パトリック・デュポンか、エヴァ・ダラック=アンテスベルガーか

投稿者:Director's Choice


 アンファン・テリブル(恐るべき子供)と呼ばれてスターダムに登ったパリ・オペラ座の天才ダンサー、パトリック・デュポン。彼と同様、フランスのボルドーを拠点に活躍するエヴァ・ダラック=アンテスベルガーも同じように"アンファン・テリブル"と呼ばれた。


ウィーン国立音楽大学のミヒャエル・ラドゥレスク門下には二人の天才が居る。一人はピエール・ダミアーノ・ペレッティ。武蔵野市国際オルガンコンクールの審査員として来日するが、ラドゥレスクの後を継いで、ウィーンの教授に若くして就任。もう一人がエヴァ・ダラックで、ボルドー音楽院の教授として活躍している。ダラックはラドゥレスクの後、オリヴィエ・ラトリー、ミシェル・ブヴァールの2人のフランス人の薫陶を受け、ウィーンとパリの両方の美点を受け継いでいる。7月22日(日)に公演を行うため初来日を果たす。


ちなみに、ダラックの前任のボルドーの教授はフランソワ・エスピナスで、武蔵野のコンクールで3位に入っている。このエスピナスが転出したのがリヨン国立高等音楽院の教授ポストで、ここはかつて武蔵野のコンクールで審査員を務めたジャン・ボワイエが教授をつとめていたポストなのだ。・・・世界のオルガンの世界で活躍する名オルガニストたちが次々と武蔵野のために来日を続けているのである。


さて、神楽坂に東白庵かりべというソバ屋がある。ここの天ぷらそばは、書き上げが別に出てきて、つゆに自分で入れると"ジュ!"と音のする極めつきの一品。職人のこだわり抜いた技は、芸術の域に達している。こだわりの音楽マニアにはうってつけだ。

  

ザ・ジャパン:アーティストはみんな日本が大好き。

投稿者:ヤマネ


武蔵野文化事業団では多くのアーティスト達を招聘してきた。特に、これまでに日本に来たことのない若手、知られざる名手たちの招聘に力を入れている。その多くは、武蔵野公演のためだけに来てすぐにまた帰って行く、というハードなスケジュールだ。幸いにして、それでもいいよと言ってくれる人たちが結構多いので可能となっている。


そんな彼らは、傾向として、日本、日本の文化に対する興味を強く持っている。


例えば欧米では今、日本食がブームだが、彼らも大好きだ。日本で何が食べたいか聞くと、まずはほぼ全員「SUSHI!」と言う。一昔前は、生の魚なんてキモい、オエーッ!!と言われていたのに。左様、時代は変化し続けるのである。お箸だって、10年前はみんな持ち方がわからず右往左往していたが、今やだいたい皆が、上手に使う。


その他好きな日本食を尋ねると、「テンプラ」「味噌スープ」から「グリルしたポーク」(生姜焼き・・・だと思う)、「スープに入ったヌードル」(うどんとかそば)「ラーメン」「テッパンヤキ」(ジャパニーズ・ビーフはファンタスティックだ!と言う)「茶碗蒸し」「ヤキトリ」「ヤキニク」「オコノミヤキ」「ライス・ボール」(おにぎりのこと)「ヤキソバ」「クリームソーダ」「プリン・ア・ラ・モード」(これはウソ)など、実に多彩な名前が挙がる。


日本語での食べ物の名前なんか彼らは当然覚えてないので、マニアックな食べ物になればなるほど、説明を長々聞いてやっとそれが何か理解することになる。


食べ物以外でも実に興味深い。こないだ来たスキビンスキーは「和傘」が買いたかった。ブッチャレッリは「こけし」が買いたかった。「インペリアル・パラス」(=皇居)も人気だし、「フィッシュ・マーケット」(=築地)に行きたい、なんて事を言う人も時々いる。あとは・・・何で日本人はみんなマスクをしているのか?とかなりの確率で尋ねられる(欧米ではマスクをする習慣がない)。デパ地下の食料品売り場を歩き、威勢の良いかけ声を聞いて「この国には歌が溢れている!」と目を輝かせた人もいた(ポルターリというテノール)。


明後日はチケット発売日ですが、その発売の中では、スティーヴン・ルービン(フォルテピアノ)、フランチェスコ・ドラツィオ(ヴァイオリン)、ルース・パルマー(ヴァイオリン)、この3名が、武蔵野のためだけに来て、帰って行く人たちだ。


公演の合間に、彼らがどんな姿を見せてくれるか、裏方の私はひっそりとそれを楽しみにしていたりする。


27年の歳月。

投稿者:ひよこちゃん

 


過去の記録をさかのぼって見ていると、今でも現役でバリバリ活躍されているあの方やこの方、生の高座をお目にかかれぬ間に亡くなられた名人の方々、そして前座時代の春風亭昇太師匠なども、その歴史に刻まれています。ざっと眺めているだけでも、27年の歴史の重みを感じ改めて身が引き締まる思いがします。


今度の7月の「武蔵野《七夕》寄席」は27歳になってから初めての武蔵野寄席です。27歳最初の主任は三遊亭円丈師匠。新作落語のイメージが強いですが、先日偶然聴く機会に恵まれた、円丈師匠の古典落語も、新作に負けず劣らずの爆笑モノ!これはどちらを演ずるにせよ必聴モノですね。


今なお進化を続けるこの偉大なる師匠に習い、武蔵野寄席も進化を続けていく所存でございます。今年は立川志の輔師匠の独演会も行いますし、下半期は松露寄席も充実のラインナップでお送りできそうです。9月の松露寄席は、今春に昇進したばかりの新・真打2人をお招きします。同じ大学を卒業し、同じ平成10年に師匠のもとに弟子入りした2人が、同じタイミングで真打昇進を決め、未来の名人を目指す門出の時をともに迎えます。そして、お互いの落語の技を存分に出し合う、“熱い”落語会となりそうです。


「落語ブーム」に乗っかるのではなく、落語ファンに今まで以上に寄席を楽しんでいただけるよう、そして、今まで落語に縁がなかったお客様に落語の面白さをお届けできるよう、いっそう精進して参りたいと考えている27歳でございます。


 


 

フンフルトゥの楽器紹介

投稿者:I.D   

昨日、武蔵野市民文化会館ではロシア連邦のトゥバ共和国の喉歌グループ「フンフルトゥ」の公演が行われました。彼らの音楽を聴いていて、私はなぜだか「初恋がきた道」という映画を思い出してしまいました。広大な空と大地と、なによりシンプルだけど強く美しいものが描かれたあの映画を…。時間の都合でMCの方が楽器紹介を出来なかったので、ここでいたします。

イギル

2弦の弓奏楽器。弦と弓は、馬の尻尾の毛もしくは細いナイロン弦の束で出来ている。共鳴胴はレモン型もしくはホームベース型で、表面は若い山羊や蛇の皮が張ってある。5度に調弦し、弦は1本ずつ演奏するのではなく、常に両弦を鳴らす。

 

ドシプルール

3弦の撥弦楽器。伝統的には2弦で共鳴胴は台形であった。低音弦より5度と4度で調弦し、つま弾かずにかき鳴らす。胴の表面はやはり若い山羊や蛇の皮が張ってある。現在は共鳴胴がハート型のものも存在する。

 

ブザーンチゥ

4弦の弓奏楽器、1弦と3弦、2弦と4弦を同じ音に調弦し、それぞれを5度に調弦する。弦の上からでは、下から指の背で抑えて調音する。

 

ホムス

口琴のこと。トゥバでは鉄、木、竹で作られたものが知られている。

 

ショール

縦笛。ヤナギやカラマツから作られることが多い。

 

アムルガ(写真なし)

鹿笛。雄のアカシカの声を模した狩猟の笛。シベリアの松から作られることが多い。

 

リンビ(写真なし)

横笛。木や竹で作られる。色々な穴の数のリンビがある。

 

ケンギルゲ

大太鼓。チベット仏教とともにトゥバに伝えたれた。山羊の皮が張ってある。

 

シュゥングラーシ

ケンギルゲの上に乗せて使用する小さなベル。馬の首を装飾したものが使われていた。

 

ドゥユグ

馬が駆ける様子を表す一対の蹄鉄。

 

ハプチゥク

ガラガラのような楽器。外側は乾燥させた牡牛の陰嚢。中は羊の脚の骨。

 

ちなみにMCの方が「フンフルトゥ」は“太陽のプロペラ”という意味だと話していましたが、“太陽のプロペラ”とは朝焼けや夕焼けの時に大草原の空に見られる、光線が縦に幾重にも分離する様子を言うトゥバ人の言葉だそうです。更には自分たちが住む広々とした大地を指すこともあるとか。

お茶会リポート 3

執筆者:あ・と・お



もうすぐ6月も終わり。...ということは、今年も、もう半分終わってしまうのですね。早いですね。


さて、またまたお茶会レポートです。以前にも何回かお茶会のことは書きましたが、6月24日に催した「松露の『茶の湯』」は、いつもとちょっと違っていました。茶道というと、ふつうイメージするのは抹茶ですよね、でも先日は、煎茶だったのです。これが、とても新鮮でした。


水出しのお茶だったのですが、いただくと、甘みのあるお茶の深くて濃厚なうまみがふわっと口の中に広がり、至福のひと時。ほっとします。茶葉は八女茶(福岡)を使用されていたとのこと。当日のご亭主の話だと、少し渋みが含まれている静岡茶に比べ、八女茶は甘みが多く含まれているそうです。煎茶の茶器は、中国茶のものをイメージしていただくといいのですが、おちょこのような小さいものが使われます。当日使われたのは初夏にふさわしいガラス製で涼しげでした。そして、煎茶では二煎目も出されるのですが、これが淡い渋みがあって、一煎目とはまったく違う味わいが堪能できます。


当日の様子はFacebookにアップしていますので、ご覧ください。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.387890964608266.88994.279152065482157&type=1


今は、ティーバックのお茶で気軽に飲めたり、ペットボトルのお茶が自動販売機で手軽に買える世の中ですが、考えてみると、お茶は昔とても貴重なものだったのでしょうね。なにもお茶会でなくても、いつもよりちょっと時間を掛けてお茶を入れるだけでも、ぐっと味わいが違ってくるのではないでしょうか。


今年度のこれからの「松露の『茶の湯』」には煎茶は予定されていませんが、来年度以降、煎茶のご案内をご覧になりましたら、ぜひぜひ、お出かけください。


プラハ国立歌劇場の「フィガロの結婚」は武蔵野公演もあります



投稿者:Director's Choice


   

1月に来日するプラハ国立歌劇場(スタヴォフスケー劇場)の武蔵野公演のチケットは9月発売予定です。伯爵夫人は東京公演と同じくイザベル・レイが客演致します。レイはこれまでスザンナを持ち役としていましたが、来年はウィーン国立歌劇場に伯爵夫人役でロールデビューをすることが決定。現在ほかのキャストの詳細も詰めておりますので、発表までしばらくお待ち下さい。


さて今回は銀座のフレンチ「レカイヨ」についてちょっと書いてみたい。ソムリエさんと話していると、シェ・イノ時代にルイサダ(ピアニスト)とジャンヌ・モローのCDを買った次の日に、自分の店のガラス窓をのぞき込んでいる外国人がいて、見るとルイサダだったという。あまりの偶然に驚いたと言っていた。シェフはピアニストの横山幸雄さんなども使われていた広尾のプティ・ポワン(閉店)の北岡さんの息子さんだ。


ランチでサン・ペレグリーノをとって、安い方のムニュを頼んで5,080円。2時間近くかかるが、その間にストレスやら疲れがとれていく至福の時間が待っているのだから激安と言っても過言ではあるまい。


 

ヨハン・シュトラウス2世の邸宅で。

投稿者:ひよこちゃん


 
「トムとジェリー」というアニメをご存知でしょうか?戦前よりアメリカで製作され続けているアニメで、私も子供の頃テレビでしょっちゅう観ていました。大好きなアニメの1つで、折に触れて思い出す機会があったのですが、先日、偶然ランチに入ったお店で、この「トムとジェリー」がテレビで流れていたのです!


懐かしい気持ちでいっぱいになって、もうひよこちゃんはランチどころではありません。テレビの画面に釘付けです。ランチの前後も合わせてたっぷり1時間ほど「トムとジェリー」を堪能しました。


そのうちの1作品が「ワルツの王様」という、ヨハン・シュトラウス2世の飼い猫「トム」と、シュトラウス家に住み着いたネズミ(ジェリー)のお話でした。なんと「トム」はご主人のシュトラウスの演奏に憧れ、遂には自分で「美しく青きドナウ」や「トリッチ・トラッチ・ポルカ」をピアノで演奏してしまうのです!そして、ジェリーはトムのピアノに合わせて踊ります。トムのピアノとジェリーのダンスはたちまち評判となり、街中から見物が殺到し、最後にはなんと王様のお城に招待され演奏を披露することに。


   
「トムとジェリー」には他にもピアノが登場する作品があり、「ピアノ・リサイタル」というお話では、トムはピアニストとしてコンサートに臨みます。演奏する曲目はリストの「ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調」。恐るべきネコです。

  
ちなみに、昨年ウィーン・フィルの来日公演にも同行した中国人ピアニスト郎朗(ランラン)は、この「ピアノ・リサイタル」を観たことが、ピアノを始めるきっかけになったそうです。世界中が注目する天才の誕生が、この10分足らずのアニメがきっかけだったなんて!「我が子をピアニストに!」と思う親御様、「トムとジェリー」いかがですか?


    

そりゃあ、接客業ですから、自分の臭いは気にしています(キリッ)

投稿者:ヤマネ


臭いの話を書きます。お食事中の方はごめんなさい。後で読むか、読まないでもいいです。


皆様は公共の場に出かけるときは自分の臭いを気にされるだろうか。私自身は、自分の臭いが気になる方だと思っている。くさいものハンター(?)小泉武夫教授(→wikipedia)のように臭いをかぎ分けられるようなそんな凄い能力は全くないが、ま、どちらかというと気にする方である。


夏の、しかも大気が動きを停止しているのではないかと思われる程どんよりと蒸す夜、終電などにうっかり乗ると大変だ。様々な臭いが四方八方よりモワーンとお越しになるので、キゼツしそうになる。(それにしても東京の終電が「すし詰め」の大混雑だという事実、初めて体験したときは仰天したものだ)


なので、自分自身の臭いにも気をつけたいと思っているのだが、残念なことに自分自身が発生させているにおいは「あまりと言うかほとんど、いやむしろ絶対判らない」。この決定的難点が、我々人類に共通する一大問題なのである。非常に困る。


私は一応、事務員であり、日夜ひっそりと事務室の隅でキーボードを叩いているのだけれども、公演の前後はご来場頂いたお客様と直接お話をするし、はたまた楽屋など舞台裏では公演の出演者と会話をしたりもするわけで、そんな時、体臭、口臭などがきついとお客様などから大ブーイングなのに違いないのであって、そこはそれ、気をつけてはいるつもりでも、やっぱり判らないものは判らない。しょうがないからせいぜい出勤前に自宅でネコに向かって息を吐きかけ、さあ臭うか、どうだ、と問いつめたところで、ネコはせいぜいつまらなそうに欠伸をするのみなのだ。


たとえば、公演がある日はニンニク的な物を控える。香水はつけない(普段から滅多につけませんが。脱線しますが、英語では香水をつけるとは言わず「着る」wearと言いますね。服と同じで日常的なもの、という感覚でしょう)、はたまた、特に今の季節、洗濯が生乾きにならないように気をつける、どうも口が臭うかなと思ったら腹から臭いを消す「飲む」ブレスケアをやってみる、など試みてはいるが、実際の所はわからない。


もし万が一、私から臭いが発散されていたら、気づいた方はどうぞどうぞ、こっそり教えて下さい。

  
  

『ピグマリオン』稽古開始

執筆者:あ・と・お
 

今年はジャン=ジャック・ルソー生誕300年。一般には社会思想家として知られるルソーの、音楽家としての側面に光をあてる企画が武蔵野では続きます。5月11日に彼の歌劇『村の占師』を上演したのをご記憶の方も多いでしょう。おかげ様で、多くの方から好評をいただきました。

 

今月30日には、音楽独白劇『ピグマリオン』の公演が武蔵野市民文化会館小ホールであります。先週から舞台での稽古が始まりました。一人芝居の台詞と台詞の間で音楽が奏され、その音楽は台詞の表現を深めたり予告したりする役割を果たします。台詞と音楽が表裏一体の関係となり物語は進行していきます。この手法を始めたのがルソーだったのです。元になった話はギリシャ神話。彫刻家の苦悩と愛の物語です。今回は二期会などで活躍中のバリトン歌手の北川辰彦さんがピグマリオン役を演じます。稽古では、台詞の理解を深め、それを表現し、音楽との繋がりぐあいをひとつひとつ確認していく作業を続けていらっしゃいました。

 

なお、今回は日本モーツァルト研究所と武蔵野文化事業団がチケットをほぼ半分ずつ販売しています。武蔵野文化事業団分のチケットは完売していましたが、日本モーツァルト研究所から若干枚数戻ってきましたので、追加販売いたします。

 

ルソー:音楽独白劇『ピグマリオン』

www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2012/02/post-33.html

 

また、6月29日からは武蔵野市民文化会館1Fの展示室で「音楽家ジャン=ジャック・ルソー展」を開催いたします。『村の占い師』の初版譜、自筆書簡ほか、『音楽事典』『エミール』『新エロイーズ』『人間不平等起源論』初版、『ピグマリオン』関連資料など一挙に100点を展示いたします。こちらは入場無料です。

 

音楽家ジャン=ジャック・ルソー展

www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2012/06/7-2.html

 

この機会をお見逃しなく!


 

マルクーセン様を接写

投稿者:I.D   

おそらく多くの皆様はリコーダーやハーモニカは吹いたことがあるのではないでしょうか。ピアノや、ヴァイオリンでもキチンとは弾けなくても、触ったことはあるよ、という方は沢山いることでしょう。しかしパイプオルガンをごく間近で見たことがある、ましてや弾いたことがあるという方はそんなに多くはないはずです。

 

本日は皆様に成り代わりまして、私が武蔵野市民文化会館小ホールに鎮座ましましているパイプオルガン「マルクーセン&ソン」を激写したいと思います。私もここで働くまでは、こんなにパイプオルガンに近づいたことはありませんでした。それまでの最も近づいた記録は、6年前「フランシス・ヤコブ オルガン・リサイタル」にお客として来た時に座った5列目でしょう。ちなみにこのコンサートはJ.S.バッハの「クラヴィーア練習曲集第3巻(全曲)」でしたが、曲の合間合間に演奏者本人が教理問答コラールを歌うという、ちょっと不思議なものでした。…すいません、脱線しました。

 

ではまずは前菜として(?)ストップから。ストップとは音の種類を選ぶために使うスイッチのことです。マルクーセンは鍵盤の横にあり、「ノブ型」といわれるものです。これを引っ張り出すと音が鳴り、押し込むと鳴らなくなります。同じ曲でもこのストップの“調合”をいかにするかが重要となります。

 

前菜2品目、足鍵盤(ペダル)です。オルガニストは手と同時に、足でも鍵盤を押しているのですね。ヨーロッパは「平行型」が主流で、イギリス、アメリカは「放射状」とのことです。マルクーセンはデンマーク製ですので、「平行型」です。左上にあるのはカプラーと呼ばれる手鍵盤の1段目、2段目、3段目をつなぐ装置。演奏中に演奏者のすぐ上の小さなパイプの扉が開け閉めされることがありますが(あれ絶対見ちゃいますよね)、この開け閉めをするのが、右にある「Ⅰ」と記されているペダルです。

 

いよいよメインディッシュの(しつこい)、手鍵盤です。注目していただきたいのは右上にある「Load」「Save」と書いてあるところです。多くのストップを曲ごとに全て操作する手間を省くために、一度作ったストップを記憶させておくことができるのですが、それをこの左上のところにフロッピーディスクを入れて、書き込むのです。パイプオルガンとフロッピーディスク…。イメージがあまりに離れているため、はじめ聞いたときは上手く繋がりませんでした。生産が終了されつつあるフロッピーが完全に手に入らなくなったら、システムを入れ替えるのでしょうか…。

 

デザートに演奏者の視点から見上げたオルガンです。

 

さて、この秋にある第7回武蔵野市国際オルガンコンクールに向けて、7月にはプレ・イベントが目白押しです。是非お越しくださいませ。