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伝統と、革新

投稿者:Director's Choice

創業寛政○年、変わらぬ伝統の味・・・などというコピーを見ることがある。僕は食べることが大好きで、江戸の料理を出来るだけ忠実に出している料亭などに行ったこともあるが、必ずしもおいしいとはいえなかったりする。


僕は伝統を守ると言うことは、伝統を受け継ぎながら行う革新である、と考えているが、たとえば和菓子などでも江戸時代のものをそのまま出したら今の時代、受け入れることはむずかしいのではないか。(ちなみに僕の好きなオール・ラウンダーの和菓子店は日本橋の長門茗荷谷の一幸庵だ。)


さて、文化事業団は江戸時代から続く糸操り人形劇の「結城座」の公演を長い間行っているが、昨年から古典にこだわらず、新作も上演するようにした。昨年はシェークスピアの「真夏の夜の夢」。今年は石川啄木をテーマにした「笑うタクボク・雲は天才である」(6月30日土曜日、7月1日日曜日、武蔵野芸能劇場)だ。江戸から続く伝統の術を現代においてどう生かすのか。「伝統と革新」というテーマは芸術を志す者にとっては永遠のテーマとなっており、人形劇を観ながら、企画しながら、僕も考え続けている。


【追記】結城座の最新作「笑うタクボク」公演は19日木曜の午後5時現在、6月30日(土)午後2時公演が残券15枚、7月1日(日)午後2時公演が残券14枚、両日完売間近となっております。まだチケットをお持ちでない方は、どうぞお見逃しなく。

  


500円でコンサート、500円でピッツァ

投稿者:Director's Choice


7月にオルガンコンクールのプレ・イベントとしていくつかの500円のコンサートを企画した。チケット代が安いと、あまりたいしたものではないと思うから行かない、、、というお客様に時々出会う。仕事柄年に500回以上の公演を観る私としては、チケット代はとにかく安いと助かる・・・。


今回の500円コンサートシリーズは、普段オルガンにあまり興味を持たれない方々にも、この楽器を楽しんでいただきたいと考えての特別料金で、各々聴き所が違っている。


7/13(金)の田村直美+クリスティーナ・カオリ・林はポップス・ファン向け。ヘヴィメタルどっぷりの中高校生時代を私は過ごしたこともあり、田村直美と言えばPEARLのヴォーカリストなのだが、今PEARLといっても知っている人は少ないのかしら・・・。紅白にも出たロック・クイーンをお楽しみ下さい。


7/19(木)は松居直美さんのレクチャーコンサート。オルガンコンクールの課題曲は一般に知られていないので、コンクールを楽しむためのイントロダクションとしてレクチャーコンサートを行います。あまり他のコンクールでは見たことがありませんが、これを聴けばオルガンコンクールを100倍楽しめる!と考えて松居さんにお願いしました。


7/24(火)のピーターと狼は、今回のためにオルガニストのメルカールトと徳岡めぐみがアレンジを行い、こんにゃく座の豊島理恵が朗読をします。バギーで来られる企画でありながら(0歳児から入場可能)、内容は手抜きなしです。


500円で手抜きなし、という意味で、渋谷/恵比寿のオステリア・ミランの500円のピッツァはお勧めです。ナポリの人からしたらローマのピッツァは江戸前に対してカリフォルニア・ロールみたいなものかもしれませんが、このミラノ風ピッツァはなかなかです。現地ミラノの味と値段をそのまま日本へ!というシェフの心意気が伝わります。

地球最後の日の音楽会と食事

投稿者:Director's Choice

明日、地球が滅んでしまう…、などという空想をすると最後の音楽会が何に当たるかは大きな問題だ。

 

僕は今までに少なくとも6000回位はコンサートに行っているけれど、最後が「え!?」というようなもので終わるのも僕らしいかもしれない。その一方、武蔵野としては今、ルプーツィメルマンホリガーなどの主催事業をやろうとしていて、こうした巨匠達の公演が最後にあたる場合は、ある意味納得できるものかもしれない。特にルプーの小ホール公演は、あの森の奥から夢みるように揺れながら弾く幻想の世界を残響2.2秒の空間で聴くのだがら、最高の贅沢というものだろう。

 

普段ブログでカレーとか中華のことを書いている僕だが、本当はフランス料理とワインバカである。ルプーを聴いた後、家族で最後の食事をレストランでするとしたら…。

 

やはりクリュッグのシャンパンで乾杯し、古い70年代くらいのエルミタージュ・ブランでくらくらと目まいを感じながら魚料理(内容は迷いますね)。鳩と鳩の内臓と、最後だからロマネ・コンティ。大好きな1982年のラフィットを開けて羊。ラ・ヌーブル・ド・コンマの小峰シェフのブラン・マンジェをおかわりして食べて、ロックフォール・チーズをトーストの半分位の大きさに切ってヴィンテージ・ポートに葉巻。あとはシャルトリューズ・ヴェールで酔い続けたい。

 

ルプーが好きな方は、この最後のシャルトリューズで朦朧となっている状態のような至福を、武蔵野の小ホールで味わえるとよいと期待しています。

 

驚異のオーボエ奏者、ハインツ・ホリガー

投稿者:Director's Choice


 
ホリガーはオーボエ奏者、指揮者、作曲家として活躍中だが、オーボエという楽器にソリストとしての光を当てさせたオーボエの革命児であることは周知の事実だ。しかし、70歳を超えた今も現役というのは、本当に奇跡に近い。


ホリガーをよく聴いたのは、小学生の頃だから1970年代のことになる。その頃誰を聴いていたのか思い出してみる。大好きだったピエール・ピエルロ!彼はすぐに思い出す。ローター・コッホ、ハン・デ・ヴリース......インゴ・ゴリツキーはもう少し後に聴き始めたのかしら...。


あ!モーリス・ブルグを忘れてはいけませんね。


フランソワ・ルルーに以前、無伴奏リサイタルを頼んだが、それは本当に素晴らしい演奏で、その武蔵野ライヴはCDになったが、今のルルーに同じことをやって欲しいといっても受け入れてはもらえない。


ホリガーは今や、自分の親しい演奏家たちと室内楽を行うという形で、来日が実現している。もちろん、バリバリのソロを期待する人もいると思うが、このクラスの巨匠になったら、もう本人がやりたいものをやることになる。
武蔵野でのホリガーの演奏会は、ベートーヴェンのクラリネット・トリオ"街の歌"をオーボエ版で演奏するなど、楽しみは尽きない公演となる。


さて、神田に葡萄舎という老夫婦でやっている居酒屋がある。ここのランチ限定のカレーは絶品である。2色(ダブルのルー)で750円。このご夫婦の呼吸も美味しさを引き立てる。美味ナリ。


    

レイチェル・コリー・ダルバはいま、花開こうとしている。

執筆者:Director's choice


7月にレイチェル・コリー・ダルバの日本デビューを開催する。彼女を日本に呼ぼうか真剣に迷ったのは2010年の彼女のワーナーからのCD「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲」がリリースされた頃だった。このイザイのCDは世界の音楽雑誌で賞賛された。(日本は残念ながらこうした世界の情報とは隔たったところで音楽会が作られ、一般の方がヨーロッパの動きを即座に知ることがないのは本当に残念だ。)


しかしこの頃はまだトゥールーズ室内管、ベルン交響楽団、ビール交響楽団にデビューしていたものの、まだキャリアが十分ではなく、もう少しだけ待つことにした。スイスのモントレーを越えた山に住んでいる彼女は、果たして世界のメジャーの舞台に登場するのだろうか・・・。


そして彼女は世界に出てきた。2012年以降は、ロンドンのウィグモア・ホールでリサイタル、ケルン放送響、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ響、フィレンツェのトスカーナ管、トリノのイタリア放送響・・・。1~2年前とは仕事の内容ががらりと変わった。2011年4月にはストラディヴァリウスも手に入れ、今彼女は花開こうとしている。そしてこれは彼女の正念場でもある。


無伴奏のリサイタルが出来るか?と打診すると、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲がやりたいと即答が返ってきた。先日、ヘニング・クラッゲルーもイザイ全曲でリサイタルをやったばかりだが、彼女が世界に出て行くきっかけとなり、世界の音楽雑誌が絶賛したイザイで勝負したい、という気持ちを尊重して、彼女の提案を受け入れた。友の会1,000円という激安価格ですが、二度とこんなことはできないので、興味のある方は今回是非いらしてください。


今日のおすすめの店は、三宿のNOZY COFFEE だ。Fungoでブランチとかモーニングを食べて、NOZY COFFEEに行く。300円でロングのショットグラスで出されたコーヒーを飲む。仕事の原稿を書きながら300円で至福を買う。おすすめしたい(コーヒーの内容、種類は色々選べます)。
  

   

ユリア・コーチ(コッチー)

執筆者:Director's choice


現在ウィーン・フォルクスオーパーが来日しているが、「メリー・ウィドウ」のヴァランシエンヌ役で出ているユリア・コーチ(コッチーとも)は、これまでバーデン歌劇場の来日公演で「椿姫」のヴィオレッタを歌った若手歌手だ。彼女が「フォルクスオーパーと契約した」と聞いたとき、オペラの道で行くのかと思っていた僕は少し意外な気もした。


しかし考えて見ると、ウィーン生まれで、アメリカのマネス音楽院で学んでおり、「ハロー・ドーリー!」など彼女にはもってこいの作品だったのだ。


フォルクスオーパーのウィーン公演では、アンドレア・ボグナー、マラ・マスタリールと共に、トリプル・キャストでヴァランシエンヌ役を歌っている。その中から、バーデンを卒業した彼女が選ばれて、東京でフォルクスオーパーの舞台に立っているのを見ると、嬉しい気持ちになる。


今日のおすすめレストランは、錦糸町の谷記(くき)。ランチメニューが膨大なメニューの中から選べて、青椒肉絲定食が577円で缶コーヒー付き!頭が下がる値段でこの内容。

  

   

ツィメルマン

執筆者:Director's choice


武蔵野は世界中から知られざる新星や名手を紹介することにかけては日本一かもしれない。そうした中で、何度も繰り返して武蔵野に登場する数少ない演奏家がいる。こうした演奏家は、音楽だけでなく人柄的にも素晴らしい方が多い。


ツィメルマンはピアノのメカニックをはじめ、こだわるものについては妥協がなく、むずかしい一面も持っている。しかしマネージャーに対してなど、心を許した者に対しては、まるで「ダチ」という感じで接している。僕の知る日本のマネージャーも世界のマネージャーも、彼の自宅によく行っている。


一番感心したのは、マネージャーが今ステージに出て行くツィメルマンに礼をしたとき、ツィメルマンがステージ袖から一度マネージャーのところに戻ってきて、礼をして、再びステージに出て行くのを見たときかもしれない。半分冗談のようなものなのだが、ツィメルマンの一面を表すものだと思う。


リサイタルは毎回内容が一度たりとも同じではなく、ツアーで同じ曲を3回、別の会場で聴いたら、毎回違っていて、お客さんもその会場ごとにツィメルマンに違う反応と感想を持っていた。


今年のツィメルマンのリサイタルは、ドビュッシーの12のエチュードをメインにするなどという、玄人好みのプログラムだが、あえて一見地味なこの曲集を選んだのには、きっと理由があるに違いない。普通なら前奏曲集1・2巻に取り組むところであろうが、ツィメルマンらしい"通"の選曲なのだ。きっとこのリサイタルを聴いた後は、12のエチュードに対する考えが聴く前と全く違うものになるだろう。


さて、今日のおすすめレストランは、銀座の和食、和久多である。銀座もすっかり様変わりし、グルメ雑誌を見たご婦人がカウンターで鯛茶なんかを食べている。そこで「ねえ、これどうやって食べるの?」と聞いていたりします。


僕が和久多をおすすめするのは、ある意味敷居が高くなく、フラッと入っても席があり、お昼の縁高弁当など2,000円少しで質の高いものだからです。ミシュランの名店に行くのもよいが、普段使いの出来る、気取りのない(しかし内容は充実している)店は、銀座にあってたとえば三亀とともに貴重な店なのだ。


  

レベッカ・ネルセン

執筆者:Director's choice


バーデン歌劇場の来日公演での歌手の水準は年と共に上がっているのではないか。この日本ツアーの"ウワサ"を聞きつけた歌手が次々とオーディションにやって来るようになった。


来日した歌手から何人もの名歌手が誕生しているのをご存じだろうか。2005年の「魔笛」でパミーナを歌っていたレベッカ・ネルセンもその一人だ。最近はドレスデン国立歌劇場で「フィガロの結婚」のスザンナ、「後宮」のブロンデ、「椿姫」のヴィオレッタ、ヴェニスのフェニーチェでも「椿姫」、バイエルンで「後宮」、ラヴェンナで「フィデリオ」などに次々と出演している。来年以降、日本に呼ぼうか、というプランもあるので、成長した彼女を武蔵野で見られるかも知れない。


今回のおすすめはスープカレーの「イエローカンパニー」(恵比寿)である。スープカレーでおいしい店はなかなかないが、この店のチキンカレー(中辛)900円は見事な一本!という感じである。おすすめしたい。

   

ネッド・ローレム

投稿者:Director's Choice

     
ネッド・ローレムのピアノ・トリオのCDを聴く。
ネッド・ローレムといえば歌曲が有名で、作曲家自身がピアノ伴奏を務めたキャロル・ファーレイ盤や、今をときめくスーザン・グラハム盤のCDなどがあるが、若くしてこの世を去ったロレイン・ハント=リーバーソンの歌ったネッド・ローレムも絶品だった。


ローレムのピアノ・トリオは現代の音楽としてはとても聴きやすい。
来シーズン武蔵野で演奏される機会を作ってみたい。

     

さて、今日のおすすめレストランは、インド定食のターリー屋だ。
(ちなみに私の行った店は新宿センタービル店です)


チェーン店はちょっとねぇ...という方も多いと思うが、この値段でこの味ならアリだ。ランチで2色カレーが690円。ナンは小ぶりでおかわり自由。女性なら1枚で男性なら2枚という感じ。インド料理店のナンが食べきれないという女性にはありがたいのではないだろうか。


昨日も某札幌スープカレーを食べたが、値段は倍で楽しみは半分以下...。
ターリー屋はあなどれません。

                     

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執筆者:Director's choice


秋に主催するラテン系のバンドのチラシをつくっていた。まわりのクラシック・ファンはデオダートもトニーニョ・オルタもジャヴァンもジョイスも知らないという・・・。そうか・・・。僕の中ではみんな最高のアーティストなんだけれど。


日本に来ていないピアニスト7人を今後呼べるか改めてリストアップした。隣の音大ピアノ科出身のYくんに僕とは違う耳で聞いてもらうことにする。100人を超すピアニスト(初来日となる人)を半年ぐらいかけて絞り込んだ。それでも最終的に何人呼べるか、お客様に満足してもらえるものを出すのはそう簡単ではない。


さて、今回案内する店は代々木上原にあるとんかつ武信分店だ。ここにメンチの丼がある。銀座YAMAGATAのジューシーメンチのファンも多いと思うが、丼では勝手が違う。しょう油の風味と肉のうま味、、、。1470円とちと高いが、それだけとれる味でもある。