チケットの状態11種と、その切りやすさを検証する

投稿者:ヤマネ

チケットをもぎる ― そのプロフェッショナルである我々ですが、一概にチケット、と申しましても、その状態はさまざまです。皆様にお渡しする時はもちろん、ギンギンのピン札で行くのですが、その後の取り扱い状態などで公演日当日の状態が変わって来ます。


ぜひ、公演の当日にはチケットのフィジカルコンディションも最良の状態に持って行きたいところですが、なかなかそうも行かない事情もございましょう。


そこで本日は、チケットの状態と、それぞれのチケットの切りやすさを検証してみようではありませんか!というアホな試みです。


(1)まっすぐピンッとなっている:これをまずデフォルトと致しますね。その状態で持ってきて頂く方が、日本ですから、ええ、やはり多いような気がします。これを基本形としましょう。これの切りやすさをとりあえずAと致します。


(2)ピンとしているチケットにあらかじめ折り目を付けて下さっている:こちらより申し上げることは一切ございません。ありがとうございます。切りやすさ特A


(3)U字に曲がっている:財布の中に入っていたのでしょう、真ん中付近でぐぐっとUの字になっているもの。あるいはそのバリエーション。気持ちは良くわかります。切りやすさB。


(4)濡れてヘナヘナになっている:雨の日はこうなりがち。雨が激しければ激しいほどヘナヘナ率が高くなり、紙がぶよぶよになります。しかし、雨でないのに水っぽくヘナヘナになっている場合は・・・・大量の汗、もしくはトイレで手を洗ったのかな、とうっかり思いを馳せてしまい、ちょっとだけこちらの気が引けます。切りやすさはBマイナス。


(5)四つ折りにチケットを畳んで、それをそのまま渡される:チケットは横長なので、狭い日本という国に住む我ら。たたみたくなる気持ち、理解致します。しかし、開くのに時間がかかります。切りやすさD


(6)ぐっしゃぐしゃになっている:どうしてこうなった?切りやすさE。切っていると途中からミシン目をずれることもしばしば。「絶望」の二文字が頭をよぎる。


(7)二枚(もしくはそれ以上の複数枚)を同時に渡す:手間が省けると思って一緒にお渡し頂いているのだと思うのですが、実は二枚以上重ねてお渡し頂くのは却って切りにくいのです。本当に全てのチケットが正しい公演のものか、受け取ったチケットをずらして確認する時間もかかります。たまに、一枚目と二枚目がひっくり返っている場合があり、焦ります。チケットは各自でお持ち頂けますと、誠に幸いです。切りやすさE


(8)チラシなどにホッチキスで留めてあるチケット:チラシと一体化させることで紛失、混乱を防ごうという作戦ですね。実に見事。しかしチケットがチラシとくっつき大型化しており、なぜか切りやすい向きで出して頂けない場合も多く、そして次の(9)の現象も多発。こうなると身体をうまくひねってやらないと切れません。チケットをもぎる時には外して頂けると大変幸いです。切りやすさE。


(9)絶対にチケットは手渡すもんか!:いや、これはチケットの状態とは関係ありませんが。たまにチケットを強く握りしめたまま差し出される方がおられます。すいません、うまく出来ません。一度手渡しして頂いた方が切りやすいです。が、何らかのお考えがあってそうしておられるのでしょう。切りやすさはG


(10)ほぼ切り離してあり、最後の1-3ミシン目ぐらいで辛うじて繋がっている:これは私どもも切りやすさをお考え下さっているのでしょう。有難いことです。そしてこういう状態で持ってこられるお客様は、チケットを切りやすいように私どもに差し出して下さることがほとんどです。I様、いつも有難うございます。:切りやすさ特AAAAAAA


(11)私どもの目の前で、自分で切り離し「はいっ」と半券だけをお渡し頂く場合:切りやすさ∞(無限大)、しかし誤った公演のチケットであった場合の残念度=ZZZクラス。


いやあ、こうして並べてみると、実にチケットというのは多様であるなと改めて驚かされました。皆様のチケットは、どの状態が多いですか?


それではまたお会いする日まで。ごきげんよう!
  

マリーナ・コンパラート追加公演が決定:3/18(火)ヤマハホール

投稿者:ヤマネ


現代イタリアを代表するメゾ・ソプラノの一人であるマリーナ・コンパラート。初来日となる彼女の、武蔵野公演のチケットは先月発売。大変有難いことに即日完売となりました。


やたー、と喜んでいた矢先のこと(チケットの売れ行きがよいと、私達も人の子でありますから、やはり嬉しくなります)。事務所の電話がリンリンリンと鳴りました。出てみれば実に朗々としたいい声だったのでした。「朝岡と申します!」。フリーアナウンサーの朝岡聡さんだったのです。


ご存じの方も多く居られるとは思いますが、朝岡さんは大変なクラシック音楽ファンで、オペラが大好きという方で、コンパラートさんをイタリアで聴いたことがあり、非常に素晴らしいと思っていたところ、武蔵野市民文化会館で公演があると聴きつけ、しかもソールドアウトだということで、これはもう、もう一公演をぜひ、自分の主催で開催するしかない、開催したい、なんとかなりませんか!という熱心なお電話だったのでした。


やるのであれば、せっかくなので武蔵野公演とは趣向を変えて、男性歌手たちと共に、ガラコンサートっぽく・・・などという事をお話ししているうち、トントントントントントン、ストトトントンと話が進み、ハタと気がつけば・・・・追加公演が決定しておりました!


3月18日[火]19:00 ヤマハホール(銀座)


武蔵野公演を買われた方、買えなかったという方、ぜひご予約下さい。男性歌手陣も加わった華やかな公演となるようです。予約受付は既に開始されております。ヤマハホールは僅か333席の小さな場所ですので、どうぞ早めのご予約を。


■公演の詳細およびチケットについては下記URLをご覧下さい。
1.Facebook[ベルカント・スペシャル2014/マリーナ・コンパラート を迎えて]
http://p.tl/rFGO

2.BLOG[ベルカント・スペシャル2014/マリーナ・コンパラー トを迎えて]
http://o-arches.blog.so-net.ne.jp/2013-12-01

3.お問合せ先:OFFICE ARCHES 03-3565-6771
http://www.o-arches.com
  

舞台ができるまで。

投稿者:ひよこちゃん


さて、現在、武蔵野芸能劇場では、演劇集団・声を出すと気持ちいいの会「富士の破れる日」の仕込み作業が行われています。その仕込みの模様の一コマをお目にかけましょう。



上の写真は、まさに作っている最中の舞台ですが、この舞台美術も脚本・演出をはじめとした様々な条件・制約の中で、一層世界観を引き立てるために、そしてそれだけに留まらず、1つの美術作品としての自己主張も忘れず、といったことが求められます。先ほど仕込みの様子を拝見してきましたが、舞台といいその舞台を照らす照明といい、とてもいい感じに仕上がっているなという印象を受けて、ワクワクしてきました。



芸能劇場はそう大きくはない劇場ですが、そこには日本一高い山、そして世界遺産として日本を象徴するような存在となった富士が浮かび上がることでしょう。舞台はまさに富士への入口、未完成の舞台でさえ、その風格を存分に称えていました。また、3Fの劇場ロビーでは、この公演のキッカケとなった、吉祥寺美術館所蔵の萩原英雄氏の「富士」作品を、観劇にいらっしゃったお客様を対象と致しまして、展示を行います。是非、そちらも併せてご覧いただき、長きにわたって「富士」にこめられてきた人々の思いを感じていただければと思います。
是非この週末、一度は芸能劇場へ足をお運びいただければと思います。特に初日の土曜日は比較的余裕があるようです。土曜日は17時開演なので、観劇後に夜の街へ繰り出すこともできますし、便利な時間帯だと思います。まだご予約いただけますので、ぜひともお越し下さい。


「富士の破れる日」公演詳細ページ:http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/10/post-241.html
「富士の破れる日」チケット予約はこちら:https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/index.jsp?id=56&type=O

 

アンスネスのこと

投稿者:ヤマネ


このブログをお読み頂いている方はご存じの通り、キーシンについて我々はただいま絶賛プロモーション準備中!なのだが、ここにアンスネスという人の事も書いておきたい。12月3日に発売を予定している4/8(火)の公演、レイフ・オヴェ・アンスネスのピアノ・リサイタルについてだ。


私が初めてアンスネスを聴いたのはCDだった。ヴァージンから出ていたショパンの3曲のソナタ、あるいは北欧ニールセンの作品集、これらを聴いたのが初めてだったと記憶している。特にニールセンのシャコンヌに私は強力に打ちこまれ、何度も何度も繰り返し聴き、ギハー!すごい!!と天に向かい絶叫していた(そのCDは今・・・行方不明)。


またシューマンのピアノ・ソナタ第1番の高揚感。ぐ・・・ぐぐぐぐぐ・・・ぐ・・・うおっしゃキター!という高揚感も素晴らしい。あるいはグリーグのピアノで録音したという作品集も良い。ミーハーした私はベルギーのコンサートホールでリサイタルを聴いたおりにサインを貰っている。蛇足ながら、アンスネスは私がコンサート後にサインを貰った唯一のピアニストである。


アンスネスの最上の部分は、しかし、公演中に本当に突然やってくる「天の恵みのような一瞬」に宿る(もちろん普段から抜群にうまいが)。どういう事か。コンサート中のある瞬間に、神が宿ったような奇跡的に素晴らしい「無敵状態」へと突入するのである。マリオがスターをゲットしてもこれほどではあるまいと思われる程に。私が聴いた例では、グリーグの「トロルドハウゲンの婚礼の日」、あるいはリストの「忘れられたワルツ」。


戦慄という言葉が相応しいその瞬間の事を私は今でもありありと思い起こすことが出来る。鳥肌がブワーっと立ったのである。こういう瞬間を持てる人というのは、滅多にいない。これこそが私がアンスネスを天才だと思う一番の理由である。


基本的に通常は淡々と、いささか素っ気なく進んで行くので、なんだか物足りないなと思われる方も居られるかも知れない。だが、突如現れる奇跡の瞬間が、アンスネスという人を「天才」たらしめているのである。


というわけで強引に結論なのですが、ベートーヴェンを今集中的にとりあげ、世界中を絶賛ツアー中のアンスネスが武蔵野に初登場します。強くご期待下さい。


なお、今月21日のアイルランドでの演奏(協奏曲ですが)についてはアイリッシュ・タイムズ紙の批評の中で「ザ・グレイテスト・ピアニスト・イン・ザ・ワールド」(世界最高のピアニスト)という、最上級の表現をした聴衆のコメントも引用され(one of the などと付く複数形ではなく、唯一の存在として絶賛している)、非常に高評価であります。


■アンスネスの演奏するベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番より
武蔵野ではこの曲は演奏しませんが、その雰囲気はつかめるのではないでしょうか。

  
■4月8日(火)レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノリサイタル詳細
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/11/post-254.html
オール・ベートーヴェン・プログラム。発売開始は12月3日(火)午前10時です。
  

公演が中止になったときの対応

投稿者:ヤマネ


大変残念な事ですが、公演というのは中止になる場合があります。理由はその時によって異なり、急病、怪我、妊娠など様々です。


公演を楽しみにしておられたお客様としましては、何ともやるせない気持ちになると言う事はよくよく判ります。その気持ちが怒りとなって発現し「病気になるなんて(怪我をするなんて)プロとして恥ずかしくないのか!」「プロなら這ってでも来るべきだ!」などと、いささかなりと無茶苦茶な、と思えるお言葉を頂戴することもありますが、それはつまり、お客様の「残念だ」という強い気持ちの裏返しなのでありましょう。主催者の我々も大変残念に思いますし、何より出演予定だった本人が最もつらいのだと思います。


今月19日には、アンドレ・ワッツの公演が予定されておりましたが、腕の怪我により中止(うっかり転倒した際に強く打ったらしく、ドクターストップがかかりました。年内の公演すべて、キャンセルせざるを得なかったそうです)。


こういう時、我々はどうするか。お客様および関係者に連絡を致します。関係者には電話をかけます。お客様にはハガキとメール、さらに当事業団のウェブサイト、Facebook、そしてTwitterで告知いたします。「何度も告知が来て煩わしいのでどれか一つだけにして欲しい」とのお言葉を頂くこともありますが、通知を可能な限り徹底するため様々な方法を採っております。


それでもなお、残念ながら当日会場に来られる方が数組おられます。なので、当日は開場の時刻~開演少し過ぎまで、ホールの入り口に立って、来られた方にお詫びを致します。「ハガキ?届いてない」「ポスト?見ていない」(これが意外と多いです)、「譲って貰ったけどそんな事言われていない」(ハガキには「友人などにお譲りになっている場合必ずご連絡下さい」と記載しておりますが、ついうっかりお忘れになるという事もあるのでしょう)、など、お越しになる方のコメントも様々です。申し訳ありません。


「公演3日前の中止」など直前の場合、ハガキは速達でも間に合いませんので、ひたすら電話です。思い出すのは2010年のラドゥ・ルプーのキャンセルです。前日の午後にキャンセルの連絡が入り、全員総出で夕方から夜まで、そして公演当日の朝早くから電話をかけまくった記憶があります。大ホールでの公演でしたから1,000件以上かける必要がありました。確か、この日を楽しみに沖縄から飛んで来ちゃった、などという方もおられ、恐縮しきりでした。


ところで、先日のワッツの際はご来場の方がゼロ!でした。私たちは不幸中の幸いと、ほっと胸をなで下ろしたのです。


■ワッツの演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲第2番:

  

  

武蔵野市民文化会館への道。意外な落とし穴。

投稿者:ヤマネ


武蔵野市民文化会館」。武蔵野市にある市民文化会館です。しかし、似たような建物が、武蔵野市内には最低あと2つ、そして三鷹市にも1つあります。そのためでしょうか、間違われて来られる方が時々おられます。電話も間違ってかかってきます。タクシーも着いちゃいます。


一つは武蔵野市民会館です。いや実に似ている、そっくりだ。文化という二文字がないだけである。しかし油断は禁物、同じ市内の中ですがとんでもなく離れた所にあります。市民文化会館は武蔵野市中町3丁目、三鷹駅から徒歩15分です。市民会館、これは武蔵境駅北口徒歩7分です。全然違います。


名前が似ていて、申し訳ありません。そして武蔵野文化会館という建物もありまして、ここも違う施設です。ここに間違ってアーティストがタクシーで行ってしまった、という事例も、過去にあったようです。


そして・・・これは意外な落とし穴なのですが、三鷹市芸術文化センターと勘違いして来られる方、これがまた意外と多いのです。「三鷹駅から徒歩圏内だが、ちょっと遠い文化施設」という思いでお越しになるのでしょう。


開演ギリギリになって、息せき切って、ゼーハゼーハ言わせながら、ヒー、間に合った!と三鷹市芸術文化センターのチケットを差し出された時には、大変気の毒な思いになります・・・JR三鷹駅を挟んだ南に北に、同じような距離にあって申し訳ありません。(もちろん、この逆のパターン、つまり三鷹に行ってしまった方が大幅に遅刻して来られる事もあります。)


以上、似たような施設を代表して(?)、皆様に心よりお詫び申し上げます。コンサート会場にお越しの際は、場所を今一度ご確認下さいませ。


  

開館30周年記念公演その1~4月22日(火) エフゲニー・キーシン

投稿者:ヤマネ


来年、武蔵野市民文化会館は開館から30周年を迎えます。(ついでに言うと武蔵野公会堂は50周年、武蔵野芸能劇場も30周年を迎えます。実に目出度いと申しますか、キリのよい年度です。)


いやはや、30年の間、いろんな事があったなあ・・・(遠い目)。はっ、私は別に30年ここで働いているわけではなかった!しまった!


・・・わざとらしくて申し訳ありません。それで、30周年!何かやろうぜ!イヤッホオオオウウゥゥゥ!!というノリではないのですけれども、来年度、つまり2014年の4月から3月末までは、普段に増してきらびやかな公演も開催致します。注意深く検討し、その計画はほぼ完成致しました。


目玉と申しますか、特別な公演がいくつか開催される予定ですが、まずは来月半ばに発売を開始する公演があります。それは、エフ・・・・・。何を隠そう、現代ピアノ界最大の巨人の一人、エフゲニー・キーシンなのであります!武蔵野文化事業団の建物内などに掲示されていたり、都心のホールでもチラシが挟まれていたりもするので、既に目にして居られる方もおられることでしょう。


"超人"という言葉はこの男にこそ相応しいのではないかと思われる、あまりにも強烈な存在。むしろ「化け物」と表現した方が良いかも知れません。カラヤンが世に送り出したピアノの巨人です。この20年ほど、東京都内ではサントリーホールでしか演奏しておりませんが、この度、交渉の結果、特別に武蔵野市民文化会館で演奏して頂ける事になりました!! キーシンを武蔵野市で聴く機会など、滅多とあるものではありません!絶対にお見逃しなく!


なお、いま確認のためにニューヨーク・カーネギーホールのサイト(英語)を見てみましたが、来日直前の、来年3月10日の公演(来日公演と同じプログラムです)はどうやら既に完売しているようです。まだ4ヶ月以上ありますし、カーネギーの大ホールは2,800席あるのですが・・・・うーむ、早い!!ものすごい人気ですね!


武蔵野文化事業団ではこれまで皆様に格安で様々な公演をご案内してきました。この特別公演も、30周年を記念して、料金は思い切って低くいたしました。・・・・とはいえ、値段を聞いて「安くないジャン!!」と思われるかも知れません。が、キーシンは超有名人だけあって、出演料も爆発的に高いのです(詳細は12月3日以降に発表致します)。


一人でも多くの市民の皆様、そして友の会の皆様にお越し頂ける事をお待ちしております。キーシン始め、充実の公演を予定しております武蔵野文化事業団の来年度の主催事業にも、どうぞご期待下さいませ。


■キーシンの弾くスクリャービン:練習曲Op.8-12のYoutube映像:
武蔵野市民文化会館でも演奏予定です。

 

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会に先駆け、蘊蓄(うんちく)

投稿者:ヤマネ


12月7日(土)に開催されますベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会。残券が少なくなってまいりました。皆様のご予約に感謝申し上げます。 本日はその演奏会に先立ち、ちょっとした雑学を記したいと思います。


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「ヴァイオリン・ソナタ」と日本語でいいますと、ヴァイオリンとピアノ、2名の演奏者によって演奏される作品を思い浮かべるのが通常です。そして、ヴァイオリンがメインだろうと思いますね。はい。普通にすっと行けばそう理解するのが妥当です。しかしっ、ヴァイオリン・ソナタはそうそう容易ではないっ!!・・・えっ?


実は、ヴァイオリン・ソナタとは言いつつも、ヴァイオリンが「従」でピアノが「主」の曲も多いのです。これはとりわけ古典派と呼ばれる時代ぐらいの作品に多く、ベートーヴェンの場合にもこれが適用されます。ピアノ→メイン、ヴァイオリン→サブ。


もちろん、ご存じの方も多いでしょう。が、私はそのように教わった時に軽く目眩がした記憶がありますので(もう軽く20年は昔になろうか・・・ハハハ、いい歳だね)、ここに改めてお知らせしたいと思った次第です。言ってみれば寿司のようなものです。ヴァイオリンはシャリで、ピアノがネタなのです。・・・いや、逆かな・・・?なんだかわけのわからない例えですねそうですね。


日本人は、クラシック音楽を聴いていても、どうしてもメロディーラインを追うのが好きなんではないかと私は思っています。なので、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでもひょっとするとつい、ヴァイオリンの音ばっかりを追いかけがちなのではないか。


そうではなく、どうぞどうぞピアノによく注目して下さい。これが伴奏と言えるんか?真面目な話どないや?と、膝つき合わせ長時間議論したく思うほど、充実して複雑な音楽を奏でている事に気がつきますから。


そうしましたら次にヴァイオリンの演奏に目を転じて下さい。おや、ピアノの伴奏を弾いているな、とか、おやおやここはピアノに間の手を入れているのだね(間の手=「あーどっこいしょ、どっこいしょ」みたいなもの、と言えばイメージしやすいですか)、と気づく瞬間も多いでしょう。


なお、かの有名な「クロイツェル・ソナタ」(第9番)の楽譜には「非常に協奏的に、ほとんど協奏曲のように書かれたヴァイオリンの伴奏つきピアノ・ソナタ」と書かれているそうですから面白いですね。


おやまあ!と驚かれましたら、真相を確かめるためチケットをご予約頂けますと、私たちも演奏者も喜びます。お客様にとっても、いよいよ有意味な公演となるに違いありません。


■12/7(土) ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/09/post-238.html
11/9現在の残席65枚です。
   

  

コンサートで困ること~鼻編~

投稿者:ヤマネ


本日の話題は、いささか清潔ではないので、ご飯をお食べになっている方は、食後にまた読みに戻って来て下さい。なお、ゴーゴリやショスタコーヴィチの「鼻」とは全く関係ありません。


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静まりかえったコンサート会場で困ること(自分が)があります。いろいろありますが、本日はその第1弾であります。


・・・鼻水であります。先日、私はとあるコンサートホール(新宿区西新宿界隈)で、とあるフランスの若手ピアニスト(ラボアジェとかブーランジェとかそういう名前のピアニストでした)の演奏を聴いておりました。そうすると突如として始まったそれ。それは鼻水が「こんにちはこんちは!」と言ってきたので、あります。


演奏中の鼻水は本当に困ります。風邪を引いているわけでも寒気がするわけでもないのに、一体どうしたわけか。おもむろにティッシュを出してチーン!と出来れば本当に何の苦労もないのですが、演奏中にそのような事はさすがに不可であります。


鼻をすすり上げる、という行為も音が響き渡ることになるのでダメですね。こんな時私の頭に去来するのは、大西巨人が確か、鼻をすする行為を心底軽蔑するみたいな事を(私の記憶が確かなら)複数回書いていることであったり、あるいは、欧米では鼻をすすり上げるのはマナーとしてNGである、とか、そういう話だったりでありますから、鼻をすするという行為に対しては臆病?になっております(だからといって絶対にしないと自信を持っては言えないのですが)。


それはさておいて、鼻水がガンガン出てくるこのリアル、一体私はどうすれば良いのか。とりあえず上を向いてみました。なんだか一生懸命聴いているもしくは感動して涙をこらえているように見えなくもない。これだ!・・・と思いましたがだめでした。鼻水さんは容赦ありませんでした。


この先の記述は省略致しますが、私のまわりに座って居られた方の数が少なく、両隣も空席でしたので、大惨事には至らなかった、とだけ申し上げて終わりと致します。もちろん、休憩になった瞬間にトイレに駆け込んだ、とは説明するまでもなくお解り頂けるに違いますまい。


いやはや、ハンケッチは必須アイテムですね。


   

アトリウム弦楽四重奏団・ロングインタビュー第3回配信(最終回)


■ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲全曲演奏会」の詳細とチケット予約は以下から
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/08/post-228.html

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第1回はこちらから
第2回はこちらから


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ロング・インタビューの第3回目、完結編です。政治に翻弄されたというイメージも強いショスタコーヴィチですが、それとは別に現在のロシアの情勢も少し語られます。また、ショスタコーヴィチが終わればベートーヴェンをやりたい、と今後の野心も。


来月の公演へ向け、期待を高めるインタビューの完結編、どうぞお読み下さい。


アトリウム弦楽四重奏団は12月1日(日)に武蔵野市民文化会館でショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全曲演奏会を開催致します。


全11時間にわたるマラソン・コンサートは、あなたの人生の、かけがいのない財産となるに違いありません。まだご予約頂いていない方は、ぜひこちらから詳細をご確認の上、ご予約下さいませ。


略称は以下の通りです
Al・・・アレクセイ・ナウメンコ Alexey Naumenko(ヴァイオリン)
An・・・アントン・イリューニン Anton Ilyunin(ヴァイオリン)
D・・・ドミトリー・ピツルコ Dmitry Pitulko(ヴィオラ)
Anna・・・アンナ・ゴレロヴァ Anna Gorelova(チェロ)
Q・・・秋島百合子(ロンドン在住ジャーナリスト)


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第3回配信 今後の活動について、そして弦楽四重奏をすることの難しさ


Q=現在のロシアでショスタコーヴィチの音楽を演奏するときは、実際にこのような政治状況や歴史を考えてやるのですか。それとも純粋に音楽だけ?
D=演奏者によります。


Q=観客は?
An=ショスタコーヴィチの音楽への反応は、2種類あるだけです。受け入れるか、受け入れないかです。この曲は好きだけど、こちらは嫌いだ、ということはなくて、彼の音楽自体が好きか嫌いかなだけ。ロシアで観客がショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を聴きにくるでしょ。ものすごく熱狂的な反応か、まったく否定的な反応しかない。

Anna=それは彼が天才的な創造である印じゃないかしら。芸術においても、建築でも、絵画でも舞台芸術でも、こんなものは受け入れられない、といわれるか、これは天才的だというかのどちらかだけ。いつもそうです。


Q=リリースしたCDを見てもロシア物が多いですが、ロシア音楽をライフワークとしているのですか?
An=私たち今はベルリンに住んでいます。最初の目的は音楽を勉強するためでした。ベートーヴェンとか、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、モーツァルト、ハイドンなどを勉強するために。ロシアでは十分に演奏の仕方や公演について学ぶことができなかったので。ですから特にロシア音楽をやろうというのではありません。ベートーヴェンやリゲティやバルトークなどのコンサートなどでもよい批評をもらっています。ですからロシア音楽の演奏家としてのみ受け入れられているのではありません。


Q=でもリリースや今までの活動を見て、ロシアのものが多いですよね?
An=モーツァルト、ベートーヴェンも録音しています。スペインの現代作曲家のホルディ・セルベージョ(Jordi Cervallo)も録音したし。ベートーヴェンもドビュッシーも録音しました。


Q=イメージの問題かもしれませんが、みなさんはロシア人で歴史的に深刻な意味のあるベルリンに住み、歴史的、政治的にいろいろな意味を持つショスタコーヴィチをたくさんやっている。
D=メンデルスゾーンのチクルスも考えています。

An=アトリウム弦楽四重奏団の創立15年が2015年にあるので、そのときはべートーヴェンのチクルスをやりたいですね。

Anna=それが夢なの。

D=今までにやったベートーヴェンの批評はよかったから、ぜひ。僕の意見ですが、我々にとって、なぜかモーツァルトはむずかしい。理由はわからないけれど。ハイドンとベートーヴェンはいいのに。

An=我々の人生の特定の時期に、我々が重要だと考えるレパートリーを明確に表現しなければならないと思っています。それでメンデルスゾーンはあと2年後には重要になると考えています。彼がドイツ人だとか、我々がベルリンに住んでいるとかいうのではなくて、音楽の世界に重要で、弦楽四重奏にとって重要だからです。我々にとって今の段階では、ショスタコーヴィチが一番重要なんですよね。いろいろ平行してやっていますけど。


Q=チャイコフスキーやショスタコーヴィチを直接知っていた人と接触する機会はありましたか?
An=第15番を初演したタネイエフ弦楽四重奏団のチェリストのヨゼフ・レヴィンソン教授です。この曲を始めて演奏した人です。ショスタコーヴィチのモスクワの家に行って練習したそうです。レヴィンソンから学んだ最初の重要なことは、楽譜に書いてあるテンポについてです。テンポはショスタコーヴィチにとって一番必要なことではありませんでした。楽曲のキャラクター(特質、特性)がテンポより大切だというのです。たとえばテンポが80の場合、厳密に80でなくてもよい、そこから音楽を作るキャラクターを生み出すことが大切で、テンポは90でも70でもいいから。それがショスタコーヴィチのメトロノームです(笑)。

Anna=それは重要なことですね。

D=ほんとうかどうかはわかりませんが、そういう話はききました。

An=ある曲をいつも同じキャラクターで同じテンポで演奏するのは不可能ですよ。その日その時によります。気分がいいとか音響がどうだとか、その時によってすこし速く、または遅くやるものです。いろいろな状況によりますね。

Anna=レヴィンソン教授が私たちの先生で、私たちのクァルテットの創設を後押しして下さいました。


Q=みなさんはベルリンに定住しているのですか?
Al=はい、そうです。


Q=ロシアでは、何をするにも自由ですか?
An=ええ、もちろん。


Q=ヨーロッパできくニュースですが、現体制下でも自由を奪われる人々がいると伝わってきます。
A=我々が政治の話をするのは適切ではないと思います。集中して考えているのではないので。


Q=よくロシアと行ったりきたりするのですか?
Al=もちろんです。


Q=アーティストはなんでも自由にできるのですか?
An=はい、そうですよ。


Q=アーティストには特権があるのかもしれませんね。
An=西側のメディアには誇張された話がたくさんあると思います。民主主義とか自由について話すとき、これらの言葉の解釈にはいろいろあります。ですからロシアに民主主義がない、などというのは間違いです。音楽家はまったく問題ないですよ。極端なケースでない限り。それはどこでもあるでしょう。


Q=「プッシー・ライオット」(*)の刑罰が西側メディアでは大きく報道されていますが、あの事件をどう思いますか。

(*) カラフルな覆面を被った若い女性3人のパンク・グループ。2012年2月にプーチン体制を批判する歌をロシア正教の聖堂で歌い、同年8月に暴徒行為罪で禁固2年の実刑判決を言い渡された。以後釈放されたメンバーもいるが、2013年7月現在、リーダー格のメンバーは釈放を求める上告を却下されて服役中。宗教と表現の自由を巡ってロシア内外で大論争を呼び、欧米メディアは主にロシア体制に批判的な姿勢を示す。歌手のマドンナがロシアでのコンサートで派手な抗議をしたり、BBCを含む西側の映画製作者が映画館用のドキュメンタリー映画を作ったりして反響が広がっていった。

(みんなが一度に話し出す)

Al=アーティストの問題ではありません。法廷の判決が間違っていたのです。

Anna=いろいろなことが間違っていました。最終的な判定に至る前に、普通ではありえない、よくない情報が多く飛び交いました。私の意見としては、この女性たちは、もし何かに反対しているならその意見を示すことは正しいけれど、教会でやるべきではなかったと思います。教会という場所を尊重すべきでした。街頭ならよいけれど、幼稚園もだめ、教会もだめです。


Q=それで刑務所に入れられたのですよね?
An=それはとても不可解な判決です。
(同時に話す)
Al=子供がいる人もいたのに。

An=彼女たちがやったことはいいことではありません。でもその結果(判決)は行き過ぎです。

Anna=あれは見せつけのための裁判(show trial)ともいえますね。禁固刑に値するような罪ではありません。行いは悪かったけれど。


Q=あと2つだけ質問です。先ず近い将来の計画について。
An=創立15周年を記念する行事をやりたいと思っています。もちろんチャイコフスキー生誕175周年もね。彼の3つの弦楽四重奏曲も含めてすべての室内楽をやるミニ・フェスティバルを主催できたらいいと考えています。おそらくベルリンで。三重奏曲や六重奏曲、ヴァイオリンの作品など。さらには、あまり有名ではないGrigory Fridというロシアの作曲家のピアノ協奏曲を2曲を録音します。ヴィオラのソロの入った曲も入れます。ドイツの放送局で録音し、おそらくCPOレーベルになるでしょう。ピア二ストはドイツ人です。さらにピアノ五重奏曲もあって、ヴァイオリン2人にヴィオラとチェロとピアノですが、リーダー的楽器(leading voice)はヴィオラという楽曲です。

D=ヴィオラが話をするわけです。


Q=では、最後の質問です。日本にはプロの弦楽四重奏団がほとんどありません。やりたい学生はいるのですが、先例がないのです。どうしたらいいか、何かアドバイスをいただけますか。
An=専門の先生を招聘して大学などの音楽教育機関に室内楽専門の部門を作ることでしょうね。何か小さな弦楽四重奏アカデミーが日本にできるといい。それしか方法はないでしょう。

Q=では何からスタートすればいいのでしょうか?
D=先ずはだれか、人がいないとね。ほんというにわかる教授が必要です。

An=興味のある学生たちをプロの生活に導くには非常にむずかしいことです。

Anna=だからこそ私たちはタネイエフ弦楽四重奏団のレヴィンソン教授に非常に感謝しているのです。この(弦楽四重奏という)アイディアを私たちの頭に吹き込んでくれたのはこの先生ですから。彼の教え方というのは、一緒になってやる、ということなんです。お互いを愛し合うこと、これがコミュニケーションを助けるのだと。

D=そうですね。僕は最初からいたのではありませんが、彼がすばらしい人であったのは知っています。クァルテットの練習をするときも、それは五重奏曲のようでした。先生がものすごくプロセスに入り込んで一緒にやっていましたから。ですからコンクールに参加したときも五重奏のようでした。あらゆる感情を分かち合ってくれました。

Anna=教える先生というのは、それぞれの楽器の演奏者であるだけでなく、クァルテットの一員としての経験が長い人でなければいけません。

D=グループの中のことがわかっていないとね。

Anna=弦楽四重奏団の中から、長い間グループがどう活動するのかをわかっていることが大切です。

Q=そしてコンクールがあります。
An=コンクールに優勝するのはよいスタートにはなります。でもそれからの仕事はコンクールに勝つことよりずっとむずかしいです。生涯の競争ですからね。毎日、その演奏を特別のものにしなければなりませんから。

Anna=コンクールは一般に知られるためにあるのです。でもそれからが、ほんとうのキャリアを作る段階になるのです。


【了】


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