落雷によりホールが停電したとき

投稿者:ヤマネ


誠にもって、コンサートは何が起こるかわからないのです。右の写真はイメージです。


昨晩のゲリラ豪雨は凄まじかったですが。不運なことに、ちょうどローマン・トレーケル バリトン・リサイタルの開場時刻と重なってしまい、お客様にはバケツをひっくり返したような土砂降りの中をお越しいただく、という事態になってしまいました。


さらに、開場後ほどなくして落雷による停電が発生しました。結果的には開演時間を15分遅くすることになりました。ご来場のお客様にはご迷惑をおかけ致しましたこと、お詫び申し上げます。


ポワーン、とすぐに非常灯が点いたので、場内真っ暗!ママー!という大混乱にはなりませんでしたが、裏方はドタンバタンの大騒動でした(←やや誇張あり)。


と言いますのも、この公演はNHKのテレビ収録があったため、NHKの機器が大量に搬入されており、停電から復旧しないとなると「収録が出来ない!」という事態に陥るからです。復旧しても、雷がガンガン鳴り続けている場合、収録をするのは(機器が壊れる可能性があり)危険なのだそうです。


とりあえず電気の復旧を待ちましょうということになりましたが、幸い5分もしないうちに回復したので、一同ほっとしたわけです。


それで、また停電したらどうします?ということで、その時はとりあえず公演を中断し、歌手とピアニストには袖に戻って来て待機して貰う→舞台に当事業団の係の者が出て行きアナウンスをする(停電したらマイクも使えませんから)→待つ。というような感じで段取りを決め、関係者各方面にも申し伝え、今か今かと停電を待ち構え・・・・ては居りません!停電しないといいなー、と思っておりました。


無事にその後は停電することもなく公演は終了、NHKの収録も問題なく、やれやれという事になりました。


いやはや、誠にもって、コンサートは何が起こるかわからないのです。


聞いた話なのですが。フランスのある都市でバレエの公演中に停電があったとき、客席も真っ暗になったそうですが、普通にしーんと静まりかえっていたそうです。そして30分(ながっ!!)ほどして電気が戻ったら、何事も無かったかのように公演が再開した、と・・・。


こういう大陸的おおらかさとでも言うのでしょうか、日本ではなかなか考えられませんね。


   
  

音楽業界の現場で使われる英語シリーズ【2】『Thank you for having me』

投稿者:ヤマネ


演奏家の方からThank you for having meと言われることがたまにあります。どういう意味かお解りになりますか。


このフレーズを口にするのは英語を母語とする方々、特にアメリカ人が多いような気がします。


これは「招待して下さってありがとうございます」というような意味で、試しに今グーグルでこの文を検索してみましたところ、「アメリカでパーティーに招待されたときなどに挨拶として言う」などと出て来ました。その他テレビのインタビュー番組なんかに出演した時にも言う、らしいです。コンサートの場合ですと「演奏する機会を与えてくれて嬉しい」という気持ちの表現になります。


初めて言われた時は一瞬戸惑いましたが、おお、そういう風に言うのかと、なんだか胸に熱いものがジワーッとこみ上げてきたのを思い出します。まるで昨日のように。


haveという単語には実に多様な意味がありますが、こういう使い方もするとは、本当に不思議な感覚がします。「いやいやわけわかんないよこれだから英語は嫌いなんだっ!!!喝だあっ!!」という方も居られるかもしれませんが。・・・・はい、喝ですね、ペタ(ボードに喝マークを貼った音)。


その昔、ご縁があって、アメリカで学んだスリランカ人演奏家の日本ツアーに、一ヶ月ほどマネージャーとして同行したことがあるのですが、その方が何度もいっておられたのは「コンサートの関係者全て、そして聴衆に感謝することを忘れてはダメだ」という事でした。ジュリアード音楽院でうるさいほどに言われたのだ、と仰っていました。


そして自ら進んで実践。各会場で関係者、聴衆に出会えば、直前までどんなにドガア!!と怒りの大噴火をしていたとしても、ニコニコと笑顔で挨拶をし、握手をしておられたのが印象的でした。自戒を込めて書きますが、やはり関係者や聴衆の皆様も、ムスッとした方よりも笑顔の方と接する方がずっと嬉しいですし、会場の誰もが笑顔になれますね。


   
  

「トイトイトイ」という言葉を、聞いたことがありますか?

投稿者:ヤマネ


toi toi toiと書きます。これはどういう時に使われるか。舞台袖で、今まさに舞台へ出て行かんとするアーティストたちが、お互いに向かって口にする言葉です。あるいは舞台監督がアーティストに向かい言う事もあります。


けっこうな頻度で聴きます。が、聴衆の方にはもちろん聞こえませんし、コンサートでの裏方経験がなければ、あまりご存じない言葉かと思います。「へーそんな事言っているのら」と思って頂ければ幸いです。(おっと、まことちゃんのような口調になってしまった!)


これはもとをただせばドイツ語で、魔除けのおまじないなのだそうですが、現代の音楽シーンにおいては、そんなおまじないではなく「演奏がうまくいきますように」とか「がんばれ」とか、そういう類いの意味合いを持ちます。


緊張をほぐすため、気合いを入れるため、まあいろいろな思いが含まれるのでしょうが、要は良い演奏会になりますように、という事です。


ドイツ語なのでドイツ人だけが言うのかと思えばそうでもなく、アメリカ人でも、フランス人でも、フィンランド人でも、(そして日本人でも)言う人は言うので、面白いなと思って見ております。Kawaii(カワイイ)やBento(弁当)が英語化して来ているのと同じような事でしょう。


なお、この他、気合いを入れる言動として、私の体験上で見知っているのは以下の二点です。


(1)「Merde!」(=メルド。フランス語で「糞!」の意味)と叫ぶ。なお、フランス語圏の街中などで、まことちゃんの如き勢いでこの語を大声で叫ぶと、思いっきり眉をひそめられるのでお気をつけ下さい。グワシッ!
(2)床につばを吐く(←さすがにこれはギョッとしました)

  
  
  

コンサートホール超トリビア:指定座席の埋まり方をお教え致します。

投稿者:ヤマネ


「え!もうそんなところしかないの?・・・じゃあいらないわ」


予約電話で、このようなお言葉をいただくことがあります。座席の位置がお気に召さず、購入を断念されるのです。当事業団の公演は、「全席座席指定」が多いので、このようなお言葉を受けるわけです。そんなときは「ちぇー、残念。」と私たちは(ちょっとだけ、ほんのちょびっとだけ)心の中で思っております。


大変興味深いことに、というか、ご想像頂ければ判るかもしれませんが、公演によって、座席の埋まり方にはパターンがあります。とぐろ型、左先行型、前方中心型、並んで座れればどこでも良い型、そして雲竜型です。(最後のは横綱の土俵入りの型ですから関係ありません)


■とぐろ型・・・・基本はこれです。客席の中心から、円を描くように無くなっていきます。真ん中に対する憧れは万国共通だと思われます。わかるわかる。


■左先行型・・・・ピアノのリサイタルあるいはピアノが入る公演はこれ。舞台を見て左側が人気です。その理由は「ピアニストの手が見たいから」。わかるわかる。例えば、つい先日発売したユンディ・リの座席表をご覧下さい。左側が大幅に削られております。


■前方中心型・・・・落語です。前から後ろへと売れて行きます。やはり表情、息づかいなどはなるたけ前で堪能したい、と思われるのでしょう。わかるわかる。


■並んで座れればどこでも良い型・・・・これは親子向け公演がそうです。良さそうな席をこちらで選び、ここはどうですか、と言うと、ほぼ「はいそこでいいです」と言って頂けるので実に快速サックサク!ただし、皆様並びで座りたいので、残券が少なくなると一席だけぽつっ、ぽつっ、と残ります。すなわち、最後がまだらになるのが残念です。「えー?バラバラしかないんですかあ。どうしよう・・・ねえねぇ・・・ゴワゴワガサガサ(受話器の向こうで相談する音)・・・・。じゃあやめときます・・・」(ガクッ)。


続きまして、上の画像の解説を致します。ある日の武蔵野市民文化会館小ホールの売れ行きを示す座席表です。


(1)中心はみんな大好き。「真ん中ブロック」という言葉もみなさん大好きです。もちろん私も好きです。
(2)中心部が売れてくると、今度は通路際の入りやすい座席が売れ始めます。
(3)中には、1列目が大好きな方々も居られます。やっぱり舞台の近くは臨場感もありますから。「もっと前ないの?もっと前!」が合い言葉。(※)
(4)入り口の扉の近く、本当に入ってすぐ、も人気スポットです。「足が悪いから」などという理由を挙げてこちらをお取りになる方も。
(5)最後まで残るのが、中心からも遠く、通路際でもない、後方の座席です。このあたりをご提案しても断れる場合があります。


※・・・「語り得ぬ事については沈黙せねばならない」などの名言で有名な哲学者ウィトゲンシュタインは映画館では必ず1列目に座っていたとか。うむむ、そう思うと何だか1列目が突如哲学的に見えてくるから・・・不思議だ!!


結局のところ、どこが良い席なのか?というのはお客様のお好みです、としか申し上げられないのは心苦しいところです。いやはや、いつもご来場、誠に有難うございます!!


  


  

ユンディ・リの武蔵野リサイタル公演は発売24時間で販売率70%

投稿者:ヤマネ


ユンディ・リのリサイタル、昨日発売致しました。おかげさまで好評です。発売24時間経過した段階で約960枚、7割強のご予約をいただいております。ありがとうございます!


ユンディ・リは、チラシにも書かせて頂きましたが、2000年のショパン国際コンクールで優勝。当時18歳になったばかりで(コンクール中に誕生日を迎えています)、コンクールの歴史上、最も若い優勝者です。


ショパン国際コンクール出身のピアニストと言えば、アルゲリッチ、ポリーニ、アシュケナージ、ツィメルマンなど多くの名前が次々と思い浮かびます。「世界三大コンクール」の一つと言われたりもしますが、今なお世界的に注目度の高いコンクールであることに間違いはない。若いピアニスト達が、栄冠を夢見てコンクールに挑み続けています。なお次回開催は2015年。来年の秋です。


ピアニストを、ちょっと乱暴ではありますが早熟型、大器晩成型と分けるならユンディ・リは早熟型に属するでしょう。びゅーん!と弾けるような才能を若い頃から見せ、キラキラと輝くような魅力を放っていました(今もまだまだ若いですが)。


私の知人に聞いた話ですが、ショパンコンクールを受ける前のユンディ・リが、それまで一度も弾いたことのないソナタ一曲を(記憶が定かでは無いですがショパンのソナタ2番か3番だったのではないかと思います)『明日までに用意して来なさい』と教授に言われ、「一晩で全てを暗譜し、翌朝レッスンに持って行って完璧に弾いて見せた」のだとか!ギャー!!


・・・と言われてもピンとこないでしょうか。周りに音大出身の人がいたら聞いてみて下さい。こういうことは出来るかと。返ってくる答えはだいたい「無理」「不可能」「絶対零度」「ヤメテ!」「敵前逃亡必至!!」そういう類いの内容であると思います。これは滅多な人に出来る事ではありません。一晩努力したら誰でも憶えられる+弾けるようになる、という物ではありません。こういう事が出来る才能を「天才」と言うのでしょう。


コンクール優勝から14年。その天才がどのような成長を遂げているのか・・・!!どうぞお楽しみに。

■11月4日(火) ユンディ・リ ピアノ・リサイタル
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/06/post-327.html
公演詳細およびチケットのご予約は上記URLからどうぞ
  

音楽業界の現場で使われる英語シリーズ【1】『アンコール』

投稿者:ヤマネ


アンコール、という単語は音楽界に欠かせません。プログラムが終わった後に一曲、もしくは数曲演奏する。それがアンコール。あるいはオペラでアリアを歌った後に大喝采が止まないから同じアリアをもう一回歌う、それがアンコール。


私事で恐縮ですが、生まれて初めて行った(連れられていった)コンサートは、記憶が確かなら辻久子(ヴァイオリニスト)の公演でした。私はそのとき何歳だったか。記憶にないですが6~7才でしょう。京都会館第一ホールだったのではないか。そして演奏されたのは多分ヴィヴァルディの「四季」じゃなかったかと思うのですが、それはもう本当に素晴らしい演奏会で、私は感涙にむせび泣いたのでした。


すいませんウソです。私の記憶によると、退屈で退屈で往生しました。演奏がどうこうではなくて、単純にちっとも理解出来なかったのですね。まだ終わらないか、まだ終わらないか。終わったようなのに終わらない、イライラ!(多分楽章が終わっただけだったのでしょう)。


あまりに退屈だったので椅子をぎったんばったんやって、母親にこっぴどく叱られた覚えがあります。ああやっと終わった拍手が始まった、と思ったら今度は辻さんが出たり入ったりする。これは一体何事か。終わって舞台から引っ込んだらそれでオシマイでは無いのか。あげく、アンコールが始まった(また演奏が始まった)ので愕然とした ― 絶 望 ― という禍々しい記憶なのです。振り返ってみれば、辻さんや回りのお客様に申し訳ないことをしたなと反省しきりです。


そういうわけでアンコール/encoreのお勉強です。英語ネイティブが発音すると「アンコア」と聞こえます。私もそれに倣って英語で尋ねるときはアンコア教えてちょう、と聞きます。アンコールと言っても絶対に通じませんので要注意。


ではなぜ日本では「アンコール」というのか?答えは、語源がフランス語だから、だそうです。なるほど!!でもフランス語でちゃんと発音すると"アンコー"とか、せいぜい"アンコーフ"ぐらいにしか聞こえませんし、そもそもあちらではこういう時にはアンコーと言わずbis(ビス)というので、やっぱりお気をつけ下さい。


なおイタリアでもビス/bis、ドイツではツーガーベ/Zugabeと言います。ドイツ強そう。


■オペラのビスの例:
ペルーの大スター!フアン・ディエゴ・フローレスが歌う『連隊の娘』のアリア「友よ、なんと楽しい日」。ハイCと呼ばれる超絶高音が9回出てくるアリアを、お客様の求めに応えて二回歌います。つまり・・・ハイC18連発!!

一回歌い終わり、お客さんが大沸騰する中に混じってブーイングのようなものが聞こえますが、これはビーーーーース!!!と叫んでいるのです。

  
  

弦が切れたときの正しい対応方法 ハープ編

投稿者:ヤマネ


昨日の公演は、エマニュエル・セイソンのハープ・リサイタルでした。若手期待のハーピストと言う事ももちろんありますが、ハープのリサイタルというのはなかなか当事業団ではない公演でしたので、チケットもほぼ即日で完売。ご出席率も非常に高く、小ホールは熱気に包まれました。


男性ハープ奏者のダイナミックな演奏をお楽しみ頂けたようで、終演後は、とてもよかったというお声をたくさんいただきました。ご来場有難うございました。


ところで昨日は公演中にちょっとしたハプニングがありました。ハープの弦が切れました。演奏中ではなくチューニングをしている最中でしたが、ご本人も慣れたもので、全く動揺すること無く、アレまあ、という感じですぐに袖に引っ込み、新しい弦を持って来て張り替えられました。


いつもやっておられるからでしょう、あれよあれよという間に終わった、流れるような一連の張り替え行程を間近に見られて、なかなか興味深いものがありました。おー、こうやって張り替えるのかなるほどなるほど、わかるわかる。と思いながら見ておりましたが、個人的には最後にニッパーのようなもので余った弦をパチンと切った所に、わけもなくぐっと来ました。


何よりもご本人の冷静な対応に感銘を受けましたが、なかなか見られない現場を目撃でき、お客様も色々な意味でご満足頂けたのではないでしょうか。昨晩はNHKのテレビ収録がありましたが、もちろん張り替えのシーンは放映されないでしょうから、ご来場いただいたお客様だけが目撃者なのです。


■ハープの弦の張り替え方は以下のページで。動画もあります(銀座十字屋のサイト)
http://www.ginzajujiya.com/jiten/strings2.html


  

  
  

シューベルトのザ・グレイトの数字問題

投稿者:ヤマネ


今夜演奏されますシューベルトのザ・グレイトという交響曲はやっかいです。何がやっかいかって、数字がおかしいんです。9番と呼んだり、8番とか、7番とか、そういう呼び方もするからです。


なぜか。音楽学者の方達が、完成している交響曲の中では何番だ、とか、未完のものも含めると何番だ、いや、演奏できる交響曲の中で何番だ、と、新しい意見を出したりしたためで、こう言ってはナニですが、我々としましてはなかなか混乱する話であります。


先日、お客様よりお問い合わせを頂きました。「グレイトは8番なのか、9番なのか。グレイトって8番と言っているところもあるけどあなたたちのチラシには9番って書いてあるわよ。8番って言うと未完成っていう作品じゃ無いのですか、どっちが正しいの?」というわけで15分ぐらいご説明を差し上げましたが結局お客様はハテナマークのまま。ご理解頂けず終わってしまったのは私の不徳の致すところです。えっ、えっ、7番って何よ!どういうこと!?・・・えーとえーと・・・すいません。


・・・・ご存じでしょうか。欧州では、番号よりも調号の方を優先的に考えるようです。ザ・グレイトなら「シューベルトのハ長調交響曲、大きい方」という風に言ったりします(シューベルトのハ長調の交響曲は2曲あるから)し、ベートーヴェンの「運命」は「ベートーヴェンのハ短調交響曲」Beethoven's c minor symphonyなどというのです。これなら多分混乱しません。・・・いや、やっぱ混乱するか・・・。


今度試しにご友人に「きみきみ、あのさあ、ショパンの変ロ短調のソナタの事なんだけど・・・」などと言ってみて下さい。何だかわかりませんが、ちょっとだけ自分が賢くなったんではないか、そんな錯覚を楽しめますよっ!(あくまでも錯覚)

  
  

来週火曜日開催ハンガリー国立フィルと、フカヒレスープ

投稿者:ヤマネ


子供の頃「今日は食べに行こうか」と言われると心が弾んだものでした(今でもそうですが)。


ちょっと気取ったレストランでも、あるいはそれがたとえ近所の中華料理屋であったとしても、外食というのは特別な感じがしたものです。たまにはちょっと高めの、凝った料理を食べたりなんかして。(皆様も子供の頃の、いや今でももちろん結構ですが、通われたレストランの事を想起してみてください)。


当事業団で開催する公演も、皆様の御用達レストランのように捉えていただけると嬉しいと思っております。ちょっと外でコンサートでも聴こうかな・・・。そうだ、文化会館へ。


公演の場合は、チケットを買わなければなりませんから、思いついたら今夜行く、というわけには行きませんが、ちょっとした外出から、背伸びをした外出まで、幅広くカバーしたい。


だからこそ、1000円で聞ける公演があったり、先日のキーシンのような1万円を超す公演があったりと、幅があります。もちろん、チケットが安ければいい、とか、高い方が、とかそういうわけでは無く、それぞれに良さがありますから、先入観にとらわれることなく、色々と聴いて頂きたいなと思います。


来週の火曜日に予定されているハンガリー国立フィルの演奏会は、ちょっと頑張って(背伸びをして)でも聴いていただきたい本格派な公演です。指揮者であり、この公演でピアノも演奏するゾルタン・コチシュは、クラシック音楽に関わっている人なら必ず知っているハンガリーを代表する名手の一人です。


コチシュは、乱暴な例えですが、サッカー選手ならナショナルチームのキャプテンの様な存在でしょうか。高い実力、名声を持った素晴らしい音楽家、司令塔なのです。「ハンガリー音楽界の」ロッベン、いや、ファンペルシーなのであります!!バーン!!(←二人の差がいまいちよくわかっていません)


そのコチシュが"オーケストラのナショナルチーム"とでも言える、ハンガリー国立フィルを率いて武蔵野にやって来ます。『是非シューベルトの交響曲「グレイト」を演奏したい』とコチシュ本人からのたっての希望で実現する、たった一回だけの武蔵野特別プログラムでの公演です。


グレイトという曲は、また例えになりますが、フカヒレスープのように、複雑な香りが口にパアアアアアーっと溢れる実に見事な作品、シューベルトの才能の集大成なのです(シューベルトの書いた最高の交響曲です)。そんな作品を、自ら是非にと希望して演奏するのですから、コチシュも、オーケストラにも力が入る事は間違いない。つまり、素晴らしい公演になる確率が高いのであります!!


そう、フカヒレに例えるわけですから、チケット料金はちょっとお高く、6,300円(友の会料金)します。しかし時には「ちょっと背伸びをして」聴いて頂きたい、と思います。たまには、チャーハンや天津飯ではなくフカヒレも食べてみたいっ!!・・・きっとご満足いただけると確信しております。


近所のレストランでも時にはちょっと高価な料理を。コンサートでも、時には背伸びを。


■6月24日(来週の火曜日)開催!ハンガリー国立フィル公演詳細:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/01/hangari-kokuritu.html
チケットは、まだ若干残りがございます


インターネット予約は: 上記URLをクリック!
電話予約は: 0422-54-8822


  

公演の決まり方:サラ・マリア・ズン(ソプラノ)の場合 2/2

投稿者:ヤマネ


前回の続きです。前半はこちらからお読み下さい


しかしこのズンさん(いやしかし変わった名前ですね!ズンSunとは。)は、現代音楽を得意としておられる方だったので、躊躇しました。ご承知のとおり、現代音楽の演奏会は、多くのお客さんに来ていただくことが非常に難しいのです。


ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、そういう作曲家の作品ならある程度のお客様を見込めますが、現代と呼ばれる作曲家の作品は、どんなに自分たちが「ギョエー、面白いようですよこれは!」と思っても、あ、カーター(←現代音楽作曲家の名前)ね・・・ポイッ(ちらしを捨てた音)。リゲティ・・・・ははぁ、ポイッ。サーリアホ・・・ポイッ。シュライエルマッハー・・・ビリビリッ。以上。終了。


少なくとも私はデュシャンの便器を見て感動はしませんがね。


おっと話がずれました。ともかく、現代音楽の公演は、なかなかお客様に来て頂けません。なので、私も消極的だったわけです。


でも「メシアンのハラウィが出来ると言っているけど、それでも無理ですか」と再度提案され、なるほど・・・と心が動きました。


メシアン作品は、専門家と一部のコアなファンだけではなく、より広範な方々に関心を持って頂ける可能性のある数少ない作曲家だ、と私は思っておりますが、それでもやはり、一般的には人気がない。武蔵野ではかつて、メシアンのオルガン曲全曲演奏会をやっておりますが「不協和音ばかり聞かされて参った」「あれが音楽なのか?」という厳しいご意見も聞きました。


しかし、不協和音と言っても一口ではくくれません。メシアンの書いた不協和音は、ため息が出るほど、劇的なまでに美しい。


なので、これはチャンスだな。そう思いました。ハラウィはメシアン自身がすごく気に入っていた作品であり、長さも60分ほどと、メシアンにしては手頃なサイズです。そうだ、京都、行こう、じゃないですけど、そうだ、トーク、付けよう。「どうでしょう?」と皆に尋ね、面白そうだ、となったので「決まり」となりました。


いきなりハラウィだけやったところで「わけ判らんかったであんちゃん。おっちゃん困ってもうたわ。」と言われる危険もあります。曲目の解説を事前に聞いていただくことで、初めての方にはメシアンの音楽という豊穣への扉をバシーン!と開いて頂きたい、メシアン大好きという方にはその理解をいっそう深めて頂きたい、と思いました。


トークの了解も得て、公演が成立することとなりました。この公演のピアニストを務められる中川賢一さんとお二人でトークをして下さいます。


心配していた券売も好調で、発売から10日でチケットは残り54枚(全470枚)と、「全然売れないのでは」という危惧は吹き飛びました。皆様のご予約と好奇心に感謝いたします。公演が楽しみです。


■8月21日(木)「サラ・マリア・ズン ソプラノ・リサイタル」
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/05/post-314.html
公演詳細とチケットのご予約は上記URLからどうぞ