。


そして、開演直前にAndreas Schagerは到着し、舞台上では副指揮者がジークフリート役のマイムをおこない、舞台袖からSchagerが歌うという形で、無事に1幕を乗り切ったそうです。めでたしめでたし。お客さんも事情が分かっていたようで、1幕終了後にはAndreas Schagerに嵐のような拍手が贈られたそうです。


因みに、大失態となったLance Ryanですが、慌ててやって来て2幕からは本人が歌ったそうです。どうやら18時開演と勘違いしていたみたいです。
やっぱり厳しく叱責されたのでしょうか・・・。いやいや、あらぬ想像はやめましょう。
4/18にも「ジークフリート」の上演がありましたが、そこではLance Ryanがちゃんと歌ったようです。


ちなみに、内容の詳細は下記のサイトを参照しました。
英語のサイトですが、短い文章なのでよろしければどうぞ。


"The tenor came in so late, he missed the first act."
http://www.artsjournal.com/slippeddisc/2013/04/the-tenor-came-in-so-late-he-missed-the-first-act.html

文化系のバレンタインデー

投稿者:ひよこちゃん


昨日はバレンタインデーでしたね。
私はたまたま仕事が休みだったので、デートをすることもなく、朝から自分のために米を炊き、料理(鶏肉と玉葱と茄子の和風煮)を作り、その後夕方過ぎまで正座して読書をするという、文化系に相応しい1日を過ごしました。チョコは自分で買って食べました。


・・・・・・皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか?


さて、私は文化系の1日の締めくくりとして、ミクニヤナイハラプロジェクト「静かな一日」の初日にお邪魔してきました。結論から申し上げますと、素晴らしい舞台でした。ミクニヤナイハラプロジェクトの矢内原美邦さんは昨年の岸田國士戯曲賞受賞者の1人ですが、その受賞作『前向きタイモン』よりも2歩も3歩も進化した作品だと、個人的には感じました。

 
 
矢内原さんのこれまでの作品のイメージは(全てを拝見している訳ではないのですが)、個人の文脈の中での言葉・身体が怒濤の勢いで溢れてきて、それにおぼれそうになって息が苦しくなる、なのに気持ちいい、みたいな他にはない不思議な感覚があり、どちらかといえば彼女の戯曲からは(岸田國士戯曲賞受賞者を評するのには失礼かも知れませんが)、「文学性の否定」みたいなものを感じていました。圧倒的なスピード感・情報量の前で言葉の意味は流れていき、そこにはただ表象的なイメージがあって、しかもそれがもの凄い勢いで提示され更新されていく、戯曲単体としては、さぞかし昔ながらの文学の信奉者からはウケが悪いだろうと思っていたので、岸田賞受賞はちょっとびっくりしました。(裏を返せば、芥川賞審査委員みたいに昔ながらの文学青年は岸田賞の審査委員にはいないのでしょうね)


今回の作品はどちらかといえば、その路線とは少し変わったように感じました。
もちろん以前までのような部分が多々残っています。でも、時々もう少しその場に留まって、言葉の中に、言葉が紡ぐ意味の中に深く潜ってみよう、そんな意図を感じました。
最近のひよこちゃんは現代美術にはまっているのですが、近代以降の芸術が(美術に限らず音楽なんかそうですが)自らを歴史の文脈の中に位置づけ、常に自己定義というかその立ち位置を、そしてその革新性や真正性を求められる中で、矢内原さんが、演劇という範疇だけに留まらず、アート、さらにそれを超え出て社会の中で、この「静かな一日」という作品が(そして矢内原さん自身が/ミクニヤナイハラプロジェクトが)どのような立ち位置にいるのかを表明しようとする意志を感じ、私としては「ああもうこれは現代アートだなあ」と感じながら観させていただきました。


と、ちょっと真面目で堅苦しいご紹介になりましたが、小さい家の模型が200個ほど並んだ舞台美術(上の写真参照)やら、舞台演出上大きなキーになる映像やら、スタッフワークも素敵な舞台作品でした。70分くらいの短い作品ですが、頭の横で銅羅をガツーンとハンマーで打たれてその共振に襲われたような、強い刺激を受けて暫く興奮で頭が心地よい混乱に巻き込まれた体験で、こういのって年100本くらい観てても滅多に味わえません。


文化事業団でのチケット取扱は終了しておりますが、明日以降の前売券はまだこちらでお買い求めいただけます。当日券も完売の回も含め毎ステージ出ますので、この週末ぜひともミクニヤナイハラプロジェクトの新境地「静かな一日」へお越しをお待ちしております。迷われたら矢内原美邦さんのインタビューや予告映像も併せてどうぞ。(但し、インタビューはややネタバレというかストーリーへの言及があります。知りたくない方はご注意下さい。)


インタビュー1(伊丹AI・HALL):http://www.aihall.com/drama/24_mikuni.html
インタビュー2(ぴあ+):http://pia.cloudapp.net/index.aspx?u=pia&fid=13013002067&bkurl=http%3A%2F%2Fcinema.pia.co.jp%2Fweekly%2F


予告映像

シェイクスピア・イヤー

投稿者:I.D

ひよこちゃんも書いていましたが、今度の4月から1年間、吉祥寺シアターでは「シェイクスピア・シリーズ」としてシェイクスピアの作品を上演することになります。

 

現在はブルーノプロデュースの『My Favorite Phantom』(原作:ハムレット)と無名塾の『ウィリアム・シェイクスピア』(シェイクスピアの青春時代に焦点を当てた作品)を発売しています。ほかのラインアップの間もなく発表となります。

 

2014年はシェイクスピアの生誕450周年の年となります。この年にはおそらく世界各地でシェイクスピアが盛り上がるだろうと思いますが、吉祥寺シアターではそれに9ヶ月先駆けてシェイクスピア・イヤーの始まりです。

 

今回はちょっと高尚なイメージもあるシェイクスピアに親しんでいただく豆知識をいくつか。

 

文学史上最高の文豪ともいえるシェイクスピアですが、その生涯はあまりよく分かっていません。無名塾が上演する青春時代の7年間は全く記録がなく特に謎に包まれていますが、それ以外でも日記、手紙類はなく、自筆が見られるのは僅かな公的書類などだけ。この記録の残ってないっぷりは、当時のもっと格下の作家などと比べても特出しています。

 

また当時の劇作家は大学を出たインテリが多かったのですが、大学を出ていないシェイクスピアが果たしてあれだけの、あらゆる知識が詰め込まれた戯曲が書けたのか等の理由により、シェイクスピアは別人説もあるほどです。それをテーマにした「もうひとりのシェイクスピア」という映画が、ついこの前まで東京で上映されていました。調べたら今はもう横浜でしかやってないようです。ご興味があれば…。

 

自筆の戯曲も残ってなく、出版されたものだけが現存します(「サー・トマス・モア」の3枚の原稿がシェイクスピアの筆によるものとも言われていますが)。それも当時の粗悪な出版など色んなバージョンがあり、どれが本来シェイクスピアが書いたものなのか、議論のタネとなっています。つまり我々はシェイクスピアの思惑とは違うものを読んでいるかもしれないですね。(もちろん芸術にとってそれは重要なことではないといえるかもしれません…。)

 

さて当時の演劇の上演は昼間、屋根のない劇場で行われていました。なので夜の場面(例えば「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーンなど)も全て陽の光のなかで演じられていたため、しばしば暗い夜であることを示す台詞などが出て来ます。たぶん当時の観客は、これで漆黒の闇の中で行われるラブシーンや残忍な暗殺などをイメージできたのだから言葉の力はすごいと言うべきか、想像力って不思議というべきか。

 

また、当時は女優がおらず全て男性が演じていました。女性の役は往々にして少年俳優が演じていました。「ヴェニスの商人」とか「十二夜」「お気に召すまま」などのシェイクスピアの戯曲に、ときおり男装をした女性が出てくるのも、これを知ると納得できます。しかし現在男性がリアルに演じようとすると、単純に女性を演じるより、男装した女性の方がムズかしいように思います…。

 

それではシェイクスピア・シリーズの幕開け「ブルーノプロデュース」と「無名塾」楽しんでいただけましたら幸いです。

 

 

ブルーノプロデュースって知っていますか?

投稿者:ひよこちゃん


吉祥寺シアターでは来年度(つまり今年の4月から)「吉祥寺シアター シェイクスピアシリーズ」と銘打って、年間で10本ほどシェイクスピアを上演する予定となっております。その中でまず第1弾として登場するのが2/2にチケット予約を開始した劇団ブルーノプロデュースです。


ブルーノプロデュースはまだ活動開始から5年ほどの若手劇団です。小劇場の世界でもまだ注目されるようになってあまり間もなく、知名度も彼らのあとに「シェイクスピアシリーズ」に登場するどの劇団よりも低いのではないでしょうか。実際、吉祥寺シアターくらいの大きさの劇場での公演は、彼らにとって初めてです(たぶん)。


という訳で、もっとブルーノプロデュースを皆さまに知っていただこうという訳で、今回の公演に先立ち3月の日曜日にプレイベントを3本!行います。大きく分けると「観る」「体感する」「聞く」という3本です。


 
1日目の3/17は「観る」。吉祥寺シアターのけいこ場にてDVDの上映会を行います。13:00-21:00まで途中入退場自由でワンドリンク付き。彼らの代表作3本を上演します。


2日目の3/24は「体感する」。実際にブルーノプロデュースの作品作りを体験しようというワークショップです。彼らがこの1年ほど取り組んできた「ドキュメンタリー・シリーズ」という、"俳優の記憶"をもとに舞台を創り上げるという手法を体験できる面白い機会です。最後に小さな短編作品を参加者でつくりあげ、発表も行うそうです。経験不問なので、演劇作りにご興味のある方はぜひ!


3日目の3/31は「聞く」。吉祥寺シアター付属のシアターカフェにて、ブルーノプロデュース主宰の橋本清さんが、東京デスロック主宰・多田淳之介 氏、中野成樹+フランケンズ主宰の中野成樹 氏を迎えて、「古典戯曲を現代に立ち上げること」「古典戯曲と今生きている観客が出会う場を作ること」などについて語り合います。


 
こちらのプレイベント売れ行き好調で、武蔵野文化事業団での取扱分が残りわずかとなっています。アルテ友の会会員・武蔵野市民の方は本公演とプレイベントのセット券をご購入だとプレイベントは実質無料で3日ともご参加いただけます。この特別価格分チケットの取扱は武蔵野文化事業団のみですので、ご興味のある方はお早めにご予約をどうぞ!


プレイベント内容詳細:
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2013/01/post-13.html


実は私、ワークショップに参加したいんですよね・・・面白そうだなあ・・・・・・

 

ダンス・ダンス・ダンス

投稿者:I.D

2月に吉祥寺シアターで急遽決定した公演のご案内です。

 

本当に急に決まったため、会報小冊子「インフォメーション」にも載らず、チラシだけでご案内した「KENTARO!!とダンスを本気で楽しむプロジェクト 発表公演」です。

 

そのお値段はなんと!なんと!の100円 !!! ダンスに興味のある方はもちろん、いままでダンスを観たことがない方も、未知の世界を覗きに来てみてください。日曜日に時間が空いたから吉祥寺をお散歩してたら、見たことがないちょっと興味そそる妖しげな店があったからふらりと入ってみた、みたいな感覚でいいと思います。100円だから懐を痛めることなく冒険できますね!

 

100円だからたいしたことないのでは…と思う方もいるかもしれません。いえいえ、もちろん手抜きは一切なし!

今年1月にニューヨークで公演を行い、そのHIPHOPを中心としたテクニックをベースとしながらも、既存のスタイルとはかけ離れた独自の表現はニューヨーク・タイムズにも絶賛された振付家/ダンサーのKENTARO!!(ケンタロウ)さんの魅力を存分に味わっていただきます。

 

この公演3部構成となっており、KENTARO!!さんが本気で踊り、本気で指導します。

1. KENTARO!!さんのソロ・ダンス

2 .KENTARO!!さん率いるダンス・グループ「東京ELECTROCK STAIRS」によるパフォーマンス

3. KENTARO!!さんのワークショップを受けた方のパフォーマンス

 

この3番目のワークショップは学生さんと、学校の先生を対象としていますが、応募締め切りは2月10日。明後日です。応募条件に当てはまり、ダンスへの情熱が漲るあなた!まだ間に合います!今すぐ応募すれば、2月24日には吉祥寺シアターの舞台に立ててしまうのです。ワークショップの詳細はこちらをご覧ください。

http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventworkshop/2012/05/-2012.html

 

「KENTARO!!とダンスを本気で楽しむプロジェクト 発表公演」の詳細はこちら

http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2013/01/post-14.html

 

 

平日のマチネ公演に行く背徳感

投稿者:ひよこちゃん


昨日発売の公演で完売一番乗りとなったのは「クレメンス・ハーゲン(チェロ)&河村尚子(ピアノ)」の公演でした。
こちらの公演は平日のマチネ(昼公演)だったのですが、「平日の昼でもOK」と4ヶ月先の予定を入れられるお客様がざっと500人近くいらっしゃるとは・・・!皆さまなかなかの好き者ですね。


私を含め、文化会館のスタッフは土日祝も関係なくシフト制で勤務しておりますし、しかも水曜日が休館日なので皆バンバン平日のマチネにも行っているはずです(他のスタッフが休日に何をしているかは全く知りませんので、単なる推測ですが)。かく言う私はバンバン行っています。お昼ご飯を食べて、2時くらいからの公演に行って、ちょっとカフェでお茶休憩、そして夜の公演へというのがよくある平日休みの過ごし方でしょうか。
平日のマチネの何が素晴らしいかって、皆が働いている中、自分は勝手気ままに過ごしているという、背徳感にも似た感覚でしょうか。ちょっと悪いことをしているような、いやいやでも全然悪くないんだぜ、みたいな。


平日の昼の時間帯に、昔からよく公演を行っているものの筆頭はやはり落語でしょうか。寄席定席は昼12:00前後から始まり、たっぷり4時間近く行われます。さすがに満席のことは少ないですが、落語家さんがネタにするほどのガラガラ状態にはなかなかお目にかかったことがないですね。いつでも割とお客さんが入っている気がします。
演劇も平日マチネ公演を昔からよく行っていますよね。そして最近、特に増えてきたように感じます。演劇は最近日曜日の夜公演が急速に減っているように感じますので、その分を平日のマチネで増やしているのでしょう。
私が平日の昼によく行くのも、こちらのどちらかですね。


クラシック音楽も確かにちょこちょこあるようですが、ランチタイム・コンサート(無料とかワンコインなんかが多いですよね)のようなものが多いでしょうか。今回の「クレメンス・ハーゲン&河村尚子」公演のような、平日午後2時開演のようなものは個人的にはあまり縁がないです。他のコンサート・ホールのカレンダーなどを見る限り、増えてはいるようですが・・・。
例外はオペラでしょうか。オペラは1公演の時間が長いためか、海外の歌劇場の来日公演や新国立劇場などでも平日マチネがたくさんあります。私も手帳を見たら、4,5,6月に毎月1本ずつ平日マチネのオペラ公演を既に予定に入れていました。私も好き者の一派のようです。

 
 

吉祥寺の街の真ん中で、ワタシ踊ります!

投稿者:ひよこちゃん


昨夜、ミクニヤナイハラプロジェクトの無料イベントが吉祥寺コピスのウッドデッキで始まりました。今日・明日と、このイベントは続き、両日とも18:00と19:00から20分ずつ程度行われます。


シンデレラ!あの時の私に言ってあげたい。」というタイトルの通り、有名な童話「シンデレラ」を現在の矢内原美邦さんの視点から読み換えたストーリーあり、冒頭から激しいダンスあり、と総勢20数名がウッドデッキを所狭しと駆け回り踊りきり演じ上げます。出演者のほとんどはワークショップを経て、この2週間ほどで作品を創り上げたそうですが、そうとは思えないほどの完成度!20分ほどでもしっかりとミクニヤナイハラプロジェクトの作品に仕上がっていることに驚きました。


チケットも予約も何もかも要りません。必要なのはお客様の体と心だけでございます。ご家族でのお食事のついでに、お買い物のついでに、ぶらぶら散歩のついでに、16日は選挙デーなので投票のついでに、もちろんがっつりこれ目当てで観に来ていただけるのも大変嬉しいです!最初から観なくちゃわからない、なんてことは全然ないので、もしも近くを通ったときに、30人近い面々が踊ったり叫んだりしていたら「ちょっと覗いてみるか」ってな感じで、お足を止めていただければと思います。


けいこ場の動画です↓こんなことやってます。



昨夜の写真です。昨日の19時の回はたぶん100人以上の方が観て下さいました!


 
ミクニヤナイハラプロジェクト本公演「静かな一日」は2/14~17に吉祥寺シアターで行われます。プレイベントでご興味を持たれたそこのあなた、ぜひこちらにも足をお運び下さい。

 
 
※注 私ひよこちゃんは踊っておりません。残念ながらとてもあんなに踊れません。

 

カミュの横顔

投稿者:I.D

1月にシアターでマームとジプシーの「あ、ストレンジャー」が上演されます。今年、若手劇作家の登竜門「岸田國士戯曲賞」を受賞した藤田貴大さんの世界を堪能出来る舞台は必見です。

 

この「あ、ストレンジャー」は藤田さんのオリジナル作品ですが、カミュの「異邦人」を原案にしているとのことです。そのカミュの横顔を一つ。カミュというと哲学的とか、政治的とかいう印象があると思いますが、彼は“演劇人”でもあったのです。安部公房、三島由紀夫など演劇に“入れ込んだ”作家がいますが、アルベール・カミュもその一人です。

 

彼は若く無名の頃から「労働座」とか「仲間座」といった劇団を立ち上げ、シングの「西の国の人気者」だとか、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」(カミュ自身がイワンを演じた)、デ・ローハスの「ラ・セレスティーナ」などを上演しており、やがて戯曲の執筆を行っていきます。

 

一番有名な戯曲は「カリギュラ」でしょう。若きローマ皇帝カリギュラが最愛の妹を失い大ショック、そして(ちょっと哲学的に)狂っていって…というお話。創作年代や内容などからしても「異邦人」と深く結びつく作品です。「カリギュラ」初演時の主役はかの絶世の美男俳優ジェラール・フィリップが務めています。このころジェラール・フィリップはまだコンセルヴァトワールの学生でした。役を決める前、カミュはコンセルヴァトワールの卒業試験を受けるジェラール・フィリップを観に行き、彼のことを非常に気に入ってしまったそうです。

 

それから「誤解」「戒厳令」、「正義の人々」と続くほかに翻案もしており、フォークナー原作「尼僧への鎮魂歌」、ドストエフスキー原作「悪霊」、カルデロン・デ・ラ・バルカ作「十字架への献身」、ロペ・デ・ベガ作「オルメドの騎士」などを上演しています。

 

彼の戯曲はジャン=ルイ・バローというフランス演劇界の重鎮も初演してもいますが、特に友人だったマルセル・エランが初演の演出・出演することが多く、マリア・カザレスという名女優もよく彼の作品に主演しています。往年のフランス映画ファンの方は「おおっ」となる名前が並びます。カザレスとカミュは個人的にも長年にわたり深い関係であり、カルデロンとロペ・デ・ベガ(16世紀、17世紀スペイン黄金世紀の劇作家)の翻訳を助けたのも彼女だったとか(カザレスはスペイン人)。マルセル・エラン亡き後は、自ら演出も行っています。

 

こんな演劇と関係の深いカミュですから、死後半世紀以上たった後、極東の国の若者が自分の小説をきっかけに舞台を作るのを喜び、興味しんしんでどこかから見ているかもしれません。