外国人アーティストとの正しいお話の仕方

投稿者:ヤマネ


外国人アーティスト、というとちょっと構えてしまう、という方も居られるかも知れません。「すごい人が目の私の目の前に」とか思うと、舞い上がってしまって、いやはや、何をしゃべってよいのやら、さっぱり判らぬ、キャッキャッキャー!という状況に立ち及んでしまわれる事があるでしょうか。実際、見ていてこちらが気の毒になってしまうほど緊張される方もおられます。


しかし、アーティストも人の子であります。神様のような腕前を持っていても、神様ではありません。ですので、ごく普通に接するのが一番良いです。ものすごい尊敬の念で見たりとか、恐ろしく気を遣ったり、とか、そちらの方がとかえって重たく感じられるかも知れません。


・・・たしかにアーティストには様々な伝説がまとわりついている事があります。ロックスタ-が夜中にホテルで暴れて部屋をぶっ壊したとか、止めに入った人たちを投げ飛ばしたとか、冷蔵庫を放り投げたとか、そういう類いの話です(関係者一同平謝り)。私の関わっているクラシック音楽業界でも、そこまで凄い話は聴いたことがありませんが、まあたまにあります。


早朝5時に電話してきて、今すぐマクドナルドのハンバーガーが食べたい、持ってこなければ今夜の演奏会はキャンセル、と言った人がいるとか(まだマクドナルドが24時間化する前の話)、飛行機のタラップを下りたらそこまで車で迎えに来て私は一歩もそこから動かない、と言った人がいるとかいないとか。まあそういう伝説を持つ人はゼロではありません。


が、そこまで難しい人は限りなくゼロ、ほとんどいないのが現実です。基本は普通にお話しするのがよいです。おしゃべり好きだと判ったら、会話の中で軽くぼけたり突っ込んだりするとなおよいです。何でもフランクに、それが上手な会話のやり方です。


ただし、あまりしつこいのはNGです。しつこい方の好感度は低いと思います。お気をつけ下さい。「腹八分」という言葉があります。もうちょっといいかな?と思うぐらいで引く、それが良いのでは無いかと存じます。


以上、何の役に立つのかイマイチよくわからない情報でしたが、今後のご参考になさって下さい。

  
 


  

日本人の手足はやはり短いのか。

投稿者:ヤマネ


日本人は手足が短い。手足が短い。


二度、いや都合三度も書いて申し訳ありません。しかし、欧米人と比べ、私達はどうやら手足が短いようなのです。自分たちを貶めたいわけではなく、事実を淡々と書いております。しかしなぜ、こんな事を書くか。


写真をご覧ください。これは先日のウィーン室内管の、公演前の舞台上の状況を実況しているものなのですが、よくよくご覧いただくと・・・二段重ねになっている椅子が、、ある。


これは、日本用に作られた椅子では低すぎる、という事をさりげなく、だが決然と主張している写真なのである。次回、来日オーケストラの公演に行かれたら、舞台をよくご覧頂きたい。二段重ねの椅子がいくつもあることに気づかれるだろうから。


あるいは、ピアノ・リサイタルで背の高い人が出てきたら足元を御覧いただきたい(例えばイーヴォ・ポゴレリチとか)。窮屈そうに足が鍵盤の下に収められているから。このような現象は、日本人ではまず起こり得ないのであります。


ハハハそんな事言うけど、欧米の人だってちっさい人いますやん、マラドーナとか(マラドーナさんすいません)、ダニー・デヴィートとか(ダニー・デヴィートさんごめんなさい)。


と、思われるでしょう?それがそう簡単でもないのですよ。


私の人生での経験ですが(1)ベルギーのアントワープでスーツを買ったことがあるのですが、試着をした時に、お店のお兄さんが真っ赤な顔をして一生懸命やってくれたこと。それは・・・・パンツの猛烈なる裾上げでした。


足元を見ておっ、おっ、これは・・・と絶句しているので、短いっすよねアジア人なんで・・・すません・・。と言ったら少しバツの悪そうな顔をされたのが忘れられません。


(2)ミラノで既成品のワイシャツを買ったのですが、着てみてびっくり、袖がダルダルっとたるんでいらっしゃる。実に長いのです。首周りそのほかはぴったりでしたので、やはり私の手の方が短いのだと結論付けざるをえない。


なお、そのシャツについては、吉祥寺のAというお店に行き、丈を詰めてもらったのですが、そうしたら今度は、何たることか、短くなりすぎました。・・・人生とはそういうものなのです。


■ポゴレリチのショパン・コンクール(1980年)のYouTubeを御覧ください。
ショパンのバラード第2番。まさに「化け物だ!」と叫びたくなる強烈な演奏ですが、足元の窮屈さにもご注目。足長っ!!(特にひざ下)

  

グランドピアノからフタが外れるとき

投稿者:ヤマネ


グランドピアノには蓋があります。あれは何のためにあるのかご存じですか。正解は、雨が降っても大丈夫な様に、です。


ウソですから信じないで下さい。フタは斜めに、客席の方向にパカッと開きますから、それによって、音が客席の方向にうまく飛んでいくようになっているのですね。しかし、今夜のウィーン室内管弦楽団(完売)の公演では、ピアノが変わった方角を向いております。普段とは90度違う向きをしておりまして、客席に鍵盤が見えるように配置されております。しかも、フタも外されている。


これはなぜか。ピアニストが指揮者も兼業でやるからなのです。これを専門用語で「弾き振り」と言います。そのままで申し訳ありません。こういう向きにすると、オーケストラ全体が見渡せるので、指揮がしやすいですね。自分でやったことがないので本当のところは判りませんが、多分そうです。


その代わり、フタにとっては災難です。フタをこの向きで開けますと舞台の上手(客席から見て右)の方向に音が飛んで言ってしまう上に、指揮者&ピアニストから死角が生じ、うまく指揮できないのですね。おやまあ。


じゃあどうするのかというと、フタなんか取っ払っちまえ面倒くせえ、という江戸っ子になるわけです。こうすることで、ある程度の音量を確保しつつ、指揮もピアノ演奏もしやすいという状態が発生するのです。フタを取る作業はいささか難解でして、スッとずらして抜く、以上です。・・・あ、抜けた。拍子抜けするほど簡単だ。


ごく稀に、変わった向きを指定するピアニストもいますが(私が見た事があるのは、オッリ・ムストネンというピアニストがNHK交響楽団を相手に弾き振りをした時で、少し角度がついていて70度ぐらいでした)、基本的にはこの向きです。


今夜の演奏をご堪能頂けましたら、今月はもう一度、このスタイルを見る機会があります。6月24日(火)ゾルタン・コチシュ指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の公演です。この日はハンガリーの生んだ偉大な天才コチシュが弾き振りをします。


なんと言う奇蹟かチケットが若干余っておりますので、気になると言う方は是非お越し下さい。


6/24ハンガリー国立フィルの公演詳細とチケットは以下のアドレスから:
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/01/hangari-kokuritu.html


  

■実際に弾き振りをしているyoutubeを。我らが内田光子の弾き振り!!


  

外国人女性は、日本の化粧品が好きなのか

投稿者:ヤマネ


一昨日のローザ・フェオーラは素晴らしい可能性を感じるソプラノ歌手でした。力強い声を持っており、高い音まで楽々と出ていましたし、なかなか見事でした。これから一流歌劇場でさらにじわじわと出てくるかも知れませんね。


もちろん、出てこない、かも知れません。キャリアを築くというのは極めて難しい事で、本当に一握りの人だけしかピラミッドの頂点を極められません。マー君とハンケッチ・プリンスの例を持ち出すまでもなく、才能、努力、運など、全てがうまく噛み合って初めて、スターになれるのです。残酷ですが、それがつらい現実です。


さて、ここより後の話は、昨日のフェオーラとは関係がありませんのでお間違えの無いよう。


私は男ですから、化粧品の事は全然判りません。幸か不幸か、私の妻もあまり化粧をしないので、ますます判りません。妻は化粧をしなくても十分に美しいのです。あ、歯が浮きました。ガコガコッ。


外国人の、特に女性のアーティストと会話をしていて出てくるキーワードの一つが「日本の化粧品」です。そう、皆さんはお気づきかどうか判りませんが、日本の化粧品は海外でかなりというか、めちゃくちゃに評判が高い。・・・え、化粧品ってシャネルとかサン=ローランとかディオールとか、そういうところがいいんじゃ無いの?


チッチッチ。日本の化粧品のクオリティをなめてはいけません。日本に来たついでに買って帰りたい、ジャパニーズ・コスメを!と思う方は結構おられるのです。日本とは気候や肌が異なるので、本当にいいのかな、とチラッとだけ思うのですが、難しい事は考えないようにしております。


若い女性アーティストの、そうですね、3人に1人ぐらいが日本の化粧品最高!シセイドー最高!などと言って下さいます。つい先日も、シセイドーとかカネボーとかを買って帰るからどこに行けばいいのか教えて下さいやがれませ。と尋ねてきた女性歌手がいました。


私は嬉しくなってニコニコして、じゃあSK-IIも買わないとね、と言うと顔を暗くして、「オオゥゥウウSK-IIハ、ベリベリ、高イーネ、ムリムリ」と言います。そうなのです。SK-IIは高嶺の花なのです。(厳密にはSK-IIは日本製とは言っても、マックスファクター(アメリカの会社)の製品なのだそうですが。)


これまで私の経験上ただ一人だけ、「SK-IIのフェイスパックをいっぱい買って帰らなきゃ」「ヨーロッパでは1枚10ユーロとかするんだYO.」「良くわからないけど何かしらいっぱいお肌にいい物がジュワッと入っていると思うのYO」と言った欧州人が居ました。素晴らしい!・・・なお、そう熱く語ったのは男性でした。

  
  

成田空港への、正しいお迎えの仕方 後編

投稿者:ヤマネ


続きです。前編はこちらからお読み下さい


お迎えの前日。私は良き時刻に成田空港に着くべく、ヤフー路線情報を見てスケジュールを立てます。


武蔵野市からですと、電車だとだいたい2時間を見込みます。例えば09:30が定刻だとします。であれば07:30に三鷹駅を通過するぐらいで間に合うでしょう。そういうことなら何時に起きて準備をして何時に家を出て、と計算します。


そして当日朝。目が覚めたらまずスマホで成田空港のサイトにアクセス。飛行機の到着時刻に変更がないか確認します。


飛行機はけっこう時刻にルーズです。50分遅刻、とか45分早着、とか、それはもう日常茶飯事。ですからこの調査は必須です。フライトがキャンセルされていた、という最悪の事例もありますが、まあこれは滅多にないのでここでは触れません。


で、いざ成田空港に着きますと、到着ロビーで延々と待つわけです。いろいろな人がジャンジャン出て来ますので、見逃さないように目を皿にするわけです。緊張の一瞬です。ぱっと横を見ると、テレビ東京のYouは何しに日本へ?のロケをしている人たちがいます。あれは、ここだけの話?本当にその辺の外人さんに突撃しています。断られているケースも見かけます。毎回毎回がハラハラドキドキです。


脱線しました。「Mr. OOOXXXX」などと書かれたネームカードを掲げて待っている人たちもいますが、私はひたすらGoogle画像検索で調べた顔写真を頭に焼き付け、カッ!と出口を見据えるわけです。藤子不二雄の傑作漫画「モジャ公」の仇討ちの話(←判る方、「同志」と呼ばせて下さい)ではないですけれども、外国人の顔はどなたもけっこう似通って見えたりしますから注意が必要です。


それで、写真と現実とがあまりにも食い違っている場合、若干悲しい思いをする羽目になります。


例えば・・・・(1)写真よりも現実は(いささか~したたか)重量級であられる。(2)すっぴんで出て来たand/orぶっといメガネをしている。(3)写真よりもずっと頭頂部が豊かに輝いている(男性限定)もしくは髪型がまるきり違う、などの場合です。意外な落とし穴として(4)髪の色が違う、という点もありましょう。黒髪を待ち受けていたのにブロンドやグレーですと、面食らいます。


失敗談。もちろんございます。ええ、ええ。私は個人的にはこの、(1)体重編で、お一方、見損なった事があります。しばらく「来ないな来ないなー」と思っていると、ロビーの向こうの方で「居ないな居ないなー」と行ったり来たりしている(ふくよかで身長もお低めの)女性が。


もしや、いやまさかひょっとして、そんなことは・・・と思いつつ(失礼な奴)お声がけをしてみましたところ、ドンピシャだったというお話。顔写真から勝手に「体型」と「身長」を補完していた私であります。冷たい汗が流れたのであります。ともかくニッコリ笑って握手できましたから、とりあえず結果オーライ。(・・・なのか?)

  
  

成田空港への、正しいお迎えの仕方 前編

投稿者:ヤマネ


成田空港に、出演者を迎えに行くという行為はドキドキなのです。以下の理由でそうなのです。


1:見付けられなかったらどうしよう
2:飛行機に乗っていなかったらどうしよう
3:荷物が行方不明になってたらどうしよう


今回はこの「見付けられなかったらどうしよう」的な悩みについて告白致します。2と3については、またいずれお話する機会もございますでしょう。

ポップスターや人気スポーツ選手なら、すぐにそれと判るほど空港の一角が盛り上がっていますから見つけ損なうと言うことはまずない。しかし、私たちが迎えに行くのはクラシック音楽の演奏家であり、それは何かというと、もっとずっと地味なのですね。


ヴァイオリニストや、チェリストなど楽器を持ち歩く人たちであればすぐに判りますが、ピアニスト、声楽家、指揮者と言った人たちはそういうわけには行きません。


彼らは名札を付けて出てくるわけではありません。それとすぐわかる格好をしているわけでもありません。そもそもスーツを着てバリッと決めている人はまずいません。せいぜいジャケットを着用している人が居られるぐらいで、上下ジャージとか、そういうトレパンな人もたまにいます。(アーティストに対するイメージが崩れたら申し訳ありません。ですが、長距離移動は楽な格好がオススメ。)


到着してからも入国審査や荷物引き取りなどがあり、到着後何分でロビーに出てくるのかはっきりしない、という点もまた、緊張感の高まる理由でありましょう。


まあそうは言いましても、だいたいの目安はあります。ビジネスクラスなら到着後20-45分ぐらい。エコノミークラスなら30-75分ぐらいの間にロビーに出てこられる場合が多いですね。エコノミーで30分なら「おお、早い!」と興奮し、1時間20分を超しても出てこないのであれば、そろそろ焦り始めて良いでしょう。ちなみに私の今までの体験では95分というのが一番長かったですね。「いやあ、荷物が全然出てこなくってさあー」byパレチニ・・・・って何の役に立つのでしょうかこの情報は。


次回に続きます

   

投票結果:最も嫌われているクラシック音楽10曲

投稿者:ヤマネ


朝。目が覚めた。何と爽やかな目覚めだろう。豆を12gきっちりと計る。今日の豆はブラジル・セニョール・ニキーニョだ。それをゆっくりと挽き、ペーパーフィルターを用意。少量のお湯で豆を蒸らしたのち、そっ、とお湯を注いでゆく。ふわっとした香りが、リビングを満たす。


そうしてそのコオフィを、バタを塗ったブレッドと共にいただきながら、窓の外に目をやる。今日、生まれたばかりの朝を満喫。そう、今日という日の朝は、いま生まれたばかりなのだ。パソコンにゆっくり目を落とし・・・コオフィがブーッッ!!!!


前置きが意味不明で、しかも長くて申し訳ありません。要するに、エイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団(ロンドンを拠点とするメジャーな古楽器オーケストラ)のツイッターに「さあさあ、あなたの投票が決める、最も嫌いなクラシックの10曲投票結果を発表しますよ!」の文字が躍っていたのでした。


好きな曲を投票、と言うのはしばしばありますが、その逆というのはなかなかないですね。ジョーク、皮肉、自虐の国イギリスならではと言った企画でしょうか。ヘタすると炎上しかねないような試みです。いやー、なんじゃこりゃー。


「こんな曲を聴くならブリトニー・スピアーズのほうがいい!と思うような曲を投票してくれよ!」と言う、よくわからないノリでアナウンスされていた投票は4月15日から約1ヶ月間、可能だったそうです。多くのみなさんが面白がって投票されたのでしょうか。


投票総数とか個別のコメントとかはないので(皆様からの反応に大爆笑させて頂きました、とは書かれていましたが)、どこまで信頼できるのか、という疑問も、ちょっぴりありますが、ともかくトップ10が発表されておりましたので、列記してみます。


10位 威風堂々(エルガー)
9位 序曲「1812年」(チャイコフスキー)
8位 レクイエム(モーツァルト)
7位 交響曲第9番(ベートーヴェン)
6位 ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)
5位 鏡の中の鏡(アルヴォ・ペルト)
4位 エリーゼのために(ベートーヴェン)
3位 ボレロ(ラヴェル)
2位 カノン(パッヘルベル)


なるほど、聞き飽きた、と言われてもおかしくない作品も並んでおりますが、それにしてもあの曲やこの曲は・・・いえ、何でもございません。愛しさ余って憎さ100倍、なのでしょうか。ボレロ、好きだけどなー。


そして気になる堂々の優勝は・・・・ヴォーン・ウィリアムスの「揚げひばり」でありますっ!ジャジャーン!!・・・・は?


いやこの結果には目をぱちくりさせました。イギリスだからこの曲なのでしょうか。


■エイジ・オブ・エンライトゥメント管の該当ページ:
http://www.oae.co.uk/hall-shame/
(各曲にyoutubeも貼り付けられています。)

  
    

ピアノ好きなら「ピアノマニア」

投稿者:ヤマネ


昔はけっこう映画を観ていたのに、と最近思う事があります。


武満徹は年に300本ぐらい観ていたそうですが、それにはもちろん全然届きませんが、高校生の頃から年50-100本ぐらいは観ていたと思います。映画館にも行きましたが、貧乏なのでレンタルが多かったです。


合計4年ほど、新宿に近い渋谷区のボロアパートに住んでいたので、新宿のツタヤにもよく通ったものでした。とりあえず全部観とけやー!みたいな勢いでハリウッド映画はもちろん、思いつくままに記していくとアンゲロプロス、キアロスタミ、クストリッツァ、エリセ、パゾリーニ、カウリスマキ、コーエン兄弟、男はつらいよなど、棚の右から左へ、という勢いで借りては観、借りては観、していました。「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」とか強烈に面白かったなー。


ホラーは絶対観ません。怖いから。「仄暗い水の底から」を新宿の映画館で(もちろん一人で)観ていて、ドッキリー!シーンで恐怖の余り文字通り座席から20センチぐらい飛び上がったのは懐かしい思い出です。


最近はそんな映画もあまり観なくなりました。


一ヶ月ほど前に観た「ピアノマニア」(→公式サイト)。面白い映画でした。マニアックなウィーン在の調律師のドキュメンタリーです。ウィーンのコンツェルトハウスと、ピアニストのピエール=ローラン・エマールを中心に描かれたドキュメント。


ピアノに対する色々な試みがうまくいったりうまくいかなかったりする瞬間も描かれています。特に、試してみたアイデアがうまく行かなかった(不評だった)、という状況も収められていて、むしろそちらの方が面白いと言いますか、ためになると言いますか。


何でも試してみて、たとえそれは失敗するかもしれないのだが、そうやって失敗しながら、そこから何かを学び取り成長していくんですよね人は。試してみないところに成長はない、と。言ってみれば平凡で当たり前の事なのですが、当然と思える事を忘れないように、ということを再認識させられた映画でした。


ピアノが好きという方なら一度観て損はない映画だと思います。エマールのドイツ語も聞けます。

  
    

ヤナーチェクはお好き

投稿者:ヤマネ


村上春樹の小説で少しばかり知名度の上昇したヤナーチェクですが(あるいは映画「存在の耐えられない軽さ」でも)、ヤナーチェクの超絶スンバラなピアノ曲の数々を詳しくご存じの方はどれほど居られるでしょうか。


今夜、カーチャ・アペキシェヴァ(ピアノ・リサイタル)の公演で、彼女が前半に弾く曲の中にヤナーチェクが入っています。私はヤナーチェクが大好きでして、だからどうやねんと言われるとまあそれまでですが、あのしょんぼりーっとした感じに、たまらなく胸をかきむしられます。


幸か不幸か、私はピアノが少々弾けますので、時折ヤナーチェクのピアノ曲をぽつぽつと弾いてはムグググググー、いい曲だああーー!!と鍵盤の前で絶叫するわけです。そして幸か不幸か、私の部屋にはオーディオもありますので、たまにヤナーチェクのピアノ曲の入ったCDを回して、グググググー、いい曲ダー!!と興奮するわけです。


そんな時は、うちの自宅の2匹の猫たちも、いい曲だね!ニャニャニャーン!と言って、私と一緒にダンスしてくれます。・・・ウソです。奴らは徹頭徹尾ヤナーチェクには無関心だ。


今夜演奏される作品集「霧の中で」も絶妙なまでに美しい作品で、ほぉおーーっとため息が出ます。淋しいんですよ。孤独なんですよ。ヤナーチェクは基本的に。だからこそ、寂しがり屋な(?)現代人である私たちも、心を締め付けられるのではないでしょうか。


プログラムの後半はムソルグスキー「展覧会の絵」。天才的なひらめきで生まれた巨大作品が演奏されます。この作品を目当てにお越しになる方も少なからず居られるかとは思いますが、私の個人的な気持ちとしては、ヤナーチェクの世界にも触れてジーンとなって頂きたいと思っております。何でしたらドラえもんの秘密道具「ジーンマイク」(→Wikipedia)も貸し出し致しますので、今夜会場でお声がけ頂ければと思います。


「霧の中で」を聴いたことがないという方のためにYoutubeを貼り付けておきます。今夜の予習に(復習にも)お役立て下さい。


■ヤナーチェク「霧の中で」 (演奏:ミハイル・ルディ、楽譜付き)

  

  
  

ハープの貴公子・・・「貴公子?」

投稿者:ヤマネ


ハープ(クラシック音楽で使用するハープ)、と言うと無条件に女性を、楽器とセットで思い浮かべられる方が多いのではないか。実際世の中のハープ奏者の多くは女性だ。


しかし、男性の奏者も少なからず居る。かつてはニカノール・サバレタという名人がいたし、日本のハープ関係者ならヨーゼフ・モルナールの事を知らない人はいないと思う。ウィーンフィルのメンバーだったが、1950年代にN響に客演に来たのをきっかけに、日本に居着いてしまったという人だ。


現在もご高齢ながらご存命だと思うのだが、私が居た頃は桐朋で元気に教えて居られた。ハープ科の女の子たちが「モルちゃん」などと愛を込めて(?)ビルディやなんかで話ししていたのを思い出す。


あ、すいません。ビルディとか言っちゃって。当時の学生しか判らない超ローカルネタですねっ。いやあ、ビルディ懐かしいなあ。もう今はないファミレスなんですよ。BLDYと書いてビルディ。学校から仙川商店街に入ってけっこうすぐ右側の、二階に上がった所にあったんですよね・・・。角のミスドはまだあるんですけどね。


モルちゃん以降、最も有名になった男性ハープ奏者がグザビエ・ドゥ・メストレだろう。ついこの間も来日してN響と共演したり、デュオ・リサイタルを開催などしていた。


そしてそのメストレに続け追い越せとばかりに登場してきたのが、エマニュエル・セイソンである。難関ミュンヘン国際などで優勝し、カーネギーホールやベルリン・フィルハーモニーなどで演奏するなど、めきめきと頭角を現している期待の新星だ。


そんなセイソンのデビュー公演を武蔵野で開催する事となった。6月26日(木)である。チケット発売は来週、5月10日(土)午前10時。NHKのテレビカメラが客席に入りますので、客席数が少なくなっております。お求めはお早めにどうぞ。お越し頂けないという方はぜひ放送をご覧になって下さい。


なお、ハープというのは面白い楽器で、半音上げたり下げたり(シャープやフラットのこと)を足のペダルで操作する。優美な手つきからは想像が出来ないほど足がバタつくので、会場で一度注意深くご覧になってはいかがだろうか。男性はドレスを着ないので足元もはっきり見えるだろう。ペダルの写真はこのページ(おもしろ楽器館)などでご覧頂ける。


■6月26日(木)午後7時 エマニュエル・セイソン ハープリサイタル
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2014/04/post-307.html
NHKによるテレビ収録も予定