クラシック音楽と戯曲 その2

投稿者:I.D   

 

前回に引き続き、私の夏休み自由研究(?)“クラシック音楽の中の戯曲”を見ていきます。

 

モリエールは演劇史の巨人中の巨人なのに、ほとんど見当たりません。有名と言えるものはないと言ってよく、R.シュトラウスに組曲「町人貴族」が、シャンパルティエにコメディ=バレ「病は気から」「強制結婚」「シチリア人:あるいは恋する絵描き」があるぐらい。「強制結婚」と「シチリア人」はマイナーな戯曲です。あっ、「ドン・ジュアン」がありました。これは多くの詩人、劇作家が扱っているので、モリエールのみとは言えませんが、モーツァルトの歌劇、R.シュトラウスの交響詩を筆頭に多くの作曲家が手掛けています。「ドン・ジュアン」を取り扱った戯曲はティルソ・デ・モリーナ、ホセ・ソリーリャ、プーシキン、アレクセイ・トルストイなどのものがありますが、やっぱりモリエールのものが一番面白いと思います。モリエールの戯曲は(慣れると)声を出して笑えます。楽しいです。

 

モリエールの同時代人ラシーヌの戯曲「アタリー」の劇付随音楽をメンデルスゾーンが書き、「イフィジェニー」をグルックが歌劇にしています(「タウリスのイフィゲニア」)。喜劇ばかり書いたモリエールに対し、ラシーヌはほとんど悲劇しか書いておらず、当時の作劇手法「三一致の法則」(時の一致、場の一致、筋の一致)をとてもよく守って戯曲を書いています。彼の劇の多くが24時間以内に、一つの場所で、余分は場面(道化的エピソードの挿入など)なしに進んでいます。なので、劇の密度、人間の情念の密度が濃くて(濃すぎて?)、息もつけないほどです。「フェードル」「アンドロマック」あたりが代表作です。

 

さて、ボーマルシェです。この人は波乱万丈の生涯をおくっており、戯曲はそれほど書いてないのですが、「セヴィリアの理髪師」「フィガロの結婚」が歌劇となっていますね。歌劇が有名になりすぎて霞んでしまっていますが、演劇(ストレート・プレイ)としてもちゃんと生き残っています。

 

18世紀イタリアの劇作家ゴルドーニはご存じでしょうか。イタリア演劇史に輝く喜劇作家で、現在でもイタリアでは沢山上演されており、有名なのはオペラ演出でも著名なストレーレルが創設したミラノ・ピッコロ座のものです。クラシック音楽ではマリピエロという作曲家が、「ゴルドーニの3つの喜劇」という作品を作曲しています。私は今初めて知りましたが。3つというのは「コーヒー店」「トーダロ・ブロントン氏(ぶつぶつ家)」「キオッジャの騒動」のようで、「ブロントン氏」以外は日本語訳があります。

 

同時期にカルロ・ゴッツィという劇作家がおり、彼の戯曲はプッチーニの『トゥーランドット』とプロコフィエフの『三つのオレンジへの恋』へとなっています。ただストレート・プレイとしては余り今では上演されず、私も戯曲を読んだことはありません。

 

ゴルドーニとゴッツィは演劇について論争を繰り広げており、反目し合っていたのですが、200年後の現代においては、演劇界ではゴルドーニの勝ち、音楽界ではゴッツィの勝ちですね(?)。

 

「第九」で有名なシラーはいくつもの戯曲を書いており、ロッシーニの『ウィリアム・テル』、ヴェルディの『群盗』、『ドン・カルロ』(戯曲は「ドン・カルロス」)、『ルイザ・ミラー』(戯曲は「たくらみと恋」)が挙げられます。日本で最初に翻訳・上演された外国の戯曲が「ウィリアム・テル」です。シラーの戯曲は翻訳が古くて、読みにくいものが多いです。“あゝ、おぬし、なにものぢゃ”とか言ってたりします。(まあ、翻訳戯曲全般に言えることですが。)そこをがんばってゴリゴリ読むと、不思議と古い翻訳にも“味”を感じてきます。

 

シラーと同時代のドイツにクライストという劇作家がおり、彼の「公子ホンブルク」をヘンツェが、「ペンテジレーア」をシェックが歌劇にしております。原作も歌劇もあまり知られていませんね。しかしクライストは決して忘れ去られた劇作家ではなく、ヨーロッパでは時々上演されます。悲劇を多く書きましたが、ほとんど唯一書いた喜劇「こわれがめ」が最もポピュラーです。これは、(演劇界でもやはり固く重々しい?)ドイツにおいての数少ない喜劇の傑作として知られています。

 

ユゴーの戯曲「リュイ・ブラース」がメンデルスゾーンの序曲に、「エルナニ」がヴェルディの歌劇になっています。「エルナニ」は1830年にストレート・プレイとして初演されたときは、その革新性に劇場が騒然となったと言われています。いわゆる“問題作”ですね。

 

プーシキンは小説、評論、紀行文、童話などあらゆる分野のロシア文学の父として、母国ではトルストイ、ドストエフスキー以上の人気があると聞きますが、戯曲も残しています。多幕物は「ボリス・ゴドゥノフ」だけですが、ムソルグスキーとプロコフィエフ歌劇となっています。このオペラが好きな方は是非読んでいただきたい魅力溢れる戯曲です。また、リムスキー=コルサコフが「モーツァルトとサリエリ」という戯曲を歌劇にしています。

 

小説「死せる魂」などで有名なゴーゴリの戯曲では、「賭博師」をショスタコーヴィチがオペラ化しようとしています(未完)。ゴーゴリには「検察官」「結婚」など今でも非常にしばしば上演されるものがあり、ロシア演劇ではチェーホフの四大戯曲に追随する人気があります。

 

ゴーゴリの同時期にアレクサンドル・オストロフスキーという劇作家がおり、その戯曲「雪娘」「ヴォイェヴェーダ」を題材にチャイコフスキーが劇付随音楽を作っており、「雪娘」はリムスキー=コルサコフも歌劇にしています。またヤナーチェクの歌劇『カーチャ・カバノヴァー』は彼の「雷雨」という戯曲を扱っています。これは数多くの戯曲を書いた彼の代表作の一つです。オストロフスキーの戯曲はロシアでは現在もとてもポピュラーで、モスクワのボリショイ劇場の横の、演劇専門のマールイ劇場は「オストロフスキーの家」とも言われているほどなのですが、日本ではほとんど無名です。なぜなんだろう?

 

今回も長くなりすぎました。

 

吉祥寺シアターでは10月にチェーホフの戯曲「三人姉妹」が上演されます(9月2日発売開始)。チェーホフの名作中の名作を平田オリザがアンドロイドを登場させる「アンドロイド版」に翻案するとのこと。《クラシック音楽ファンが楽しめる演劇シリーズ》ですので、是非いらしてください。

 

これもオルガン

 

投稿者:あ・と・お

 

皆さんは“オルガン”と聞くと何を思い浮かべられますか?武蔵野のコンサートによくいらっしゃる方は、「小ホールにあるオルガンのことでしょう」とおっしゃるでしょう。でも、クラシック音楽とそれほど縁のない方は、ほとんどが“学校にあった足ふみオルガン”を連想されるようです。もともと欧米では、オルガン(英organ, 仏orgue, 独orgel)というと、あえて“パイプ”とつけなくてもパイプオルガンを意味するそうです。日本の場合は、パイプオルガンが入ってくる前に、足ふみオルガンが輸入されたため、オルガンと言えば足ふみオルガンのことで、パイプオルガンの場合は“パイプ”とつけないと連想してもらえないという現象が起きているのです。

 

さてさて、「武蔵野市民文化会館には2つのオルガン(以降、パイプオルガンのことです!)があります」と言うと、えーっ、ひとつじゃないの?とおっしゃるかもしれませんが、そう2つなんです。ひとつは、もちろん小ホールにあるオルガンです。では、もうひとつはと言うと、普段は第2練習室というところに置いてあるのですが、練習用、また時々ホールに運んで、アンサンブルの中で通奏低音楽器(旋律を和音で支える伴奏楽器)として使われるポジティフ・オルガンと呼ばれる小型オルガンもあるのです。

 

見た目は小さく(オフィスの机くらいの大きさ)、パイプの本数や、音色を選ぶストップの数も小ホールのオルガンに比べるともちろん少ないのですが、これもれっきとしたオルガンです。パイプ、鍵盤(1段)、空気を送る装置がちゃーんとついています。

 

正面から見るとこんな感じ。

開けると…

鍵盤です。足鍵盤もあります。

中はこんな感じになっています。

この楽器は、フランスのストラスブールにあるミュールアイゼンというメーカーのもので、これも開館当初よりあるんですよ。このポジティフ・オルガンが大活躍するのが、今日から始まったオルガンコンクールのプレ・イベントです。

 

では、このオルガンはどんな音がするのでしょうか?それは、実際に聞いてみてください。これから9月のコンクールに向けて、たくさんのプレ・イベントが武蔵野市内各所でおこなわれますので、ぜひたくさんお越しください。お待ちしております!(なお、9月9日と15日のプレ・イベントは、このポジティフ・オルガンではないものを使用する予定です)

http://www.musashino-culture.or.jp/ticket/archives/897.html

 

2度と実現しないコンサート

投稿者:Director's Choice


コンサートは一期一会の連続です。
企画する方も、「ああ2度はできないから、このチャンスにやってお客様に喜んでいただこう」と思う企画がよくあります。
例えば、残券が31枚となったクラシック・バスカーズなど、その典型です。

 

   
この公演を友の会料金1,000円でお出ししましたが、まあ、もう2度とできないでしょう。
パルテノン多摩さんとか以前4,000円でしたし、地方の会館でも3,500円・・・というのが本来の姿で、このくらいの値段でないと採算が合わないんですね。


どうして1,000円でできたのか!? それは申し訳ございませんが、コーラの成分をお答えできないのと同じで、ちょっと秘密なんです。


もちろんバスカーズはこれからも他のホールで聴くことができるでしょう。しかし、その時は4,000円くらい払わなければならないでしょう。企画者としては「この機会に聴いて欲しいなあ・・・本当にお得な公演なのだから・・・」と考えてしまいます。
まあ、寿司屋で今日はいつもと同じ値段ですごくいいマグロが手に入ったから、常連さんの顔を浮かべながら「来てくれないかなあ・・・」と思う感じでしょうか。


さて、池袋西武にケンジントン・ティールームがあります。ここのイチゴのタルトは絶品であります!熱中症気味で参っていた私も一気に元気に!!
  

  

コンサートに来る服装について悩みますか?ドレスコードなんかはありません。

投稿者:ヤマネ



クラシック音楽といえば、服装についての質問が多いでしょうか。「コンサートホールに行くのですが、どんな格好をしていいかわからない」という質問をヤフー知恵袋やなんかでも見かけますが、服装というのも、「クラシック音楽の演奏会は敷居が高い」と一般的に思われるその理由のひとつとなっているのかもしれません。


お悩みの方のため、クラシック音楽公演に通うことおよそ25年、プロフェッショナルとしても関わるようになって早や6年(短い?)の私がお答えしてみたいと思います。参考にしてください。

  

   
クラシック音楽演奏会に行くときの服装ですが、基本的に自由です。終わり。


おっと、うっかり終わってしまいました。もう少し説明します。武蔵野文化事業団の公演についてまず書きますと、私どもは気軽に市民の方々をはじめ皆様に文化を楽しんで欲しいと願っておりますので、本当に普段みなさんが着ておられるような、いわゆるごく普通の、お好きな格好で来て頂いてもOKです。


そしてこれは、意外に思われるかもしれませんが、私の経験上、世界中のたいていの場所でも、これはほぼ同様です。あまりラフな格好は怒られるのではないかと思われるかもしれませんが、そんな心配は必要ありません。ジーパン、OKです。ミュール、OKです。Tシャツ、OKです。タンクトップ、OKです。海パン一丁、ダメです。


もちろん、せっかくだからちょっとは素敵な格好をして行きたい、という方はもちろん、それもOKです。素敵な時間を素敵な人と、ということであれば、ますますおしゃれをお楽しみいただくとよいでしょう。とても良い時間をお過ごしいただけることと思います。


また、世の中に例外はつきもの。例外について記します。東京ですと、溜池山王、渋谷、上野など都心の贅沢なホールで、オペラ、バレエの"高額な席種の"チケットをお買いになった場合、たとえば1枚で4万円とか5万円とかするような最上席のチケットを買われた場合は、ドレスアップして行かれるとよいでしょう。そのほうが贅沢な気分をより楽しむことが出来るでしょう。しかし、そんなホールでも、私のように上階の安い席を買っている場合は、普段着でOKです。こういう所であまりに着飾るとかえって浮きます。2~3千円の天井桟敷にエリザベス・テイラーのようなゴージャスな人が座っていたらびびりませんか。つまりそういうことです。


さらには、めったにありませんが「ドレスアップして来て欲しい」と主催者が明記している公演があります。そういう場合は、たとえチケットを持っていても、ジーパンだと入場を断られる可能性が高い。しかしこの場合はチラシやウェブサイトなどに「ドレスアップして来てちょう」と必ず書いてありますのでご心配なく。


東京入国管理局へ行ってきましたお話。

投稿者:ひよこちゃん


先日、ヤマネ氏(またヤマネ氏!)の記事にもありましたvisa申請のお話ですが、丸投げ、もとい、任されている私ひよこちゃん、ここ数日にわたりせっせせっせと資料を集め(資料庫とデスクを行ったり来たり)、上司をせっつき(あれはできましたか?あれはもらえました?)、他のコンサートホールに丁重に頭を下げ(電話なんで頭下げても相手には見えないのですが)、なんとかギリギリで提出書類を完成させ、一刻も早くいざ出さむ!というわけで、行って参りましたよ東京入国管理局。



ここが天に代わって悪を討つ(?)泣く子も黙る「東京入国管理局」です。
そんな天下の入管様ですが、なんというか、隔離されています・・・。


 

     
以前は、入管は竹橋にあったそうなのですが、今では品川から更にバスで10分ほど行った海近くの倉庫街にあります。「不法入国、不法就労は水際で止めたるで~!」という気合いの表れなのでしょうか?
武蔵野からは結構遠くて、たっぷり片道1時間以上はかかります。ちょっと不便です。


そして、私たちが申請しに行くのは「在留資格認定証明書」のコーナー。窓口のお姉さんお兄さんに書類を提出します。
お盆の最中だったからか、申請に来ている人はいつもの半分くらいだったのでは?おかげで待ち時間5分で、本日の申請は終了です。ひどいときは1時間以上待つので、スーパーの特売で、お肉を4割引で買ったくらいのお得感でしょうか。


ちなみに、コンサート等で招聘する場合は「興行」という区分になるのですが、昔はフィリピン・パブなどいわゆる水商売系の方々も同じ受付だったそうで、手続きは今のようにはすんなりいかなかったそうです。ひよこちゃんはそういう意味では楽な時代を生きております。えー、ゆとりですとも。(ちなみに一応、円周率は3.14でした。)


そんなこんなで無事に申請も終え、帰りのバスの中では水商売風のセクシーなお姉さんの露出度の高いお召し物に目のやり場に困り、香水の香りにあてられくしゃみが止まらなくなりながらも、なんとか品川駅へ到着。あとは何事もなくvisa申請に必要なマスト・アイテムが届くことを期待するばかりでございます。

 
  

クラシック音楽のなかの戯曲

投稿者:I.D   

 

私は以前、演劇をやっていたせいで、クラシック音楽の題材に"戯曲"を取り扱ったものがあると、心の中のある部分がピクンと反応してしまいます。クラシック好きの方々は周知のことも多々あると思いますが、どんなものがあるか見ていきたいと思うのでお付き合いください。


まず、シェイクスピアの多さが目につきます。オペラの題材として数多く取り上げられており、ヴェルディの歌劇『オテロ』『マクベス』。『ファルスタッフ』は「ウィンザーの陽気な女房たち」という戯曲をもとにしています。オットー・ニコライ作曲の歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』という歌劇もあります。その明るく楽しい喜劇性のためか、欧米の演劇(ストレート・プレイ)の世界でもしばしば上演される戯曲です。グノーの歌劇『ロミオとジュリエット』、トマの歌劇『ハムレット』、ライマンの歌劇『リア王』、ブリテンの歌劇『夏の夜の夢』、ウェーバーの歌劇『オベロン』は「夏の夜の夢」と「テンペスト」を合わせるという荒技。


メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「テンペスト」。シェイクピアが原作を使用せず、自分で作った話は「夏の夜の夢」と「テンペスト」だけと言われています。「夏の夜の夢」のほうが有名ですが、「テンペスト」も勝るとも劣らない魅力を持った戯曲です。チャイコフスキーの「テンペスト」「ハムレット」「ロミオとジュリエット」が...。書き始めて思いました。シェイクスピア、ありすぎます。


先を急ぐので有名じゃないのだけ挙げます。


ベルリオーズの歌劇『ベアトリスとベネディクト』は「から騒ぎ」を、コルンゴルトの歌曲「道化師の歌」は「十二夜」を基にしているとのこと。「十二夜」はシェイクスピアの喜劇の最高傑作といわれています。悲劇が有名なシェイクスピアですが、喜劇も全く劣っていません。シューベルトの歌曲に「シルヴィアに」というのがあり、これは「ヴェローナの二紳士」という戯曲をあつかったもの。この戯曲は若いころ書かれたもので、ほかの戯曲に比べて高い評価は得ていませんが、私は好きですね。


きりがないので次にいきます。


ゲーテの「ファウスト」も人気です。グノーの歌劇『ファウスト』、ベルリオーズの劇的物語『ファウストの劫罰』、ボーイトの歌劇『メフィストーフェレ』、リストの「ファウスト交響曲」、「メフィスト・ワルツ」。シューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」...。まだまだあります。しかしこれらで取り上げられるのは、ほとんど「ファウスト」の第一部なのですね。ゲーテの「ファウスト」は第一部、第二部があり、第二部は"国家(世界)の創造"という壮大な話になっていきます。あまりに壮大で完全版は演劇でも上演不可能ともいわれており、最近では、十数年前ペーター・シュタイン演出、ブルーノ・ガンツ主演で行われたぐらいです。(私の知る限りです。違っていたらすいません。)


ちなみに「ファウスト」はゲーテ以外も戯曲化しており、シェイクスピアと同時期の劇作家クリストファー・マーロウも「フォースタス博士の悲劇」というのを書いています。この人はエリザベス朝演劇でシェイクスピアに次ぐ天才といわれており、読んでみると圧倒されると思います。


ゲーテの戯曲は圧倒的に「ファウスト」であって、それ以外はあまり知られていません。ほかには扱われてないのかしら...、と調べてみたら、デュカスが若いころに序曲『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』というのを作曲しています。これは「ファウスト」に次ぐゲーテの重要な同名の戯曲を題材にしています。またリストの交響詩「タッソー、悲劇と勝利」は「トルクヴァート・タッソー」という戯曲を基にしています。


ギリシャ悲劇は間接的に甚大な影響を及ぼしているので、間接的なものは割愛します。直接的に使われているのは...、ストラヴィンスキーの歌劇『エディプス王』。一番有名なソフォクレスの「オイディプス王」ですね。メンデルスゾーンの劇音楽に『アンティゴネー』『コロノスのオイディプス』があります。「アンティゴネー」もオイディプスに次いで有名なんじゃないでしょうか。オイディプスの娘さんです。これはオルフやテオドラキスも歌劇にしています。「オイディプス」はご存じでも「コロノスのオイディプス」を知っている方は少ないのではないでしょうか。最晩年のオイディプスが登場する戯曲です。なにかリア王などを彷彿とさせる壮大な悲劇なので、オイディプスの最後を知りたい方は是非どうぞ。(そういう方はどれくらいいらっしゃるのだろう。普通いませんよね...)。


さてアイスキュロス、エウリピデス、そしてギリシャ喜劇のアリストファネスの作品を直接的に使った作品はあるのでしょうか。ちょっと調べたけど見当たりませんでした。知っている方がいたら教えてください。


このあと、時代順に挙げようと思ったら長くなりすぎました。続きは次回にします。


戯曲をよんで、演劇にも興味を持っていただけたら嬉しいですね。演劇に興味をもたれたら、吉祥寺シアターにもいらしてください。それでは。


  

演奏会の曲目はどうやって決めているのか

投稿者:Director's Choice



公演のプログラムは1つ1つ考え抜かれて作られています。今月の発売を例にして少しお話ししてみます。


カタリーン・ロタール(コントラバス・9月30日公演)は演奏家本人の希望そのままです。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲やパガニーニのカプリースの編曲版を入れるなど、多くの方にコントラバスを楽しんで欲しいという彼の意図が見てとれます。彼の超絶技巧を見ていただき「驚愕」していただけるだけでなく、深い音楽性も伝えることができると考え、まったくこちらからは注文や依頼を出しませんでした。


12月13日のクラシック・バスカーズの公演は、英語で彼らがやりたいことのアウトラインが数種類送られてきました。曲目というよりコンサートのコンセプトを考える形です。私達はクリスマスの名曲を採り上げるプランを希望し、「第9」などの名曲が組み込まれました。


逆にこちらからリクエストしたのがスコダの公演(完売)です。
最近の東京公演では、シューベルトを多く採り上げていますが、私にとってはどうしても納得のいく演奏ではありませんでした。そこで、ベートーヴェンの最後の3つのソナタを提案したのです。


最近でこそ若いピアニストが弾くこともありますが、やはり長い人生を経てきた者にこそわかるベートーヴェンの世界は、ピアノという楽器を超え、人としての魅力が重要ですから、まさに人間スコダの集大成という公演でもあります。スコダはこちらの提案を快諾し、曲目が決まっています。

 
 
隣のヤマネ氏がKuK(カーウントカー。閉店)のシェフが、ハプスブルクという店を開いたというので行ってきました。オーストリア、ハンガリーの料理を巧みにアレンジし、夏にはぴったりの軽い料理。ワインもオーストリア・ワインに詳しい方は色々相談してみて下さい。リストにないものも多数アリ。


ただ、ランチでも5250円なので、少し余裕のあるときにどうぞ。


   

ヴィザを取得する話。東京入国管理局へゴーゴー、ゴー!

投稿者:ヤマネ


海外からアーティストを招聘する、と言う現実に立ち至った場合、事務的な手続きをあれやこれやとする必要があります。私どもも、あれこれやっております。その中に、ヴィザの取得というものがあります。コンサートをするアーティストには「興行」ヴィザというのを取得してもらわなければなりません。地味ながらも大切な作業の一つです。


この作業、今はひよこちゃんに丸投げ・・・いえ、お願いしている私ですが、かつてはせっせせっせと書類を作成して、品川にあります東京入国管理局という場所に申請に行っておりました。時々ニュース映像なんかでも見かけるこの建物は、倉庫街と言ってよいでしょうか、コンテナ(船荷)を積んだトラックがうろうろするような場所にあります。通常はまず、足を踏み入れないような所です。


一連の事務手続きは、一度教われば誰にでも出来るものです。ですので難易度はさほど高くありませんが、作業開始から終了(ヴィザ無事ゲット、うわーい!)までけっこう時間がかかるという事もあり、余裕を持った行動が"切に"求められます。ぎりぎりになってドッヒャーまずいまずいまずい!と大騒ぎをする、という事だけは避けなければならないのです。しかし「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、誠に古来の知恵はないがしろに出来ない。時として現実は・・・(以下略)。


ちなみに、ここへ申請に行ってもヴィザが貰えるわけではなく、ヴィザ申請の際に非常に役立つ書類が貰えるだけなのです(即日ではなくて10日~2週間後に郵送されます)。それを海外に送り、海外で本人なり代理人なりが日本国領事館に行って申請をしなければならないのです。


ヴィザ取得、なかなか一筋縄ではいきません。ええ。いやほんと。

  

短い夏休み。そしてオルコン。

投稿者:あ・と・お

 

少し夏休みをいただいて帰省してきました。田舎で“の~びり”といきたかったのですが、来月にオルガンコンクールが迫ってきており、お家でもちょこちょこっとパソコンを開いたりもしていました。家にインターネット回線がないため、公衆無線LANに接続しようとしても、なぜかうまくいかず悪戦苦闘。結局、町で唯一(?)のインターネットカフェに行ってみたりもしました。そこそこ大きい町なんですけどねぇ…。

 

さて、戻ってきてみると8月8日(水)の読売新聞の武蔵野版で、オルガンコンクールが写真入りでバーンと大きく取り上げられていました。

 

来週からは、武蔵野の街のあちこちでプレ・イベントも始まります。街ぐるみでコンクールをどんどん盛り上げていきたいと思います。きっと今頃、出場者たちも最後のラストスパートと、練習にも熱が入っていることでしょう。こちらも抜かりなく準備して、各国から集まる出場者、審査委員、そしてお客様をお迎えしたいと張り切っています。

 

こんなポスターやチラシも武蔵野の街中でお見かけになると思います。

ブログの作法

投稿者:ひよこちゃん



ヤマネ氏が昨日の記事でとても真面目な問題提起をされているので、次が書きづらいひよこちゃんです。3日間くらいトップにしといた方がいいんじゃと思うのですが、毎日更新がモットーですので、対照的な軽い話題をお送りします。


こちらのブログをよく読んでいただいている方々はお気付きでしょうが、一応ですね、私どもこのブログを毎日更新する(水曜日以外)というルールに則って運営しております。自分が仕事が休みの日でもブログ当番の日となれば、自宅から原稿を送る場合もあります。万が一忘れようものなら、他の執筆者各人からの冷たい視線が待ち受けています(かなり誇張アリ)。


つまり、ブログは我々スタッフにとってはもはや「鉄の掟」のような存在となっています。
(まるで体育会系みたいですが、実際の私たちは極めて文化系です)


残念ながらヤマネ氏のような興味深い問題提起は私にはとてもできませんが、そんなわけで、ひよこちゃんは今日もブログを書かねばなりません。
(注:別にヤマネ氏を「よいしょ」している訳ではありません。世の数多ある職場の中には部下の「よいしょ」が尊ばれる所もあるのでしょうが、残念ながら?私が誰かを「よいしょ」してもここでは何のメリットも発生しません)


執筆者は見ての通り5人しかいませんので、毎週水曜日は休みだとしても5~6日に1回のペースで順番がまわってきます。
これは正直申し上げまして、私にはなかなか高いハードルですなのですが、他の執筆陣は意外とそうでもないようで、皆さんサラッとお書きあそばします。よくそんなにネタがあるなあ。もちろん仕事経験の差も感じますが、なんというかそれ以上に人生経験の厚みの差を感じる瞬間です。これがジェネレーション・ギャップというやつでしょうか。


ブログを書くって大変なことなんですね。プライベートでは全く書きませんもので、どんなものかと思っていたのですが、毎日ブログを更新し続ける芸能人の人(しょこたんとか)ってなにげに凄いんだと、最近初めて気づきました。一応、緩い縛りとして「仕事に関係あること」という曖昧なルールがありますので、8月のようにコンサートもなくお客様にもあまり会わないような時期にはより一層人生経験の差が出ることでしょう・・・。


もうしばらくはブログにうなされる日々が続きそうです。